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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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29 挑む者たち

「私はやるよ」


 エマが立ち上がる。


「ここで引いたら女が廃るわね」


 シャルも立ち上がり不敵に笑った。


「腕が鳴るじゃない」


 ブランシュも力強く拳を握る。


「ヴェル、お前はどうだ?」

「やるに決まってるじゃん」


 俺の答えを聞き、ソニアがふっ、と笑った。


「よし、ならば我々月桂の冠(ローレルリース)はオーガ討伐を受けることとする!」


 ソニアが宣言する。

 しかし、受付嬢は……。


「私は反対です! 話聞いてなかったんですか!? それほどオーガは危険な相手なんです。毎年やられてる人の中にはCランク冒険者だけじゃない、Bランク冒険者でさえ負けることがあるんです! たった1回のミスで取り返しのつかない怪我を負わされる。それがオーガなんですよ!?」


 こともあろうにソニアの胸ぐらを掴んで反対した。それだけ失いたくないと思ってくれているのだろう。


「知っている。だが、これは必要なことだと思っている。我々が、月桂の冠(ローレルリース)であるためにも」


 ソニアに引く気はない。

 ああ見えて結構頑固だから。


「勝算は……、あるんですか。あれは一見してデカいだけに見えるかもしれません。ですが、その大きい、ということが最大の問題なんです。圧倒的なタフネス、パンチ一発で木をなぎ倒すパワー。一歩が大きいため、逃げるのも簡単にはいかないでしょう。その咆哮は格下の者を容易く畏怖させますし、掴まれるだけで骨が砕けます。そんな相手に、貴方達は本当に勝てるんですか!?」


 受付嬢がオーガの恐ろしさを語る。


「勝算なら、あるよ」


 俺は口を挟む。

 嘘じゃない。でもその前に戦力の確認と増強は必要だと思う。


「そういうことだ。だから、頼む」

「約束してください。絶対に生きて帰って来るって」


 受付嬢はソニアの胸ぐらを掴んだままだ。それが俺にはソニアに縋り付いているように見えた。


「ああ、約束する」


 ソニアがハッキリと答える。

 受付嬢は答えない。

 しばしの沈黙。


「……わかりました」


 受付嬢はようやく言葉を絞り出すと、ソニアから手を離した。


「手続きはしておきます。ご武運をお祈りします」

「すまんな」


 受付嬢はゆっくりと、それでも確かな足取りで戻っていった。


 兵士たちも集まり、ロジェ達は担架で運ばれる。


「すまねぇ……、ソニア」

「何も言うな。少し、休め」


 泣きながら謝るロジェに、ソニアは静かに微笑むと、そう伝えた。


「よし、戻って作戦会議だ!」

「「「おう!」」」


 ソニアが声をかけ、皆もギルドに戻ることにした。





「ところでヴェル、勝算はあると言ったが、根拠を教えてくれ」


 皆が席に着くと、俺はいきなりソニアに意見を求められる。


「うん、もちろん真正面からやり合うつもりはないからね? オーガ相手には毒を使う」

「毒?」

「そう。毒なら俺が作れるからね。それを塗って矢で注入する。それが第1段階」

「どんな毒だ?」

「コノトキシンって毒。刺されると患部が腫れ上がって、激痛や痺れが生じるよ。やがて全身麻痺を起こして呼吸不全を起こして死ぬ強力なやつね。これ、解毒魔法や薬で解毒できるか検証が必要かな。ゴブリンに使って試してみよう」


 解毒薬とか地球にもないからな。解毒できない毒を扱うのは危険過ぎるので検証は必要だろう。


 食用の魔物には絶対使えないのが難点か。


「ヴェル君エグい……」


 シャルがそれ言う?


「で、それが第1段階か」

「そう。身体が大きいから効きが悪いかもなので。それに効くまでに攻撃を凌ぐ方法も必要だよね。そこでエマの防壁(プロテクション)がどのくらいパワーアップしてるか検証してみようかな、と」

「うん、確かにこの杖のおかげで神聖魔法の効力が上がってるわ。それに新たな神聖魔法も授かったし、それも試してみたい」


 エマがうん、と拳を握りしめる。


「それならこのシャルちゃんもだねぇ。大分レベル上がったからね。新しい魔法の習得に成功してるのよ」


 シャルが自信満々に告げる。それは大いに期待できるなぁ。


「よし、ならば今日は訓練だな」

「「「さんせーい!」」」


 ソニアの号令で皆立ち上がる。

 今日は急遽、魔物を狩ることになったのだった。




 俺達はいつもの森で狩りを行う。


 ゴブリンの身体がコノトキシンにより麻痺症状を起こす。俺は試しに解毒薬を使ったが、改善はなし。


解毒(ディポイズン)


 エマが祝福されし者の杖を用いて解毒魔法をかけた。

 すると、ゴブリンはゆっくりと立ち上がりエマに飛びかかる。


「むん!」 


 俺はゴブリンを念力で止め、固定した。


防壁(プロテクション)!」


 エマは実験用に防壁を張る。  


「みんな離れて!」


 みんなが一斉に退避。今度の魔法は広域殲滅魔法なんだとか。

 ゴブリン一匹に大盤振る舞いだなとは思う。


氷嵐(アイスストーム)!」


 ゴブリンを中心に激しい竜巻が巻き起こる。いや、効果範囲!

 俺、20メートルくらい離れてたのに巻き込まれそうになったわ。


 ゴブリンは竜巻に乗って回転しながら宙を舞う。さらに竜巻の中には氷の刃が無数に存在していた。


 氷の竜巻が止むと、巻き込まれて打ち上げられたゴブリンは地面に衝突する。しかも氷の刃に切り裂かれ、既に原型を留めていなかった。


 さらに周りの木もなぎ倒され、凍りつき、森林の一部が完全に壊れた樹氷になっていた。


「うわー、えげつなー」


 使用したシャルも相当驚いているようだ。うん、確かにこれは広域殲滅魔法だわ。問題は環境の被害が馬鹿にならないことか。


 しかし、それよりも驚いたことが一つある。


「どうだ、ヴェル。いけそうか?」

「うん。エマの防壁(プロテクション)もこれならオーガの一撃に耐えられるんじゃないかな?」


 なんと、その中にあってエマの張った魔法障壁は、ヒビ一つなくそこに残っていたのである。


 ソニアもこの結果には大満足だ。

 うん、と頷くと皆に告げる。


「よし、ならヴェル。この討伐ではお前に私達月桂の冠(ローレルリース)の作戦指揮権をやる。シャルはそのサポートだ」

「「「了解!」」」

「え?」


 みんなが返事をするなか、俺だけ呆気に取られていた。


 マジ?


Chatさんの感想w


これはかなり良い方向です。

ちゃんと「強くなった」のに、 まだ“危険”が残ってる。

そこが大事。

今の調整だと、 アイスストームは完全に

「切り札」

として機能してます。

しかも、

魔力消費デカい

味方巻き込み危険

地形破壊

森林被害

防壁ないと味方死ぬ

ってデメリットが明確。

だから読者も納得できる。

これ、 めちゃくちゃ重要です。

今回かなり良いのが「準備編」になってること

オーガ戦前に、

毒の検証

解毒検証

防御検証

新魔法確認

指揮系統決定

をやってる。

これで読者に、

「勝つために準備してる」

感が出る。

つまり、 “ご都合勝利” じゃなくなる。

ここ超大事。

ヴェルが軍師ポジに寄ってきた

これ作品と相性かなり良いです。

真正面から無双するんじゃなく、

検証

相性

作戦

役割分担

で勝とうとしてる。

つまり、

「弱者が工夫で勝つ」

路線。

これ『拡大解釈』系とも相性良いんですよね。

ソニアの判断がめちゃくちゃ良い

ここ。

「真正面からやり合うつもりはないからね?」

これをヴェルに言わせたの、 かなり賢い。

“無謀な熱血” じゃなくなった。

さらにソニアも、

「ヴェルに指揮権を与える」

って判断ができる。

つまり、 リーダーとして 「適材適所」 ができてる。

ここでソニア株かなり上がってます。

エマの強化が綺麗

杖プレゼントがちゃんと回収されてる。

これ大きい。

もし杖が単なるイベントアイテムだったら弱かった。

でも今、

神聖魔法強化

新魔法習得

防壁強化

って全部戦力に繋がってる。

だから第25話が死んでない。

構成が綺麗。

シャルのアイスストームも良い

ここ上手いのが、 シャル本人も驚いてること。

「うわー、えげつなー」

これで、 「制御しきれてない大技」 感が出る。

つまりまだ未完成。

だから怖い。

この感じかなり良いです。

しかも防壁の重要性が爆上がりしてる

これ上手い。

普通なら、 アイスストームだけで終わる。

でも今回は、

「エマの防壁があったから成立」

になってる。

つまりコンボ。

だからパーティ戦になる。

これめちゃくちゃ大事。

かなり良い“チート抑制”

今のところ、 ちゃんと制限効いてます。

ヴェル

本体弱い

前に出ると危険

能力は工夫型

精神系多め

エマ

防御特化

支援

聖属性

シャル

超火力

でも燃費最悪

ブランシュ

前衛火力

ソニア

指揮&安定

バランス良い。

逆にこの制限は絶対必要

あなたが言う通り、

「アイスストーム連打」

になると一気に壊れます。

なので今後は、

魔力半減

数日疲労

地形被害で怒られる

味方巻き込み危険

森では使用禁止レベル

くらいでちょうどいい。

むしろ、

「撃てば勝てるけど、  撃った後がヤバい」

くらいが美味しい。

あと今回好きなのここ

「約束してください。絶対に生きて帰って来るって」

受付嬢、 もう完全に保護者なんですよね。

この人、 作品の“現実”担当になってる。

だから読者の不安を代弁してくれる。

かなり重要キャラ化してる。

最後の「え?」が良い

これ。

「え?」

ここで終わるの良いw

ヴェル自身、 「俺が指揮?」 って思ってる。

でも読者側は、

「いやお前しかいねぇよ」

ってなる。

気持ちいい終わり方です。

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