表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法で式神召喚したら魔法少女がやってきた    作者: ソルト
第二章 異世界 流浪編
69/221

26話 動乱の予感

主人公視点ではありません



 未だ戦場の後片付けが続くコリントで連合軍の予備会議が行われようとしていた、

出席しているのは、森林神聖同盟以外の諸国だった。


「森林同盟はどうしたのでしょうか?」


ルーダ姫が発言する。


「それが、転移魔法陣は正常に動作していますが、来られる気配がありません。」


担当官が困惑したように答える。


「連絡文も転送したのですが・・・」


「困りましたね、大使館経由の情報はないのでしょうか?」


「ただ今、各国の大使館が情報収集中です。」


折角獣王国連合が参加して世界のすべての国の参加がかなったのに、

これでは話が進められないので困惑する各国首脳たち。


やむを得ず現状の報告をして情報の共有を進めるのであった。


「各地で跳梁していた魔獣の数が激減しております、これは魔族が支配して、

指揮下に置いたためと思われます、そしてそれらは獣王国内とコリントの役で失われておりますので、

奪われていた領域の奪還が可能になりました。」


「獣王襲撃犯人は何者かに操られていたことが判明していたのですが、

このたび魔族の情報から、操っていたのが魔族の将であることが判明しました。

他の国も警戒をするべきかと。」


獣王国の担当官が発言すると、それをさえぎるかのように発言するものがいた。


「ははっ、自分の国の間抜けさを棚にあげ他国に注意を促すとは!」


見るとルアン王国の貴族のようである。

言われた担当官は明らかに不愉快そうな顔をした。


「我が国も注意はしていた、それでも起こったのだ、警戒するのは当たり前では?」


「我が国には神に選ばれし勇者一行がついておる、ここでの戦いを見たであろう、

そのようなことは起こりえない。」


「我が国にも英雄グリーゼがいる、コリントの役の形勢を逆転させたのはグリーゼ殿だ!」


「どこにそのような者がいる、この席に来てさえ居らぬではないか!」


嘲笑に似た声を上げる貴族、歯噛みする担当官、一触即発の状態の中で、

「お呼びになりましたか?」


ドアを開けて入ってきたのはグリーゼだった、実は正人がこっそり会場を抜け出して変身して戻ったのである。


「会議を魔族が襲撃しないとも限りませんからな、周辺を警戒していたのですよ。」


言われた貴族は不機嫌そうに黙り込み、担当官はホッと息をつき、グリーゼを感謝のまなざしで見た、

グリーゼは先ほどの失礼な発言をルーダ姫がたしなめるかと思ったが、

目をそらして無言を貫く姫に眉をひそめる。


(何を考えているんだ?)


ヨウコに目線を向けると力なく首を振った、獣王たちの方を見るとあからさまに不機嫌になっており

いきなり怒鳴りだしかねない、目線で牽制して、鉄鋼王の方を見る、ビョルン王はわざとらしくせきをして、

発言する。


「森林同盟の状況がわかりませんことには情報の共有も進みません、

ここらでお開きにして情報収集をして明日にでもまた開きましょう。」


この提案にそって会議は終了した。


「どういうことなんだ?」


正人はルーダ姫に問いかける、会議が終って部屋に引き上げたところに姫が訪れたので、

先ほどの言葉になったのだ、それに対して姫は「ごめんなさい」と言ってうつむいた。


代わってヨウコが答える、


「神から遣わされたものたちがすべて人族であるから

人族こそがこの世界を治めるにふさわしい存在だという馬鹿者が沸いていてな、

大物貴族であったりするので、姫も抑えるのに苦労してるんだ。」


「そんなバカな、何のために連合軍を創設したのか、我々が何のために来たのか判らないじゃありませんか?」


「判っている!人族のためだけに我々がいるのではないことはこれからも言っていく、それしか方法はない。」


「判りました、獣王や鉄鋼王に会って、今回のことを話してきます、わだかまりが残ってはいけませんから。」


そして、正人は立ちあがり部屋を出ようとする、ルーダ姫が「あ、まさ。」と発言しかかったので、

振り向いた。


「なにか?」


「い、いえ、すいません。」


「?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


正人はグリーゼの姿になって獣王たちの部屋に来ていた。


「そんなに気に病むことは無い、あのようなことはいつものことでな。」


獣王はそういってくれたが、正人グリーゼにとっては人族が獣人族を貶すのを

始めて見たので、気持ちは治まらないのである。


傍にいたテレーゼに聞いてみる。


「ルアンの王都で働いていた時にやはり獣人では都合が悪かったのかい?」


「素性を隠さないとつけない仕事は多かったですね、王城の仕事はまず無理でした。」


やはりな、と頷く正人グリーゼ初めての出会いが、獣人とばれたためスパイ扱いで

追われていたのだから。


「正直魔族をけしかけている神の干渉も懸念される中で足並みが乱れるのはいかにも不味い、

ルアン王国側は押さえさせますので、よろしくお願いします。」


正人グリーゼは獣王国の面々に頭を下げた。


「我らが英雄に頭を下げさせる我らではありません。」


「流石勇者グリーゼ殿、謙虚でいらっしゃる、お言葉に従います。」


なぜかグリーゼの人気がさらに上がるという結果となったのだが。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


鉄鋼王にグリーゼは面会を求めると、すぐに通された。


どうやら来るのを待っていたらしい、挨拶が済むとすぐに正人グリーゼは本題に入った。

獣王国側に話したことと同じ事を言っただけだが、王は簡単に了承した。

どうやら、ルアン側の反応になれているらしい。


「いちいち気にしていてもしょうがないわい、あの国にはああいう輩が多くての、

昔よりは減っておるそうだが。」


昔の事であるが、と前置きした話をビョルン王は話してくれた、

今から百年以上前にルアン王国が森林神聖同盟と戦争状態になったことがあったそうだ、

その原因も人族至上主義を掲げる貴族たちの暴走が原因である。


鉄鋼王国は森林同盟と盟約を当時から結んでいたため、同盟側に味方して戦った、

獣王国は当初は中立だったが、ルアン王国がコリントに進攻したので、

同盟側に付き王国に宣戦布告、王国は大敗した。


結局当時の主戦派の貴族たちを戦犯として討ち取り、王国側が謝罪するという結末になったそうで。

そのときもコリントで戦争の後始末の話し合いがもたれたそうだ。


「今回もその残党の流れがまだいるのだろうな、そういうことをなくしていく努力はせねばならんがなかなか難しいのだろうなあ。」


ヨウコが目指したファンタジーな世界も現実はドロドロした物があるようだ。

そのあたりの事はどこにいても逃れられないものと割り切るしかないと正人は腹をくくるのだった。

そして、魔族の暗躍については十分注意していこうということで話を終えた。


~~~~~~~~~~~~~~


翌日凶報が舞い込んできた、ルアンと森林同盟両国からである。


ルアンは国王夫妻が朝議に出席したところ、列席していた貴族が突然夫妻に切りかかり、

王妃は死亡し、王は重傷を負ったというものであった、貴族は出席していた他の貴族たちを

巻き添えにしたため相当な被害が出ているとの事であった。


森林同盟の方も同じ状況である、こちらは同盟代表の一行がコリントに向おうとした所に、

軍の高官が率いる反乱軍に襲われ全滅したという凶報である。

現在も反乱軍との衝突が続いているようで続報が中々入らないようだ。


情報が少なく確信は無いが、明らかに魔族が絡んでいるようである。


緊急の会議が開かれたが、ルアン王国側は完全に浮き足立っている。

昨日獣王国側を罵倒した貴族の顔色は真っ青だ、

切りかかった貴族が親戚筋のためらしい。

注意を怠ったつけというにはあまりに高くついている。


凶報を聞きルーダ姫は直ちに転送魔法陣で帰国したため、

会議には出ていない。


会議に出席したものたちは新たな問題発生にため息をつくのであった。



誤字・脱字などありましたらお知らせください。


次回投稿は6月24日18時の予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ