神様はイタズラ好きすぎる
こんばんは!作者です。この時期は受験期だからなのか冷え込みますね。最近導入した電気毛布にくるまってゴロゴロしてます。
暖かいー!
ゴロゴローゴロゴロー
と、ゆーわけで2話目です!
──『運命』とは、人の意志に関係なく幸福になったり、不幸になったりする不思議な力だ。それは避けたくても避けられないし、手に入れたくても手に入れることはできない。例えば運命の赤い糸なんて言葉がある。よく聞く言葉だろう。くそっ、リア充爆発しろ。
ちなみに俺は運命は実は偶然でなく、きっと必然なのだろうと思う。前々から神様かなんかが決めてたに違いない。
しかし神様、今回はアンタ少しイヂワルしすぎだろ。流石にこの展開はベタすぎる。
「豊永唯です。よろしく」
男の俺が見てもクールでスマートな挨拶だった。女子達がざわめいている。少しボーイッシュだし、女子にモテる女子って感じだろうか。でも普通転入生の女の子来たら男の方が騒ぐはずじゃないのか?そこんとこ設定どーなのさ神様さんよ。まあ俺には関係ない事だが。
「それじゃあ…そーだな…。東雲の後ろに余ってる席あるからそこに座ってくれ。んじゃ、俺は一服してくるからテキトーにホームルームしててくれ。」
相変わらずテキトーな担任はそう言って教室から出ていった。
まったく…どいつもこいつも…ん?
あれ、なんか殺気がする。なんだろう。
誰が誰に向けての殺気か確信した後、俺は再び窓の外の景色に視線を向ける。まあ、その殺気は間違いなく豊永が俺に向けてのモノだった。目が怖い。今にも殺されそうだ。
「豊永だ…夜露死苦」
引きつった笑顔の豊永に俺も引きつりながらなんとか笑い返した。ちなみに元から笑顔は苦手だ。まじ表情筋すごく使うから疲れる。べ、べつにボッチだから笑い話する相手がいないとか、そ、そんなんじゃないからな!バカにすんなよ!?
1時間目は国語だ。窓際の俺の席はこの時間、陽の当たり具合が最高に気持ちよく、毎回眠気との戦いになる。教科書をロッカーから取ってきた俺は自分の席に横向きで通路に足を出しながら座り、最近始めたゲームアプリを開く。なにやら騒がしい。その原因はやはり豊永だろう。チラッと見てみると
「ねえねえ豊永さんってどこから来たの?」
「唯って呼んでもいい?」
「LINE交換しよー♡」
女子群がってんなー…。ボーイッシュ女子恐るべし。近頃はボーイッシュ女子のアイドルグループまであるらしいし、流行ってるのか?
豊永は質問の嵐にも嫌な顔一つ見せず笑顔で答えている。凄く気さくで話しかけやすそうな雰囲気のコイツはきっと草食系男子にもモテるのだろう。あ、もしかしてこいつリア充?リア充だろ?そう思うとリア充臭がプンプンしてきた。爆発しちまえ!ばーかばーか!
…なんか、最近それしか言ってない気がする。疲れてんのかな。帰って寝よ。
「はい、席戻れー授業始めるぞ」
群がっていた女子達は不満の声を上げながらも次々と席に戻っていく。
やっと静かになった…。その時ふと豊永の机に視線がいく。そこには黒に王冠を被った髑髏の刺繍が入ったペンケースとノートのみ置かれていた…教科書持ってないのか?そもそも群がってた女子達は気が付かなったのか?なんだか嫌な気分になる。あれだけ質問しておいて…もっと気を使えないのか!
豊永はノートのみを開き板書を書き写し始めた。転入してきたばかりなのだから、教科書なんて隣の女子にでも見せてくれと頼めば良いのに。俺の時と違ってみんな喜んで見せてくれそうだが…。仕方ない。今朝のお詫びだ。
「ほれ」
「ん?なんだよ」
「教科書。持ってないんだろ?俺たまたま二冊あるから使えよ」
「そんなわかりやすいポイント稼ぎをしても今朝の事は忘れてやんないぞ」
ああ、結構プライド高い系?教科書忘れて隣に見せてもらう自分ダサい的な感じね。
「そんなのどうでもいいから。はい。教科書置いとくぜ」
「え、あ、ちょ」
「そこー、いつまで喋ってるんですか!ボイコットですか!先生悲しいですよ?」
先生もプライドの高いコイツも面倒くさいので教科書を豊永の机に置いて黙って前を向いた。さて俺は隣の女子に教科書見せてもら…いや、止めておこう。心に傷を負いかねないしな。ノートを広げて板書だけ書き写すことした。
ああ、眠気が…!クソ!負けるな!俺!
眠いなー…眠い…な──
俺らの自由を告げる鐘が校舎の隅々まで鳴り響く。時刻は15時20分。さて帰るか。今日は朝から散々だ。帰ってエロゲでもするか…いや、オンラインゲームをするか…。うーむ。
「おい、東雲」
おっとどうやらまだ帰れなさそうですね。
「ちょっと話がある。屋上までツラ貸せよ」
「いや、俺ちょっと今日は…その…犬の散歩に行かなくちゃなーって」
「……」
「なんだその目は」
「お前学校以外は家で引きこもってそうなのになーって」
「わかったわかった。その通りだから。行くから。そのゴミ見るような目をやめてくんない?」
もぅ…神様はイタズラ好きなんだから♡
はぁ…本当に勘弁してくれよ。
教科書を隣に見せてもらうって凄く勇気のいることだと思うんですよ。少なくとも俺は。
気まづいあの空気も嫌ですよね。
教科書は死んでも忘れないようにしましょう。




