第37話:独占販売契約と、魔王城の超巨大ビジネス
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第37話は、御用商人のガルシアが再登場!
エルフ族を大量動員した「大量生産」体制の確立と、魔王城の新たな巨大ビジネス「エアコン魔法石」の独占販売契約のお話です。
200IQの管理者・木咲リンによる、容赦ない貴族・王宮ターゲットのマーケティング戦略とCSR活動(イメージアップ戦略)まで見据えた完璧なビジネス手腕をお楽しみください!
それでは、第37話スタートです!
御用商人である人間——**ガルシア**の行商隊が、定期の資材搬入のため魔王領の城門をくぐり抜けてやってきた。
だが今日、街の中の雰囲気はこれまでと全く違っていた!
ガルシアの目に飛び込んできたのは、獣人族やドワーフ族だけではない。なんと、金髪をなびかせ長い耳を持ったスレンダーな「エルフ族」が、街の至る所を行き交っていたのだ! あるグループはドワーフと車座になって熱く議論を交わし、またあるグループは魔法の筆を手に真剣な眼差しで石板に刻印を施している。
ガルシアは道端でニコニコと立っていた獣人の警備兵を、極度の困惑とともに突っついた。
「なあ兄さん……魔王領の街に一体何が起きたんだ? なんでプライドが高くて森から出ないはずのエルフどもが、こんなに街中にあふれかえってるんだ?」
獣人の警備兵は豪快に笑うと、胸を張って誇らしげに答えた。
「ガハハハ! 商人さんは知らないのか! リン魔王様が『異種族間雇用』ってやつを実施されたんだよ! 魔王様がエルフの女王様と契約を結んで、我が城の新発明『エアコン魔法石』に温度と湿度を制御する魔法陣を書くため、エルフたちを雇い入れたのさ!」
ガルシアは「エアコン魔法石」という言葉を聞いた瞬間、過去の記憶がフラッシュバックした!
*(待てよ!……前回、俺が魔王様に『温度調整の魔法石を作って売ろう』って提案した時、リン様は『そんな複雑な魔法陣を書けるのは私と女神様の2人だけだし、1枚ずつ書いてたら倒れてしまう』って言ってきっぱり断られたはず……。あの時俺は『いつか作れるようになったら、真っ先に俺に教えてくれ』って言い残したんだが……まさか!!)*
商人ガルシアの瞳が、巨額の金銀財宝と希望の輝きでギラリと光った!
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資材の納品と書類の確認を済ませるやいなや、ガルシアは一刻も早く木咲リンとの特別面会を申し入れた。
完璧にスーツを着こなしたリンは、高級感あふれる執務机の後ろに腰掛けていた。彼女は手に持っていた茶器をソーサーの上に*カチャリ*と静かに置くと、眼鏡の奥のジト目で、興奮のあまり椅子から浮き立ちそうな商人をじっと見つめた。
「何か追加のご用件でしょうか、ガルシアさん?」リンは淡々とした声で尋ねた。
「ま……魔王リン様!」ガルシアは両手を強く握りしめ、身を乗り出して熱切に言った。「前回俺が提案した『エアコン魔法石』の件ですよ! あの時、リン様は『魔法陣を書く人員が足りない』とおっしゃいましたよね。ご自身と女神様しか書けないからと……」
ガルシアは頬が落ちそうになるほど満面の笑みを浮かべ、興奮気味に続けた。
「……ですが、先ほど街中にエルフたちが溢れているのを見ました! 警備兵の話では、エアコン魔法石の魔法陣を書かせるためにエルフを雇ったと! ということは……以前おっしゃっていた生産能力のボトルネックは、完全に解消されたということですね?!」
リンは眼鏡のブリッジを指で少し押し上げると、口元に商人をぞくっとさせるような査定する笑みを浮かべた。
「流石はプロの商人ですね……」リンは引き出しを開け、重厚で美しいデザインのカタログ冊子を取り出すと、机の上に置いた。「……あの日の口約束をよく覚えていらっしゃいました」
ガルシアは慌ててカタログをひったくるように開いた。そこには体系的に整理された商品ラインナップが整然と並んでいた。
* Standardモデル - 一般家庭向けのコンパクトサイズ
* Premiumモデル- 豪商の邸宅向け、銘木彫刻フレーム仕様
* Royalモデル - 上流貴族向け、純金縁取り豪華仕様
* Palaceモデル** - 王宮向け、大広間全体に冷気を届ける豪華彫刻の巨大オブジェ仕様
ガルシアは最後のモデルまで目を通すと、ピタリと動きを止めた……。開いた口が塞がらず、震える人差し指でその行を指さしながら、冷や汗をたらして魔王を見上げた。
「ま……魔王リン様……」ガルシアはゴクリと唾を呑み込んだ。「どうして……どうして『王宮向けモデル』なんてあるんですか?! 俺たち、まだ発売すらしてませんよね?!」
リンは机の上で手を組み、眼鏡の奥のジト目で感情の籠もっていない無表情な視線を返した。
「この顧客層が最も購買力が高いからです」
ガルシア:「……」
*(この魔王……まだ街の外に一歩も踏み出してねぇのに、国王の国庫から金を吸い上げる気満々じゃねぇか!!)*
リンはガルシアをショック状態のまま放置せず、トントンと机を指で軽く叩くと、真顔のまま言葉を続けた。
「熟練労働力であるエルフ族を Mass Production(大量生産)に組み込み、ドワーフ族の構造メカニズムと融合させることで、生産上のボトルネックは解消されました。これにより、この一大輸出産業プロジェクトは100%稼働可能です。今回の輸出契約は、ガルシアさんとの『Exclusive Partner(独占販売代理店)』契約とします……ただし、3つの条件があります」
リンは契約書を机の上に広げた。
「第1に、貴族および王宮向けの店頭販売価格は、最大利益を回収するため『ハイエンド・ラグジュアリー商品』として高額設定にしてください。そして純利益の60%は、魔王城の福利厚生基金へ送金していただきます」
「第2に、全商品に品質保証マークを付与し、ドワーフエンジニア部門による1年間のアフター保証をつけます。万が一故障した場合は、即座に交換パーツを提供します」
「第3に、企業イメージの構築(CSR活動)として、『魔王城チャリティ基金』の名義で、人間側の王都にある病院や養老院へ製品の一部を寄付していただきます」
ガルシアは提示された3つの条件を聞き、思わず手で汗を拭った……。自分の以前の悩みを完璧に解決しているだけでなく、貴族や王宮の市場まで完璧にコントロールする圧倒的な商業計画!
「は……はいいい! 喜んで今すぐサインさせていただきます、魔王様!」ガルシアは躊躇することなく羽ペンを掴むと、契約書に素早く署名した。
リンは受け取った契約書をスキャンするような鋭い視線で確認すると、うっすらと笑みを浮かべ、商人に手を差し伸べた。
「良いビジネスパートナーになれそうですね、ガルシアさん……。最初のプロダクト100台は、来週の月曜日に出荷可能です」
リンは椅子を回転させて城の窓の外を眺めた。そこにはエルフとドワーフが笑い合いながら楽しそうに共同作業を行う姿があった。彼女は手に持った温かいお茶をすすりながら、静かに息を抜くのだった。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
第37話は、エルフの魔法陣刻印×ドワーフの精密加工による「エアコン魔法石」の量産化と、商人のガルシアとの独占販売契約のお話でした!
王宮モデルまでちゃっかり用意して国庫を狙うリンちゃんの容赦ないビジネス脳と、しっかりCSR活動でイメージアップを図る抜け目のなさは流石200IQですね(笑)
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それでは、次回の更新もお楽しみに! ✨




