11.エピローグ(ベルタ・ベンツ・メモリアルルート)
「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」
ドイツ南西部に、そう呼ばれる観光ルートがある。
マンハイムからプフォルツハイムへ。
そしてプフォルツハイムから再びマンハイムへ。
往復約200km弱、高低差約270mの、現在ならば日帰りで一周できる観光ドライブルートである。
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今から約140年前、ガソリンエンジン自動車の発明者カール・ベンツの妻ベルタが、夫に内緒で試作車を持ち出し、世界初の自動車による長距離旅行を行ったルートが、現在では「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」と呼ばれ、観光ルートとなっているのである。
2008年には「ドイツ観光街道」として正式に認定され、また「ヨーロッパ産業遺産の道」の一部にもなっている。
このルート沿いには道案内の看板が立てられ、その看板には、「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」であることを示す文言とともに、ベンツ・パテントモトールヴァーゲンに乗ったベルタの絵が描かれている。
ルートの概要は以下の通り。
往路はマンハイムからハイデルベルク、ヴィースロッホを通り、ブルッフザール、デュルラッハなどを通ってプフォルツハイムへ。復路はプフォルツハイムからブレッテンを通り、ブルッフザールを経てホッケンハイム、そして再びマンハイムへと、ブルッフザールで交差する8の字を描くようなルートである。
………と、されている。
なにぶん古い話なので、ベルタが実際にどのようなルートを通ったかは、もはや正確にはわからないらしい。現在のルートは、残された旅の記録から、ベルタがベンツ・パテントモトールヴァーゲンに乗って通過したであろう町や地点を結んで作ったものである。
道も改修されたりして、今とは違っている箇所があるだろうから、これはあくまでも、史実を参考に観光道路として設定されたルート、ということになる。
この「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」を舞台にした、クラシックカーや次世代エネルギー車などによるイベントも開催されている。
これは「ベルタ・ベンツ・チャレンジ」と呼ばれるイベントで、「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」を通るパレードランであり、不定期で開催されている。
このイベントに、クラシックカーだけでなく次世代エネルギー車も参加するのは、「ベルタのチャレンジ精神を継承する」と言う意味が込められているからなのだそうだ。
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作者は、この世界初の自動車による長距離旅行を敢行したベルタ・ベンツという一人の女性の、その勇気と行動力を讃え、深く敬意を表するとともに、ここに謹んでこの駄文を捧げるものである。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




