3話 闇の中の陰謀
主人公視点ではありません
正人たちが森大陸に着いた頃、
ルアン王国の郊外にある屋敷に複数の貴族が集まっていた。
その中にブロサール公爵、いや元公爵がいた。
「忌々しい王女め、我らを舐めておるとどのようになるか思い知らせてやるわ。」
酒盃を片手にもち自慢のひげを震わせながら、元公爵はうそぶく。
「全くです、我ら貴族は王国建国以来国の盾となり剣となって参ったのですぞ、
いまさら用無しだと言う王女は王家の者とは思えぬ愚か者です。」
公然と王家の者の悪口を言うのは、カルバン男爵である。
公爵の親戚筋にあたり、公爵家の威光で幅を利かせていたのである。
このたびの件で連座して官職を追われたので恨み骨髄といったところか。
「どうだ、王女の近況は?」
「はっ、王女は摂政として王都で政務に明け暮れております、
また女神の巫女たちはロケットとやらの打ち上げ施設にこもっております。」
「そのほかの勇者たちはすべて森大陸に行ったものと思われます。」
密偵たちの報告がつづく、
「王女の直轄軍も、町の奪還に出撃しております、残っているのは王城を護る近衛の者たちです。」
「好機ですな。」
男爵や取り巻きの貴族たちが勢いつく、王女を何とかすれば逆転できるのだ。
「王女は何とかなりそうですが他の連中はどうします。」
「巫女たちは使い道があるだろうから殺すなよ、大して強くないようなので取り押さえられるだろう。」
「王女や巫女が人質と言えば、勇者たちも抵抗できんでしょう。」
「男が二人いたがあいつらは処刑しよう。」
「女どもは美形ですので楽しみですな、一人回してくださいよ。」
「そんな事は終ってからで十分間に合うわ、まずは王女を討つことじゃ。」
「貴族たちに檄文を送り蜂起させましょう。」
「この屋敷のあるシュルテンの森に終結でよろしいですかな?」
「それでよい、われらの部隊はどうなっておる?」
「はっ、領地より兵を集めておりますが、代官の眼を盗んでなので、集まりが悪いのです。」
「どのくらいだ?」
「二千程です。」
「近衛の中にもわれらに同調するものがいましょう。」
「我らもおります。」
「うむ、直ちに兵を集め、王都に向うとしよう。」
ここに、貴族たちの一派がそろって反乱を起こす事になった。
彼らは祝杯を挙げるとそのまま宴会に突入していく。
窓際の鉢植えから月の光で長い影ができておりそれが揺らめいていた。
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同じ頃、魔族たちが、
迎撃に出た二人の魔将が討たれたと聞いて、
対応を迫られていたのだった。
「あの二人がやられるとは・・・」
「ゆ・油断したのであろう、でなければそんな事。」
「まだそんな事を言っているのか?油断でもなんでもない、奴らは強い、それだけだ。」
魔将たちの中で一番存在感のある者がそう発言すると、皆ばつの悪そうな顔をした。
「この、大陸に奴らを引き込んで倒すという方針に変わりはないが、やり方を考えねばならん。」
「どうするのだ?」
「そのためには、我らの駒を活用させてもらう事にする、十二分にな。」
リーダーとおぼしき将がそう発言すると、出席しているものたちは一様に緊張感を漂わせた。
そして、それぞれの受け持ちへ直ちに赴くのであった。
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ルアン王国のどこか
「貴族たちが動き出したそうよ。」
「やっとですか、対応が遅いですね。」
「まあ、あんなもんでしょう、シュルテンに集結するみたいね。」
「では、そこでけりをつけるとしましょうか。」
「じゃあ、彼らを派遣するわね。」
「ええ、お願いします、これで・・・この功であの人は・・・」
「少しは立場が良くなるかな、そうすれば日陰者じゃなくて大手を振ってあんなこと、
こんなことしちゃって・・・ぐふふ。」
「悪人顔になってますわよ・・・」
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次回投稿予定は7月19日18時の予定です。




