プロローグ
「こっちだ!早く!」
「ちょっと待ってよ!本当に行くの!?危なくない?」
「そんな事言ってもよ、あんな音聞いたら気になるだ、ろ…」
「ちょっと、どうしたの?」
「……なんだよ、これ……」
2025年 兵庫県 某所
隕石のような謎の物体が空から飛来
近所のコンビニで屯していた男女2人が発見
この翌日、世界中の人々に異変が起こる。
アメリカに住む女性の指先から火が発現
中国の某会社の社長の体が鉄のように硬く
日本の空で飛び回る中年男性の目撃情報
現実とは思えない謎の力が次々と人々に宿った。
研究の結果、人間の体内に今までになかった器官とエネルギーを発見。
この謎の力を[魔法]
その力を使うためのエネルギーを[魔力]
人々はそう名付けた。
更なる研究のため、謎の飛来物の回収を試みるも、不可能と断定。
そのため、飛来場所に研究所を移動、以降はその場所で研究を再開した。
研究の結果、[魔力]は原子力を始めとするあらゆるエネルギーの代用が出来ると判明。
そこからは魔力研究により一層の力を入れ、わずか5年で実用化に成功する。
その一方、魔力を持つ者による犯罪が増加、それに対抗すべく政府は対魔法特価の軍を設立。
設立以降、犯罪数は軒並み減少を見せ、その実績が評価され警察組織の代わりとして機能し始める。
魔法を持って制圧する者たちを[魔導師]と名付ける。
2035年
魔力の発現から10年が経つ頃、対魔法特価の軍を土台として[魔法協会]が設立、警察組織と合併する。
この頃には、魔法は人々の生活に欠かせないものに変わっていた。
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「なあ、いいだろ?」
「やめてよ!私達もう別れたでしょ!」
東京 某所 深夜
路地裏で若い男女が喧嘩をしていた。
男は女の腕を掴んでいて、女はそれを振りほどこうともがいている。
よくある男女の揉め事だ。
「離して、よ!」
女が無理やり振りほどくと、女の爪が男の顔を掠る。
「っいて!お前……」
「あ、あんたが悪いんでしょ!しつこく付きまとうから……」
「……そんな態度取っていいのか?」
そう言うと、男の腕がナイフのような形に変形する。
「ひっ……」
「俺の魔法だ…まだ切り殺されたくないよな?」
男はナイフのような腕を女に突きつける。
真夜中で周囲には誰もいない。
悲鳴を上げようとすると、男がもう片方の手で女の口を塞ぐ。
「大人しくしてれば、切ったりしねえよ……ちょーっと楽しませてくれよ」
男が醜い表情を浮かべて女の胸を触ろうとしたその時、
カタカタ
暗闇から小さな足音が聞こえてくる。
「!?誰だ!」
男は慌てて音の方を見る。
しかし、そこには誰も居ない。
「……気のせいか……まあいい、それじゃあ続きを─」
そこで、男は目の前が真っ黒に染まり、思考が停止した。
「……え?」
突然男が目の前で黒く染まり倒れ込む。
女は驚きと恐怖でその場を走り去った。
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女が立ち去って数秒後
喪服を着た一人の少女が倒れた男の前に立つ。
耳に付けたイヤホンに指を当てると目の前にスクリーンが飛び出し、電話アプリを開く。
「私です。変質者を拘束しました。おそらく以前取り逃した暴漢かと。……はい、それでは後は任せます」
そう言って少女は電話アプリを閉じる。
少女は男を一瞥する。
「……こんな所で堂々と居るなんて、魔法協会をなめすぎですね」
そう言い残し、少女もその場を後にした。
人類に魔力が発現して50年が経った現在。
魔法の強さが国力の証明になり、
日本は世界第3位の魔法大国として存在している。




