夜会の会場は大混乱
お読みいただきありがとうございます! 読者様の一時の暇つぶしにでもなれば幸いです。
「ココ・アクマー公爵令嬢! もう私はガマンの限界だっ!今日この場でお前との婚約を破棄するっ!」
王国で行われる年に1度の王家主催の大夜会に出席するために、いつも以上に煌びやかに着飾った紳士淑女達が何事かと声のする方を一斉に見つめた。
そこには、この王国の王太子であるアフォーディス第一王子が右腕にピンク色の髪に、ピンクのフリフリというセンスの欠片もなさそうなゴテゴテとしたドレスとギラギラした宝石を身に着けた平民の令嬢を装備している。
その珍妙な二人に対峙するのは彼の王太子の婚約者であるココ・アクマー公爵令嬢、だが彼女は無言で王太子を静かに見つめている。
「理由は勿論分かっているだろうっ! …………勿論この王太子であるアフォーディスの日ごろの行いだ!」
そう言いながらアフォーディスは右腕に装備していたピンク令嬢をペイッと腕を振って床へ放り投げた。
「「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」」」
この瞬間夜会の会場の、アフォーディス以外の全員の心は一つになった!
そしてアフォーディスはさらに言葉を続ける。
「勿論ココ嬢との婚約は、このアフォーディスの有責での破棄とするし、賠償も出来る限りの事はする! そしてこの場での騒ぎの責任と今までの自らの行いを鑑みた結果このアフォーディス、王太子としての資質は無いと自ら気が付いたのだ。 よって王太子の資格を返上させていただき廃太子となることを自ら宣言する!」
あまりの展開の速さに周りの思考が追いつく暇もない。
「ココ嬢、いままで申し訳なかった……」
そう言いながら片膝をついて深く礼を取り謝罪するアフォーディス。
「…………殿下、もしや」
ココ・アクマー公爵令嬢がアフォーディスへ問いかけようとしたが、それを遮り
「国王陛下並びに王家の皆様、今宵の大夜会を私情でかき乱したことを深くお詫びいたします。
いかなる罪も甘んじて受ける覚悟はございますが、これ以上王族の面汚しが会場にいてはご迷惑になりますゆえ御前失礼させていただきます!」
そう言いながらアフォーディスは立ち上がり、会場を出て行こうとする。
あまりの展開の速さに思考が付いていかなかった国王が、やっと我に返り
「待つのだアフォーディス! これだけの騒ぎを起こしておいてどこへ行こうというのだっ!」
と待ったをかける。
「勿論、これだけの騒ぎをおこしたのですから騒乱罪で地下牢へまいりますとも! では、御前失礼!」
そう言いながらスタスタと会場にいた警備の騎士の方へ向かい
「さぁさっさと地下牢へ行くぞ!」
とどっちが罪人なのか分からない態度で騎士を引きずり会場を出ていくのであった。
騎士 「なにがどうなってるんだぁぁぁぁ!」




