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彼の愛が重すぎる  作者: 只野優子
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プロローグ

最愛の人を亡くした優子は夫と歩んだ人生を振り返る。

「11時15分 ご臨終です」


病室に主治医の声が響き夫が天に召された事を告げた。私は主治医と看護師にお礼を述べ、血の気が引き白くなっていく夫の頬に口付けた。そして手を握り心の中で


『そんなに待たせないわ。あっち(天国)で待っててね』


そう語りかけると、娘と息子が私の肩を抱き寄せ泣いていた。私は席を立ち子供と孫、曾孫に席を譲り夫の荷物をまとめ出す。

震える手で片付け始めると、ベット横のキャビネットの上に私が初めて贈った安物のブレスレットが目につく。夫は傷だらけのこのブレスレットを肌身離さず持っていた。


『安月給の私が奮発したのよね。彼からしたらおもちゃみたいな物なのに、凄く喜んでずっと着けてくれてた』


そう思うと涙腺が緩んできた。泣いてる場合じゃないと顔を上げ、ブレスレットをハンカチで包みカバンに入れる。そして夫の愛用品を丁寧にカバンにいれながら、夫と初めて出会った日のことを思い出していた。


『あれは確か兄ちゃんに頼まれて…』

お読みいただきありがとうございます。

手が遅いので更新が遅くなりますが、ぼちぼち書いていきますので、よろしくお願いします。


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