12話 ルルリアンの里へ 後編
今回は新顔さんが出ます。
そのころ王宮広場のいずもの甲板上では獣王以下が
いずもを質問攻めにしていた。
その答えに、彼らは驚くと共に、正人の真の力を知ることになった。
テレーゼはいずもに頼みごとをした、
「主の傍に行きたいですか・・・
戦闘に巻き込むのは主の本意ではないと思いますよ。」
と、いずもは言うが、テレーゼの懇願を受けてエルフルトまでならと
オスプレイを出した。
そこで、王たちも一緒に行くことになりオスプレイは発進した。
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パスを使ってその様子を聞いていたグリーゼ(正人)は苦笑いしていた。
これまでの状況はいずもにパスで教えている。
(主さんも、よくよく巻き込まれますな、
退屈なんて言葉主さんにはありませんな。)
失礼な。
(もうすぐ、ルルリアン上空です、レーダーに反応、飛行型魔獣が前方10000メートルに居ます。)
「ミサイルで迎撃しろ」
(了解、04式対空誘導弾発射します)
F35からミサイルが発射され、飛んでいった。
(下の様子ですが、里の傍まで魔獣が来ています、住民はまだ里から避難してきれてません。)
「判った、こちらは降下して里の周りの魔獣を倒す、F35は飛行魔獣を駆逐せよ。」
(了解です)
F35を一旦空中で静止させてコクピットを降り降下する。
降下しながら光弾を使って目に付く魔獣を駆逐していく。
見ると魔獣に追われている家族が見えた、少女が小さな子供の手を引いて走っている、
子供が転んでそこに魔獣が、
「させるか!」
光槍をとっさに投擲して魔獣を串刺しにする。
「大丈夫か?」
降下して、少女たちの所に駆け寄る、眼の前の光景が信じられないのか、
呆然としていたが、我に返ったようだ。
「あ、ありがとうございます、助けてくださって。」
「それが任務だからな、気にしなくてもいい、
王都からきたばかりでな、状況がわからないんだ、
里の方はどうなんだ?」
その言葉を聞くと、思い出したのだろう、
顔をくしゃくしゃにゆがめて涙をこぼした。
「すまん・・・つらいことを思い出させたか。」
「いいえ!逃げる準備をしていたら里に魔獣が、
みんなばらばらに逃げてどうなったのか父さんも、母さんも。」
「ありがとう、魔獣は必ず倒すから。」
(いずも、魔獣の分布は?)
(里の中と一部はエルフルトに向かっています、
大型のやつはもうすぐ里に到達します。)
(判った、今から奴らを駆逐する。)
(了解しました。)
俺はポーチからカードを出した。
「凍結解除 全艦突撃せよ!」
さあ、戦争の時間だ。
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俺たちは、ルルリアンの里とエトフルトの中間地点にいる。
ここに臨時の司令部を置いて戦闘の指揮と、避難民の救助を行っている。
「あたご、戦況は?」
軍で最新鋭イージス艦だったあたごは栗色のウエーブのある髪を風になびかせている。
前世でも艦隊旗艦をたびたび勤めていた、歴戦の勇士だ。
艦隊への指令は俺が出しているが各艦へのこまごまとした指示は旗艦からしたほうが
効率が良いのであたごを旗艦に指名している。
「現在魔獣はルルリアンと要塞までは完全に駆逐しました。
森の方で残敵を掃討中です。何か気になりますか?」
「うん、今回の戦いだが魔獣にしては手際が良すぎる気がしてな、
本能だけでこんな進撃はしないだろう。」
「確かにそうですね、まるで知性のあるものが指揮を執ってるみたいです。」
「森に行ってる連中の指揮は?」
「ちょうかいが指揮してます。」
「気をつけるように伝えてくれ、偵察も十分するようにと。」
「判りました。」
この司令部の傍にはルルリアンからの避難民と要塞から撤退してきた兵士たちが居る、
怪我人も多いがこれは治療魔法が得意な(おおすみ・しもきた・いせ)が治療している。
けがの無い者は、おおすみたちがエトフルトまで運んでいる。
いっぺんに千人以上運べるからこちらもスムーズだ。
俺は避難民たちの間を歩いている、そこは悲喜こもごもだ。
別れ別れになったが再会出来た者、永遠の別れになった者。
そこで、俺は最初に会った少女と再会した、
彼女の傍らには両親とおぼしき人がいて嬉しそうにしている。
こちらに気がついて駆け寄ってきた。
「勇者様、ありがとうございます!両親と無事会えました。」
「良かったな、大変だったが生きてればまた、元のように暮らせるからな。」
「はい!」
あたまをくしゃくしゃとなでてやる、ネコ耳がぴくぴくと気持ちよさそうだ。
そこへテレーゼたちがやって来た、
「あなた、ご無事で・・・」
「ああ、心配ないよ、魔獣はほとんど倒した、後は森の中の掃討をしてるとこだから。」
「しかし、これほどの戦力を持っていたとは、流石勇者、規格外にも程があるわい。」
キツネ将軍がぼやいている。
里の警備や後片付けはエトフルトの駐留軍がやってくれるそうだ、
俺は、獣王と将軍に懸念材料を伝える。
「知性のある魔獣かその上位種か・・・」
実は アウラートゥスの里の時のことがあるからだ、
無差別に暴れる魔獣にそぐわない行動、そして・・・
このことはある程度調べて連合軍の会議の席で議題にあげるべきだろう。
そこに、懐かしい声が聞こえた。
(正人さん、聞こえますか?しらゆきです・・・)
なぜかしらゆきの声が聞こえています、
理由は次回に!
おおすみ・しもきたは・いせは医療設備が整っているので治癒魔法得意にしました。
おおすみ級はこの2隻だけが前世持ちなので召還されてます。
誤字・脱字などありましたらお知らせください。
次回は6月9日18時です




