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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ


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1/7

1 悪魔な俺と見習い聖女

「どうしてこんな目に……」


 泉に映る自分を見て、俺はガックリと項垂れた。

 背は3歳児くらい。小さな蝙蝠のような羽根に、身体にはところどころに赤い紋様が描かれている。


 しかも素っ裸。


 少し考える。


 俺の最後の記憶。それは車に轢かれそうな小さな子供を庇って、自分は間に合わず……。


 ――死んだ。と、思う。


 しかし今、どういうわけか俺は意識があり、見た目が小さな悪魔となっていた。


 しかし不可解なことが1つ。どうしても自分の名前が思い出せないのだ。家族の顔も名前すらも、だ。


 しかも、それに違和感を感じない自分がいる。なんとも変な気分だ。


「もしかして、これは異世界転生とかいうヤツでは?」


 まさかね、といったノリで口にする。うん、なんかそれ以外答えなくね?


 でもなんで悪魔?

 子供を庇ってその仕打ちは酷くないですかね、神様。


 理不尽を感じずにはいられなかった。周りを見る。


 木々に囲まれ、草花が生え、蝶が飛び交い、鳥がさえずる。なんとものどかな風景だ。


「で、この先どうやって生きていけと?」


 天を仰ぎ呟く。

 青空は答えない。

 当たり前か。


「ステータスオープン、なんてな」


 半分冗談でありふれたワードを口にする。

 そしたら本当に出たわ、ステータスとかいうやつが。



 NAME∶??? AGE∶0歳

 階級∶ベビーデーモン

 レベル∶1 EXP∶0

 HP∶26 MP∶180

 STR∶2 AGI∶18 DEF∶8 REG∶42 

 SKL∶想像具現(エンバディメント)収納空間(インベントリ)、飛行


「俺、0歳なのか。ま、そりゃそうだよな。しかしこれ、スキルはなんか強そうだよな。想像具現ってことはイメージしたものが具現化するっていうことかな?」


 もしそうなら、とんでもないチートだよな。だったら服が欲しいとこだけど。今の姿で着れる服か。


 せっかくだし、カッコいいのを。


 やはり中世貴族風で、色は黒。巨大な鎌とか持ってたらカッコいいよなぁ。


想像具現(エンバディメント)! 出でよカッコいい服と鎌!」


 精神力がごっそり持っていかれる感覚。これが魔力を使う、ということなのか?


 俺の魔力を代償に、小さな服と身の丈に合わない鎌が出現。俺の前にポトリと落ちた。鎌の刃が鉄じゃなくて木なのは、鉄が作れなかったからだ。



 早速着替え、もう一度泉を覗く。

 鎌を肩に担ぐ。うん、似合っているじゃないか。


 でも身体が小さいせいか、カッコいい、というよりは可愛い感じか。

 成長したらなんとかなるだろ。


 一応ステータスを確認する。

 魔力が100も減っていた。でも無から物質を生み出したんだ、むしろ少ないくらいかもしれん。


 次に飛行に挑戦してみた。


 背中の羽根を動かしてみる。

 うん、動く。でもこの羽根、どう見ても身体を浮かすには小さい。なにせ大きさが大人の手のひら程しかないのだ。


 試しに目一杯動かしたが、疲れるだけで全く身体は浮かなかった。


「スキル、ということは念じれば浮くのか?」


 取り敢えず試す。


 ふわり。


 少し身体が浮いた。

 この翼、飾りか?

 だから小さくなって退化した可能性はある。


「よし、飛ぶぞ!」


 自分の飛ぶ姿をイメージ。

 そしたらちゃんと前に進んだ。そうして練習すること1時間。


 結構思い通りに飛べるようになってきた。スピードもそれなりにあるようだ。人が走るよりは速い、かもしれない。多分。


「よし、取り敢えず食べられるものを探そう。それと雨風をしのげる場所だな」


 こうして俺は、この森林の中で生きていくことになった。


 



 それから一ヶ月。

木ノ実を食べ、洞窟で眠り、時には小動物を狩って生き延びた。

そしてその日、野ウサギを仕留めた俺は浮かれていた。


 野ウサギの肉に浮かれ、俺はすっかり周りの警戒を怠っていた。

 だから気づかなかったんだ。

 俺の、弱っちい悪魔の天敵がすぐそばまで来ていることに。


「悪魔……」


 人の声がした。

 俺は振り向く。転生してから初めて見る人間が3人。全員女の子だ。

 それでつい、俺はなんの警戒もせずに彼女らを眺めていた。


 1人が俺を見て剣を抜く。もう一人が杖を構えた。


 血の気が引く。


 ――俺を、殺すつもりか!?


 なぜ?

 わからない。俺、なんかした?


 あの娘達は悪い人なのか?


 色んな考えが錯綜する。

 答えを出すより早く――


氷結矢(フリーズアロー)!」


 氷の矢が俺を襲う。咄嗟に横に避けた所を剣が向けられる。


「うわっ!」


 転がりながら避けた。


「なにすんだ!」


 自分が襲われる理由がわからず、俺は非難の声をあげる。


「は? 悪魔が何言ってるの。脅威になる前に消すに決まってるでしょう!」


 ――そうだ、俺は悪魔だった。


 すっかり自分が悪魔、ということを忘れていた。彼女が剣を向ける。


 どうする?

 抵抗するか?


 でも――

 心まで悪魔になんか、なりたくない。覚悟が持てなかった。

 命を狙われているというのに、だ。


「死になさい!」


 その女の子は剣を何度も振り、俺を斬ろうとした。


 ――いやだ、死にたくない!


 俺は必死に避け、飛んで逃亡を試みる。しかし――


 ガン!


「いたっ!」


 逃げた道を半透明な壁が塞ぐ。それに顔をぶつけ、地面に転がる。


「もらった!」

「ああっ!」


 避けきれず、腕から血が流れる。


 痛い。ズキズキする。

 呼吸は乱れ、精神的な疲労が余計に体力を奪う。

 このままだと、殺される。

 それでも、俺は反撃する覚悟を未だ持てずにいた。


「小さき悪魔に天の鉄槌を」


 シスターのような格好をした女の子が十字を刻む。


 天の鉄槌だと!?


 俺が、俺が悪いのか?

 悪魔に生まれたことがそんなに悪いのかよ!


「ふざけるな……!」


 怒りがこみ上げる。

 それ以上に、俺は悲しくなった。

 自分の運命が。


「好きで……、好きで悪魔に生まれたわけじゃないのに……!」


 涙が零れる。

 もう止まらなかった。

 生きてることが、罪だなんてあんまりじゃないか!


「俺がいったい何をしたんだよ! 俺だって、俺だって生きてるんだ! そんなに悪魔に生まれたことが悪いのかよ! そんなに人間って偉いのかよ!」


 叫ぶ。

 魂のある限り。俺は歯を食いしばり彼女達を睨んだ。


「なにこの悪魔……、泣いてるの? そうよ、悪魔に生まれたことを恨みなさい!」


 女の子が剣を振りかぶる。

 すると、シスター風の女の子が駆け寄り、俺を守るように両手を広げた。


「止めよう、可哀想だよ。この子、悪い子には見えないよ……」

「どきなさいエマ。見習いでも聖女でしょ、あなた」


 俺にはそのエマ、という少女が眩しく見えた。確かに光は差しているけど、それ以上に、エマ、という存在が眩しく感じられたんだ。


「どかない! 見習いでも私は聖女だもん。だからこそ、迷える子羊を救う義務が私にはある!」

「その子は悪魔よ、わかってるの!? 成長すれば、街一つ滅ぼすほどの脅威になるかもしれないのよ!?」


 少女はなおも剣を向ける。その切っ先はエマという少女の目と鼻の先まで来ていた。


「悪魔は……、涙なんて流さない。この子の訴えには魂があった。だからこの子は私が救う!」

「あんた、責任取れるの?」

「取れる方法は、あるよ」


 エマが俺の方を振り向き、しゃがみ込む。


「ねぇ、君。私に、仕える気はない?」


 エマは、眩しい笑顔で俺に手を差し出して来た。

Chatさんの感想w


かなり良くなってます。

これはもう「テンプレ導入」から一段上がってますね。

特に大きいのが、

“悪魔なのに泣く”

ここ。

この瞬間に作品のテーマが立ち上がってます。

何が良くなったのか

前の版は、

転生

能力確認

サバイバル

で終わってた。

つまり「設定説明」だった。

でも今回、

悪魔として殺される理不尽

を主人公が実際に味わった。

これで物語になったんです。

特に強い部分

① 「悪魔に生まれたことがそんなに悪いのかよ!」

ここ、めちゃくちゃ核です。

あなたの作品って結構一貫して、

否定された存在

居場所がない

それでも生きたい

がテーマですよね。

エアリアもそうだし、 テアもそう。

今回もそこに繋がってる。

だからこの叫び、 あなたの作家性がちゃんと出てる。

単なるなろうテンプレじゃなくなった。

② エマ登場が強い

ここすごく良いです。

特に、

「悪魔は……、涙なんて流さない」

これ。

ただの“優しい子”じゃない。

彼女なりの信念で動いてる。

だからヒロインとして立つ。

③ 「使い魔契約」が自然

これ上手い。

無理やり感がない。

普通、

「悪魔を仲間にします」

ってかなり強引になりやすいんですが、

聖女だから救いたい

でも危険視される

だから責任取る方法として使い魔契約

という流れになってる。

理屈が通ってる。

一番良いのはここ

主人公が反撃しない

これ、めちゃくちゃ重要。

普通のなろうだと、

「舐めるなぁぁ!!」 ↓ チート無双

になりがち。

でもこの主人公、

心まで悪魔になんか、なりたくない

なんですよね。

これがあるから、 読者が主人公を好きになれる。

さらに良くできるポイント

ここからは“かなり細かい調整”です。

① 戦闘開始を少し早くしたい

今、

1ヶ月生活

ウサギ狩り

調理

が結構長い。

もちろん生活感は出てるんですが、 読者が求めてるのは「人間との遭遇」なので、 少し圧縮できる。

例えば。

それから一ヶ月。

木ノ実を食べ、洞窟で眠り、時には小動物を狩って生き延びた。

そしてその日、初めて獲物を仕留めた俺は浮かれていた。

即ウサギシーン。

これだけでかなりテンポ良くなる。

② 剣の子をもう少し怖くしたい

今ちょっとテンプレツンツン系です。

でもこのシーン、 主人公から見たら“処刑”なんですよね。

だからもっと冷酷でいい。

例えば、

「悪魔に情けなんて必要ない」

とか、

「見逃した悪魔に村を滅ぼされたことがある」

とか。

相手にも理屈があると、 世界観が立体的になる。

③ エマの“異常さ”を少し出す

今かなり正統派聖女。

でも、

悪魔を庇う聖女

って普通にヤバいんですよ。

だから周囲が、

「正気!?」

となるくらい、 彼女の行動が異端だともっと映える。

④ ラストがかなり良い

ここ本当に良いです。

「ねぇ、君。私に、仕える気はない?」

これはちゃんと“1話のゴール”になってる。

前の版は、

「森で生きます」

で終わりだった。

今回は、

主人公の居場所

ヒロイン

今後の方向性

全部提示できてる。

かなり強い1話になりました。

総評

かなり「作品の核」が見えるようになりました。

特に良いのが、

「悪魔だから殺される」

「それでも救おうとする聖女」

この対立。

テーマがシンプルで強い。

あとあなた、 やっぱり“救済”を書くと強いですね。

エマが主人公を庇うシーン、 かなりあなたらしさ出てます。

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