7話 冒険者ギルド
ハーミットへ早速出発しようと思ったのだが、ヒルマ女史が聞いてきた。
「あの、皆さんは冒険者ギルドに加盟しておられますか?」
え?それはどういうこと?
「実はルアン王国の方の身分証明では、関所や町に入ることが出来ないんです、
冒険者ギルドか商人でしたら商業ギルドなどの証明を付けないといけないんです。」
なんですと?
聞いてみるとまことにばかばかしい事にこれはルアン王国の人族至上主義者が原因であった。
他の国では、冒険者ギルドのような超国家機関を承認して保護しているので問題はないのだが、
ルアン王国では主義者たちの反対で各種ギルドは非承認機関であるとのことだった。
多種族の承認機関が彼らには自分たちの優位を妨げるものに映ったようだ。
そのためにルアン王国の身分証明だけでは他国の国内を移動するのは禁止となっているのだ。
以前俺が獣王国に転移した時に関所でつかまると言う話はここからだったのだ。
まあ、奴らは根こそぎ殺ったので王女に頼んでその辺は解決してもらわねば・・・
いや彼女の事だからもう手は打ってるだろうが。
当面は移動が出来ないと困るのでギルドに登録しに行く事にする。
ギルドの場所は行政府から程近い場所にあった。
まあ、首都なので公的機関などは集まっているんだろうけど。
建物は、森の首都にふさわしく、木目も美しい木造の建物だ。
木造とは言っても、強化の魔法がかけられているので頑丈そうに見える。
ドアが木なのに自動ドアで左右にスッと開くので驚いた。
中は広いホールのようになっており、依頼を付けるボードや依頼表を書く机などが並んでいる、
その向こうに各種カウンターがあり、挟んで職員がこちらを向いている、
そして左手の空間はいかにも酒場っぽい施設があり冒険者らしき人たちが食事や酒らしきものを
飲んでいたりする。
首都にあるせいか、清潔な感じはするが、やはりテンプレなギルドである。
なんかみんなの視線が集まっている。
理由はわかる、若い男が一人で沢山の若い女性を引き連れてきているのだ、
どこのハーレム冒険者御一行なのかと思ってるのだろう。
ここはスルーして{登録・依頼受付}というカウンターへ行く。
「いらっしゃいませ、冒険者ギルド・オルスタヤード本部へようこそ、今日はどのようなご用事で?」
カウンターにいるのは若いネコ耳を付けたお姉さんだ。
「すまない、冒険者登録して欲しいのだが。」
そういって俺はルアン王国の身分証明書をだす。
「承知いたしました、後ろの方々もですか?」
事務的な、それでも感じよい応対で受付嬢は作業をする。
後ろにいた亜由美たちの証明書も提出した。
「おいおい、いつからギルドは貴族の坊主とそのハーレムを登録するようになったんだ。」
大きな声が後ろからした。
振り返ってみると、ガラの悪そうな男が三人こちらをにやにやして見ている。
ギルドに付き物のテンプレイベントはどうやら大都市のギルドでももれなく発動するらしい。
「ちょっと!ギルド内で揉め事は違反行為ですよ!」
受付嬢が声を張り上げる。
「リイナちゃん、俺たちは文句を付けてるんじゃないぜ、
そんなんで冒険者を勤まるのか心配してあげてるんだぜ。」
「そうそう、そこの美しいお嬢さん方にここでの仕事の事を手取り足取り教えて遣ろうって親切だ。」
「そうそう、授業料は体で払ってもらってもいいしな。」
なかなかゲスいな。
亜由美たちは非常に不愉快そうになっている、ほっとくと奴ら瞬殺しかねんな、
特にはつゆきにしらゆきはすでに得物を手に持ってる。
とりあえずパスで止めておく。
「もう、いい加減にしてください!ギルド規約で揉め事を起こした、
ギルド構成員は除名などの重処分になりますよ。」
リイナという受付嬢は本気で怒ってるようだ。
「揉め事?こちらは心配してやってるんだぜ、感謝してもらいたいなあ。」
まだ言うか、俺もこの場で魔法を発動させてたたき出してやりたくなったぞ。
「お前ら、そのくらいにしとくんだな、
相手の実力を測るのも冒険者として生き残る秘訣だと教えているだろうが。」
「あ、本部長。」
リイナがホッとした様子で声をかける。
ここで本部長登場もありがちイベントだよな、
そう思って亜由美と美奈を見ると二人とも同じ考えだったようで頷いてきた。
本部長と呼ばれる、巨体の男はこちらを向いて俺を見た。
でかいな、森林族の森巨人族のようだ。
パワーと頑丈さはピカ一らしい。
「まあ、実力の程は演習場で見せてもらえば判るからな。」
どうやら、実力審査まであるようだ。
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次回予定は7月27日19時予定です




