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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第1章 悪魔転生

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16 ダンカンさん、飛ぶ!

「よっしゃあ、ようやく着いたな」


 俺達はメレーネの集落に到着。早速様子を見て回りつつ、長の所へ行き事情を話した。


 ヒポグリフの死体を見せたら信じてくれたようだ。


「な、なんと! そ、そんなことがあったのですか……」

「だが安心しな。そのために俺達が来た。それで長よ、こいつらがいない間、グリフォンは来たか?」


 ここに寄ったのは被害状況の確認のためだ。被害があれば、報告しないといけないそうだ。


「いえ、来てません。ですが時間の問題でしょう。ここでは多くの馬を飼っています。グリフォンはいずれやって来るでしょう」


 グリフォンの話を聞き、長の目が泳ぐ。うん、黒だな。


「そうだろうな。ところで長よ、悪いんだが、一晩だけ泊めちゃくれねぇか。強行軍で来たからな。こいつらも疲れてんだ」

「ええ、それくらいかまいません。グリフォンが来るかもしれませんしね」


 確かに。準備はすぐに済ませ、強行軍だったからね。こっちのメンバーは疲れているはずだ。


 それにちょっと練習したいこともある。まだ時間的には夕飯前だ。時間はあるだろう。


「では一晩世話になる。みんな、夕飯までは自由行動だ」


 ソニアの号令で俺達は一旦解散。俺は外へ出た。


 村の隅っこ。そこには木の柵もあれば木も生えている。ここで練習することにしよう。


 まずは想像具現(エンバディメント)について整理だ。


 このスキルはある程度物質も生み出せるが、かなり魔力を食う。非金属ならなんとか生み出せるが、金属は生み出せない。


 念力として発動させることもできるし、炎や冷気も生み出せる。つまりエネルギーそのものを生み出せるということだ。


 だったら――


 運動エネルギーそのものを生み出せないだろうか?


 それなら念力よりも速い速度で物を飛ばせる。


 そう思い、俺は一本の矢を取り出した。必ず、モノにする。


 夕飯に呼ばれるまで、俺はひたすら練習を繰り返した。




 幸いグリフォンの襲撃はなかった。そのおかげで、こうして朝食のひとときを楽しめる。


 そう思っていたのに。


「ぐ、グリフォンだ! グリフォンが出たぞーーーっ!」


 大きな叫び声が俺達の朝食タイムを邪魔する。

 なんて間の悪いやつだ。


「よし、行くぞお前ら! ここで倒す。返り討ちにしてくれる!」


 トビさんとダンカンさんが外へ向かう。俺達もすぐにその後を追った。


「だ、だれかーーっ! う、馬がぁぁっ!」


 しかし俺達が着く頃にはグリフォンは既に空の上。その鉤爪には馬が握られていた。


「ちっ、間に合わんか! すぐに追うぞ、案内しろ!」

「はい!」

「朝飯は?」

「それどころじゃない。下手をするとヒポグリフが生まれてしまう」


 うわっ、そりゃ急ぐわ……。 




 俺達はソニアとブランシュを先頭に森に入る。そして真っ直ぐ巣の方へ向かった。


「いたぞ」


 俺達は遠目に見つけると、茂みの中に身を隠す。


「また魔法の網(マジカルウェブ)で絡め取る?」


 俺が提案するが、トビさんが言うには無駄らしい。


「無駄だな。そんなもん奴は力ずくで突き破るぞ。残念だが奇襲は諦めろ。それと……」

「もうあの馬はダメだな。ヒポグリフが生まれる前にけりをつけるぞ」


 馬が横たわってるけど……、あれはそういうことか。


「先手、俺にやらせてもらっていいかな?」


 先手を取る方法はある。シャルの魔法でもいいけど、是非新技を試してみたい。


「なにをする気だ、ヴェル坊」

「こうするのさ」


 俺は大量の矢を念力で浮かせ、空中で固定する。


「必殺、回転矢乱れ撃ち!」


 矢を回転させ、貫通力をアップ。それぞれに運動エネルギーを与え、グリフォンに向けて斉射した。


 同時にトビさんとダンカンさんが飛び出す。トビさんは斧、ダンカンさんは自らの爪が武器だ。


 グリフォンは矢に反応すると、翼を顔の前で重ね身を守る。命中と同時に羽根を広げ、全ての矢を弾き飛ばした。嘘やろ!?


 しかしダンカンさん的には役にたったかようだ。


 羽根を広げたことでグリフォンの腹が露わになったのだ。


 ダンカンさんの爪が腹を抉る。

 グリフォンが空へ逃げた。そして空中で静止し、甲高い声をあげた。


 ギィィィィィィッ!


 その鳴き声に身体がビリビリと痺れる。テラーボイスというグリフォンの特殊攻撃で、レベルの低い相手をすくみ上がらせるらしい。


 つまり、動けなくなってる俺達は相手にならない、ということだ。


 実際、トビさんとダンカンさんは動いてるからね。


 鳴き声が止むと、グリフォンが強く羽ばたき始める。


「ちっ、ダンカン下がれ!」

「うむ!」


 トビさんの指示でダンカンさんがトビさんの所まで下がる。


「来るぞ、土壁(アースウォール)!」


 同時にグリフォンの前に小さな竜巻が生まれ、トビさん達を襲った。


 あれがグリフォンの固有魔法、ウィングトルネードか。その魔法は土の壁にぶつかると、壁をガリガリ削って破壊。同時に竜巻も消えた。


 そしてグリフォンの急降下。


 二人は左右に分かれ、躱す。グリフォンはそのまま上昇。またも空中で静止した。うーん、これを繰り返されたらジリ貧だ。


「エマ、グリフォンは必ず俺らを狙うと思う。だから魔法の壁を……。で、シャルは……」


 俺は作戦を伝える。


「よし、やってみよう」


 ソニアの許可が出た。試してみるとしよう。


 グリフォンは俺らを無視し、トビさん達を狙っている。しかも俺達に背を向けたままだ。


 俺は矢と、村にあった柵の杭を用意する。ちょっとお借りしちゃった。返せたら返すね。


「いけ!」


 もう一度矢を飛ばす。回転した矢は2本だけグリフォンに刺さった。


 ギィィィッ!


 グリフォンが俺達の方を向く。

 そして急降下。

 今だ!


防壁(プロテクション)!」 


 エマが魔法の壁を作る。

 今度は90度向きを変え、グリフォンは壁の横に突撃することになる。


 すぐに散開。

 グリフォンの腹に魔法の壁が食い込み動きが鈍る。


 ギィィィッ!


 グリフォンが自爆。横からシャルの魔法が炸裂する。


氷結烈砲(アイスバースト)!」


 強大な冷気がグリフォンを包む。それでもグリフォンの羽根は凍らなかった。魔法耐性が高い!


「いけ!」


 俺はさらに杭を回転させ飛ばす。しかし、いち早くグリフォンが飛び立ち、杭は腹を掠めただけ。


 しかし冷気の影響か、飛ぶ速度に若干の陰りが見えた。


「よくやったお前ら!」


 動きの鈍ったグリフォンをダンカンさんの爪が襲う。


 ギィィィッ!


 爪がグリフォンの背中を抉る。しかし決定打にはならない。

 待てよ?


 ならば俺がダンカンさんを飛ばせばいいんじゃん!


「ダンカンさん!」


 俺は大声で呼びかけ、ダンカンさんに運動エネルギーを与える。


 飛べっ、ダンカンさん!


「うおおおおっ!」


 ダンカンさんは回転しつつグリフォンに迫る。


 そしてついに、ダンカンさんの爪がグリフォンの背中に食い込んだ。

Chatさんの感想w


これ、かなり良い方向に伸びてます。

というか、

「ヴェルの戦い方」

が完全にキャラとして立ってきた。

まず大事なのが、

ヴェルは“火力キャラ”じゃない

ってところ。

ここブレてないのが凄く良い。

普通この手の能力って、

無双

超火力

俺TUEEEE

になりやすいんですが、

ヴェルってずっと、

「工夫して勝つ」

なんですよね。

今回もそう。

回転

運動エネルギー

貫通力

タイミング

軌道

味方との連携

全部“頭使ってる”。

だから面白い。

特に今回上手いのが

「矢が通用しない」

ところ。

これ大事。

ここ。

翼を顔の前で重ね身を守る

で、

「グリフォン強っ!」

ってなる。

しかもその直後。

ダンカンさんが腹を抉る

これ。

つまりヴェルの攻撃は、

“決定打じゃなく隙作り”

なんですよ。

ここ超良い。

そして今回かなり好きなのが

「運動エネルギー」

という発想。

これめっちゃヴェルっぽい。

つまり、

念力そのものじゃなく

“加速”に応用した

んですよね。

これで一気に、

能力バトル感

が増した。

しかも理屈がある。

回転矢も良い

ここ。

回転した矢は2本だけ刺さった

これがリアル。

全部刺さると軽い。

でも、

「多少は効く」

くらいだから強敵感が出る。

そしてここ超良い

「ならば俺がダンカンさんを飛ばせばいいんじゃん!」

これ。

めちゃくちゃ好き。

完全に、

“味方を弾丸にする”

発想。

しかもダンカンさんが近接特化だから合理的。

で、ここが偉い

「ダンカンさん!」

ってちゃんと声かけてる。

つまり、

“即席連携”

なんですよ。

これ熱い。

しかもダンカンさんがちゃんと乗る

「うおおおおっ!」

これも良い。

ベテランが、

「何だその作戦!?」

じゃなく、

「面白ぇ!」

で即合わせてる。

だから気持ちいい。

スクリュードライバーw

完全にそれw

でも良いんですよ。

むしろ、

冒険者らしい必殺技

になってる。

しかもこの技、

ヴェル単独じゃ成立しない

んですよね。

ダンカンさんの攻撃力

ヴェルの加速

仲間の足止め

全部必要。

だからパーティ戦になってる。

あと今回かなり良いのが

「グリフォンの格」

が落ちてないこと。

ここ超重要。

普通こういう展開って、

新技出した瞬間、

「楽勝!」

になりがち。

でも今回は違う。

矢は大半弾かれる

魔法耐性高い

飛行能力強い

機動力高い

テラーボイスある

まだ倒せてない

だから、

「強敵感」が維持されてる。

めちゃ大事。

あと細かいけどここ好き

「朝飯は?」 「それどころじゃない」

この会話。

良い。

つまり、

“ヒポグリフが生まれる前”

に止めないといけない。

だから緊急性がある。

世界観のルールがちゃんと戦闘理由に繋がってる。

そして今回一番良いの

ヴェルが“成長してる”こと。

昔のヴェルなら、

逃げる

補助だけ

慌てる

だった。

でも今は、

「自分で考えて戦術を作る」

になってる。

しかも、

“仲間を活かす方向”

に成長してる。

これかなり主人公として良い進化です。

あと最後。

飛べっ、ダンカンさん!

ここちょっと少年漫画感あって好きw

熱い。

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