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閑話17 夢での邂逅

閑話14の後日談です

 正人の実家に行ってから、はつゆきは気になっていることがあった、

正人の様子がわずかだが元気の無い感じがしたのだ。


皆もその違和感に気が付いていた。


「どうしたのかな?実家でなにかあったのかな?」


「やはりぃ、家族のことをおもいだしているんだろうねぇ。」


「正人さん、かわいそうです。」


しかし、彼女たちにもどうしたらいいか見当がつかない。


そこではつゆきはある人物のところに向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「向こうの世界オリジナル?」


「そうじゃ、そのままで行けば最悪対消滅してしまうので、

行くのは精神体のみで、向こうの眠っている間の意識に呼びかける形で

話ができる、まあ{夢枕に立つ}とでも言うのじゃが?」


そう言って茶をすするのはヨウコの師匠にして今は正人とはつゆきの師匠でもある。


「それでもできるのは一人がせいぜいじゃな、あちらの世界への負担が大きすぎる。」


他のものならばいざ知らず正人の持つ魔力は大きすぎるのだ、

その力の影響は流石の師匠でも読みきれない、

世界を管理する立場からすればそこが限界ともいえる。


「それを踏まえて誰に会いたいか決めるが良かろう。」


それを聞いて正人は考える。


そして、考えが纏まったのか、ある名前を口にした。


その相手は・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



気が付くと真っ白な空間に立っていた。


「おいおい、寝てる間にお迎えが来ちまったのか?」


死後の世界とかはよく聞くがこんな何も無い世界とは思わなかったなと思っていると、

人の姿が見えた。

目を凝らしてみると、見覚えのある人物だ。


「正人じゃないか?」


「ああ、祖父ちゃん、久しぶりだね。」


そこで逆に不安になった、これは夢の知らせというのではないか?


「正人!まさかお前実習中に何かあったのか!」


念願かなって防衛大学校に入れた孫の登場の仕方に不安がもたげる。


「ああ、違うよそんなんじゃないんだ、まずは話を聞いて欲しい。」


正人はここに現れた理由を最初から説明するのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「なるほどな、そちらの世界では正人は一人ぼっちなのか・・・」


「いきなりで信じてくれるのか?」


「当たり前だ、海軍はな、フレキシブル・ワイヤー たれという言葉がある、

カチカチの鉄骨ではなく、柔軟なワイヤーのような思考だ、

兵学校では教官からくどいほど言われたからな。」


その言葉を聞いて安堵する正人、やはり祖父に会いに来て良かったと思った。


「そして、別の世界に行くのか、その世界を救うために・・・

よく決断したな、流石に俺の孫だけのことはある。」


そう褒められるとくすぐったくなる正人であった。


そこに、近づく影が一つ、現れたのははつゆきだ。


驚く祖父に紹介する。


「はつゆき・・・この娘がか!あの艦がこんなにかわいい娘さんになるなんてな・・・」


「まったく、驚かされることばかりだよ、お前には。」


正人は内心しらゆきや亜由美、美奈に美月までいたら祖父はどう思うだろうと思った、

さすがにそこまで柔軟になれるかなと思ったが黙っておくことにした。


祖父は、はつゆきの手を取り、言った。


「正人のことを頼む、あいつを護ってやってくれ。」


「必ず護る、私は正人を護るために存在しているのだから。」


頃合かな、と正人は合図を送る、するともう一人の影が近づいてきた。


その人物は祖父の前に立つとお辞儀をして話しかけた。

「お久しぶりです、少尉、{坊ノ岬沖海戦}以来ですね。」


「君は?」


「{すずつき}です。」


「なんだって!」


祖父は心底驚いたようだった、

大和の沖縄特攻作戦の時に乗っていた艦と会ったのだ、当然の反応だろう。


「乗り組んでいた少尉を含めた皆さんのおかげで生きて帰ることができました、

一度お礼が言いたかったんです。」


今の彼女は転生して二代目となっている、そのことも説明すると、

祖父は彼女の手をとって言った。


「お礼を言うのはこちらの方だよ、

沈まずにがんばってくれたおかげで俺たちは生きて還れた、

皆、感謝していた、そしてお願いがある、

あちらに行くのなら正人を護ってやって欲しい。」


「判りました、皆で護って見せます。」


「ありがとう。」


そして、別れのときが来た。


正人たちは祖父に別れを告げる、すると祖父は背筋を延ばし、

こちらにウインクしながら敬礼した。


正人も敬礼で返す。


そして白い世界は閉じていくのであった。



朝、祖父が目を覚ますと、そこはいつもの寝室だった。

まるで夢のようだったが真実だと確信がもてた。


「こちらの正人に帰省したら話してやるか・・・

信じるかな?フレキシブル・ワイヤー の教えが身についていたら

信じるだろうけどな。」


それを思うと少し愉快な気持ちになっていた。


もう一人の正人は今頃異世界に着いたころだろうか?


「がんばれよ、もう一人の正人。」


そう言って窓から空の向こうを見上げるのだった。




ここまで読んでいただいて有難うございます。


誤字・脱字などありましたらお知らせください。



感想や評価などあれば今後の励みになります


よろしくお願いします。



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