3話 初めてのお友達
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「ドラゴンさんおはよう!」
「キュー!」
夜はテントを張って寝た、テントは見たことがなくて召喚出来なかったけど袋に最初から入っていた
「やっぱりこのテントすごいなー」
見た目普通のテントなのにお風呂にお布団、そして凄く広かったし寒くも暑くもない程よい室温だった
「エヴァちゃん特製なのかなーねードラゴンさん!」
「キュー!」
そこでふと私は思った
「いつまでもドラゴンさんじゃなくて名前つけてあげようかな?」
「キュー?」
この子お腹いっぱいになったらお母さんの所に帰るのかなと思ってたけど昨日の夜何となく聞いたら1人ぼっちっぽかったんだよね
「じゃあキューキューなくからキューちゃん!」
「キュー!」
なんの捻りもないキューちゃんという名前に喜んでくれたのか一度私の上でくるくる飛んでまた私の頭の上に戻った
「じゃあ街に向かってレッツゴー!」
「キューキュー!!」
こうして私とキューちゃんの旅が始まったのであった
・・・
・・
・
「うー全然森から抜け出せないー!体力的にはまだまだ歩けるけど精神的に辛いー!」
エヴァちゃんがくれた健康な身体のおかげで全然疲れないし手で小枝や葉っぱをのけてるのに怪我もしない、だけどずっと変わらない景色に飽き飽きしてきたよ!
「キュー?」
不思議そうな声でなくキューちゃん
キューちゃんはずっと私の上に乗ってるから疲れてないよね!
「地図的にはもうすぐ抜けるはずなのにー!目の前は木でいっぱいだよ!」
「ん?何か、爆発音?金属音がする?」
気のせいなくらいに小さな音だけど確かに地図上だと森の入り口くらいから
「キューちゃん!ちょっと行ってみよう!」
私は全力で走ってその音の方向に向かった
「なんか狼の群れが豪華な馬車?に襲いかかってる!」
鎧を着た兵士?さんが頑張って戦っているけど…
「明らかに押されてるよね、どうしようどうしよう…この銃なら倒せるかもだけど助けなんて入らなかったとか言われたら…うーん、うーん」
そんなこと考えているうちに兵士が1人倒れてキラキラと光り消えてしまった
「あ、やられちゃった?」
なんでだろう…人が死んだのにあまり何も感じないのは…
「ああ!もう、迷ってる場合じゃない!」
バンッ
狙いを定めて狼に撃つ、当然当たらないが狼が警戒して動きを止める
「っ!獣人族の子供?!君、下がりなさい!」
女の人の声が聞こえた
「ううん、大丈夫だよ、キューちゃんも手伝ってくれる?」
「キュー!」
私がキューちゃんに協力を求めると頭の上から離れて狼に直進していった
「これは…飛竜の子供?なんでこんな所に」
私は沢山銃を撃った、10発、20発、ほとんど外したし稀に当たっても狼は倒れたり動きが鈍るだけで倒すことはなかった
ただ動きが鈍ったところをキューちゃんは体当たりしたり火を吐いたりしてほとんどの狼を追い返した
「ナイス!キューちゃん!」
「キュー!」
大喜びのキューちゃんは役目を終えると頭の上に戻った
「そんな、ハイウルフの群れがこんな一瞬で君は何者なんだ…?」
「あ、えっと…その」
なんて話せばいいんだろう、まず私病院の看護師さんとお母さん以外ほとんど話したことないからあんまり喋り慣れてないのに
「ちょっと!アンナ!怯えてるじゃない」
豪華な馬車の扉が開き私と同じくらいの女の子が出てきた、綺麗な青い髪に青い目でお人形さんみたいないつまでも見ていられる美しさ
「メアリーお嬢様!大丈夫ですか!我々の失態のせいでお嬢様にも危険な目に…」
すぐに兵士さんたちは綺麗な女の子の前に近寄る
「ううん、元々私がこの魔の森の入り口に生える上薬草が欲しいって言ったせいだから、謝るのは私よ」
申し訳なさそうな顔で女の子は話す
「ねえ、あなた名前は何ていうの?」
急に話しかけてきた!ちょっとびっくりして耳がピクッと動いた気がした
「シオリ…です」
「まあ、シオリっていうのね!是非お礼もしたいし屋敷まで護衛を兼ねて一緒に来てくれない?」
私の手をとり私を馬車の中に引っ張る
そして流されるまま馬車の中に連れてかれた
「あ、あの」
「ああ、敬語とかいらないわよ?見たところ同い年か年下じゃない?」
「12歳で、だよ…」
前世を合わせると
「なら、私の方が年上ね13歳、ところでその頭の上に乗っている飛竜、とてもシオリに懐いているのね」
キラキラと私とキューちゃんを見てくる女の子
「う、うん、キューちゃんは友達だよ」
「ということはシオリはテイマーなのかしら?」
テイマー…?確かゲームで魔物を仲間にする職業だった気がする
「そうなのかな?」
「それでシオリは冒険者の依頼とかでここに?」
「冒険者?なにそれ?」
たしかファンタジーな漫画とか小説にある何でも屋みたいな職業の人だっけ?
「あら、知らないの?ということは冒険者じゃないのね、冒険者というのはね…」
どうやら大体私の思った通りみたい
「へーそうなんだ」
「テイムモンスターは冒険者ギルドで登録しないと街中で自由に出せないのよ」
そうなんだ!早く許可貰わないと!
「キューちゃん早く登録しないとね!」
「キュー!」
バサバサと翼を頭の上で羽ばたかせご機嫌に鳴くキューちゃん、髪がボサボサになっちゃうよ
「ふふ、あなたたちほんと仲がいいのね」
上品に笑いサーっと青髪が風でなびく
「綺麗…」
「あなたも綺麗よ」
「あっ…」
無意識に声に出てしまっていたみたい、私は恥ずかしくなり顔が赤くなった
「白い肌が真っ赤になっちゃって可愛いわね」
「うぅ…」
「そういえば私の名前を言っていなかったわね、メアリー、メアリー・クロフォードよ、気軽にメアリーって呼んでいいからね」
そう言ってメアリーちゃんは静かに私に向かって近づいてくる
「ふにぁ!」
なんと私の尻尾を掴み撫でてきた
「び、びっくりした…」
「ごめんなさい、さっきから視界にチラチラ入ってきてモフモフそうで撫でたくてしょうがなくなって」
「別にいいけど、ちょっとくすぐったい」
今まで尻尾なんてなかったし他人に触られたのは初めてでなんか変な感じ
「あなたは優しいのね、獣人族って尻尾とか耳触られると怒るのよ、むやみやたらと触ってると身体能力が高い獣人族は反撃してくるって兵士に聞いたわ」
「確かに知らない人に触られるのは嫌かも、でもメアリーちゃんはなんか大丈夫」
シオリがそう言うとメアリーはキラリと目が光った
「じゃあ、遠慮なく撫でさせてもらうわね」
「えっ?ちょっと!ヒャッ!くすぐったいー!」
そして街に着くまで撫でられ触られ揉みくちゃにされるシオリであった
キューちゃんが凄い頑張りました!ちなみにメスで綺麗な青色の鱗で覆われていて鱗は銃弾すら跳ね返します。