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もしも人間が魔王になったら  作者: キバごん
異世界炎龍編
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第七十七話 海ではクラゲに注意しろ

魔界にも夏の日差しが舞い落ちてくる季節ーーーー

無論城内も結構な暑さが漂う。


海斗はこの暑さを見込んで早朝のうちに仕事を全て終わらせた。

なので今はバルと共にのんびりと体をだらけさせている。

そんな中、バルが重そうに口を開かせた。


「魔王様、何か面白いことしてくださいよ」


「……は?」


出てきたのはそれ。

確かにかなりの暇が二人を襲っている。

何かをしようにもこの暑さで何もする気が起きない。

その暇に飽きが来たバルは海斗にそう言ったのだ。


「暇なんです」


「お前姫だろーーーー暇なら自分の力で暇をつぶせ、それが自立というもんだ」


「暇をつぶすことに自立もクソもないと思います」


「揚げ足を取らない、それも姫として大事なことだ」


「もうよくわからないです、姫の概念がめちゃくちゃです」


ひたすらに会話を続ける二人。

海斗も暑さであまり体を動かしたくないーーーなので意味のない応答をしている。

終いにはその会話達を用いる。


「はい、今の話でだいぶ暇が潰れただろ、持ち場に戻れ、仕事しろよ」


「私の持ち場は魔王様の隣でのんびりするだけです」


「それ自分から暇作ってんじゃねえか」


結局何が言いたいのか理解できなかった海斗。

会話もここで途切れる。


「……んむ〜……」


バルは机に顎を置き、何かすることはないかと必死に考える。

しかし出てきたのは普段のことばかり……城内では何もすることがない。

海斗も同じく暇なのだが行動しようとする気がない、街に降りても暑さで歩きたくないのが事実……


なにかこう……涼しげになれて楽しいことはないだろうかーーーーーそう考えた時、一つのことが頭をよぎる。


「……あ……」

「魔王様」


「んあ?」


それは夏では定番のこと。

とても簡単でとても楽しいことだ。


「海行きましょう」


「……海……?」




ーーーーーーーーーーー


ーーーーーーー


ーーー




挿絵(By みてみん)


「来たな〜……海」


「来ましたね〜海」



海斗の住む人間界に降りて海へと足を運んだ一行。

魔界にもあるのだが、人間界以上に危険な生物がうようよいるーーーその理由でこちらへと来たのだ。



「すごい広大です〜」


「……うん」


子供用のフリルが特徴的な水着を着て、浮き輪を持つラーファとエリメ。

どうやらラーファもエリメも海に来たのは初めてらしい。

目を静かに輝かせていた。



「たまにははっちゃけるのも必要ですよね」


ビーチボールを持つシウニー。

体を動かす着満々なその姿は絶壁であった。

バンドゥ・ビキニがそれをより引き立たせている。



「私もついてきてよかったのでしょうか……」


腕を前にし、もじもじと恥ずかしがっているのはエレイナ。

そのせいで豊満なお胸様が強調される。

童貞殺し待ったなし。



「海……運命を再確認するためにもうってつけの場所……ふふふ……」


海に来れて意気揚々と黒く輝くマモン。

運命の人と海にいくことは女として当たり前だということ。

その目はうっすらと海斗の方を指しているようで……



「海斗が行くならって……ついてきたけど……」


海斗の横にしっかりと陣取る花音。

顔の火照りは夏のせいなのか横にいる男のせいなのか……

花音は前者の所為にした。



「あらツンデレ? 寒いです〜」


その様子に辛辣な言葉を浴びせるルシファー。

手を口に当て薄っすらと笑みをこぼす。

体をふるふると振動させると胸も一緒に震えだすーーーー童貞殺し2号。



「我らも参戦だな」


「ですねシェイラ様」


胸を張り、鋭い眼光で海を見るシェイラとアノミア。

海斗と初めての外出ということで異様に張り切っている。



「あれ? でも挿絵一枚ですか? 海に来てるのに」


バルの疑問が飛び出る。

これまで悪魔だのサキュバスだの言っていたのにエロいことがほぼ無かった。

そうダラダラ続けてきてやっとエロさが出る話になったのに絵が一つだけとは寂しい。

海斗はそのことについて的確に答えた。


「作者にそんな画力があると思うか? 一人一人書いてたら過労と精神不安定で倒れちまう」

「でもな、これは小説だーーーー漫画ではあまり無い地の文がある、それを使うんだ」


「ほえ〜、いかほどに」


「例えば……」


海斗は近くにいるある人を表し始めたーーーーー




どれほどの怒りも鎮めてくれる優しい、慈愛を帯びた顔つきーーーー

普段なら服の上に割烹着をまとい、体のシルエットは複雑になってしまう。

だが今はビキニ姿、ホルターネックと呼ばれるそれを身につけ現す体はまさに天が与えてくれたもの。


胸は柔らかく大きい、それほどまでに立派でありながらウエストは締まる……その乱暴な体の曲線は見る者を魅了する。

それらはまさしく理性を削るためにあるようなものーーーーしかし彼女はそれに対し無頓着だった。


彼女の名はエレイナ  城の料理長である。







「なんかそれっぽいだろ」


エレイナのことについて表した海斗。

大部分は海斗が感じたものであるーーーーとてもエロいと。

バルはそれに対しとても興奮気味だった。


「すごい! なんかそれっぽいです! じゃあ私も!」


海斗にならい真似をしようと試みるーーーーその標的を見つけ、思うままに地の文で表現する。




なんて眩しいのだろうーーーー夏の日差しの下にもう一つの太陽を見つけた。

それはあるべくして存在しているのかもしれない。


夏にふさわしい赤の髪を持つ女性が一人ーーーーしかもその赤は単なるそれではない、炎が負けを認めるくらいの立派で鮮やかな赤だ。

引き締まった胴、可愛らしいお尻、何もかもが彼女の良さを引き出してくれる。

誰しもが必ず目を引く彼女はシウニー。


海辺に一人、頂点の魅力を保ちながら佇む









まな板だった。


「ちょっと待てええええええええ!!」


シウニーを表現する地の文が終わったと同時に本人が叫び出す。

異常なまでの声だ、普段ではあまり聞けないような声量。

はて、何か怒るようなことをしただろうか……


「なんだシウニーうるさいぞ、広いといっても海は公共の場、異常な行動はとらないように」


「正常なツッコミですよ! なんですか!? 最後の一文!」


「なんですかって、お前の特徴を最大限に捉えた文だろうが、適切だろが」


「途中まで良かったのに最後の最後でまな板になってるじゃないですか! 胸の説明オンリーじゃないですか!」


かなりの勢いで突っかかってくるシウニー。

海斗は冷静に対処していく。


「しょうがないだろ、このメンバーで子供を除いて絶壁なのお前だけなんだし」


皆ボインだからーーーー

海斗が言うように子供のラーファとエリメ以外は全員膨らんでいる。

シウニーが唯一、ストンッとした形状だったのだ。















「てな訳でよろしく頼むぞ、漂流物」


「それただの板です!!」


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