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手をつなぐ話
子犬は年の割に小柄な事を気にしているのか、もう小さな子供じゃないと自己主張する事がままあった。
まだ寒い頃。仕事の帰り道に指先が冷たそうにしているので手をつないでみた所、拗ねたような顔をして、そんな子供じゃないし、と口を尖らせた。でもつなぎ返して離さなかった。
春の早朝、 兄と子犬は城壁近くの放牧地に出掛ける。空気はまだひんやりとしているけれど足元には青々とした新しい草が生えていてそれを羊が食む。それぞれ羊を追っていると子犬が近付いて来てすぐ隣に並んで立つ。子犬の身長は伸びたけれどまだ兄の肩にも届かない。兄を見上げて笑う。何がしたいのかな、と思いながら笑い返す。
「もう子供じゃないよ」
そう言って兄の手を握る。そうだな、と応えて腕を組むようにつなぎ直した。




