希望の証明
黒き玉座の間。
タロウと魔王アクロンの剣が最後に交差した瞬間――
「――これで……終わらせる!!」
タロウの全魔力を込めた一撃が放たれた。
風と光の奔流が走り、アクロンの黒い魔力を切り裂いた。
その瞳から、わずかに悲しみと安堵の色が見えた。
「……ありがとう。
我も、ようやく……彼女のもとへ帰ることができる。」
アクロンは、静かに目を閉じた。
玉座の間に、長く続いた戦いの音が止む。
――魔王、討伐完了。
魔物達は波のように飛散していった。
城外で戦っていた騎士団の耳にも
“魔王討伐完了”の合図が届いた。
「魔王……倒れたぞ!!」
「勝った……ついに……勝ったのだ!!」
「万歳――!! 王国に……光が戻る!!」
騎士たちは砕けた盾を掲げ、
空へ雄叫びを上げた。
泣く者、抱き合う者、
その場に座り込む者――
すべての者が、この勝利を信じた。
バリアはすでに消え、
澄み切った空へ戻り始めていた。
(――よかった。
みんな……生きてる……)
限界をこえて魔力を使い切ったリディアは、
杖にもたれながら
空を見あげて微笑む。
(あとは……
タロウくんさえ……戻ってきてくれたら……)
安心したその瞬間――
「リディアさま――!」
呼び声が届く前に、
リディアの視界は暗く沈んだ。
(よかった……ほんとによかった……)
静かな安堵と共に、
リディアはその場に――昏倒した。
戦いは終わった。
救われた命も、守られた希望も、
この空の下に確かにある。
――だが、
勇者タロウの旅は、まだ終ってなかった…




