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閑話16 レポート 召喚に関する考察

 ※このレポートはあくまで召喚に関して個人的に行使した実例に基づいて記したものであり、

召喚魔法についての公的な研究内容でないことをこの場で言及しておくものである。


 自分が召喚魔法を行使したのは強力な使い魔が欲しいとか、

行使することで富貴を求めるとかでもなく、

従順な使い魔を侍らせたいとかでもなく・・・いや、

最後の件に関してはそこまでは邪な理由ではなく、

単純に一人で居ることがさびしかったのだと思う。


召喚する対象だが、四大精霊とかは制御できない可能性が高かったし、

動物も召喚できるような高位の動物が見つけられなかったので断念した。

そこで着目したのが人の作りし物である「護衛艦」であった。

人の作り出したものは長い年月を過ごすと意識を宿らせる存在となる、

それを「付喪神」とこの国では昔から呼ばれ信仰の対象にもなっている。


もちろん、護衛艦でなくとも長く存在する物はあったが、

自分としては思い入れのある存在にそばに居て欲しいと思ったから選んだのだ。

それがはつゆきである。


彼女はK軍港で用途廃止になり解体待ちの状態であった。

実験したことのない召喚を行うには条件も良かった。


結果として召喚には成功した、そのときの喜びは筆舌しがたいほどである。

彼女との会話から判明したのは、

彼女が「前世」を持っていてその記憶があるということである。


彼女の場合神風型駆逐艦と吹雪型駆逐艦の二代の前世を持っていた、

そのことが後の召喚における条件のひとつとなるようなのだが、

その件は後に記すことにする。

進水式で命名されるときに前世の記憶とともに召喚されているのが会話から

判ったことである。


また、初代と二代目の時は記憶はあっても、

まだ人格とか自我にあたる部分が未形成であったとの証言も得ており、

そこも召喚条件に当たる部分である。


はつゆきに関してだが、召喚した当初彼女はあまり乗り気ではなかったようだ。

護衛艦を召喚する以上なにか荒事に巻き込まれるのではないかという心配もあっただろう。

もちろん自分としてはそんなつもりもなく、そばに居てくれればよかったのであるが。


召喚して人の姿を得た彼女だが、その姿の元になる部分は、

召喚者である自分の好ましい姿に、彼女の特性が反映されたものになった。

召喚当時は気がつかなかったが、

それがサークルの後輩である古森亜由美に非常に似ていたことである。

つまり自分は彼女に好意以上の感情を持っていたことになる。

もっとも、先に彼女の告白を受け入れられなかったように、

当時の自分は人間、いや女性に対して不信を抱いていたのだ。


おそらく、美奈プラチナとの遭遇がなければ、

はつゆきが来てくれたことに満足してそのまま学生生活を送っていたのだろうか?

おそらくあの後、しらゆきも召喚はされただろうから、三人で生活したのか?

いや・・・その仮定は成立しない。


結局は、女神ヨウコの計画は露見して世界の融合は行われていただろうから、

そのとき融合ができない自分は結局は異世界ウエルネスト・改に行くことになるであろうことは察しがつくというものだ。


過程は若干違っても結果はおそらくは変わるまい。


それに今の状態は決して嫌っているものではないからだ。

確かに、今まで居た世界ではありえないことではあるが、

自分は彼女たちを愛している。

彼女たちもだ。


召喚条件に戻るが、結果を言えば、はつゆきとしらゆきたちの妹(同型艦)たちは召喚できなかった。

彼女たちは始めての命名で前世がなかった。

どうやらその辺が召喚の限界なのだろうと推測される。


面白いのは、単純に時間経過したものが召喚できるのではなく、

転生をしているとその時間が短くても召喚できるという事実だ。


おおすみたちがそうで、前世と今の時間を合わせてもはつゆき型の時間位しか経っていない。

そこから推察されるのは、転生によって、経験値のようなものが上がっており、

召喚できるようになるのではということだ。


また、大戦時に戦没した大和、武蔵なども転生経験がなく就役期間も短いが、

召喚できたのは、大戦時からすでにかなりの時間が経っているからと推測される。


後は「依代」と呼ばれる物が関係している。

つまりは「船体」である。


これが無いと召喚自体が成立しない。

恐らく魂の帰る場所、そことアクセスするためのキーの役割を持っているものと考えられる。

そして依代はどのような形をしていても(沈没した船体、船体の一部)でも有効であるのは、

実践した結果から導き出した答えである。


そのためあやなみのように護衛艦としての生を終え解体されてしまっても、

前世の綾波の戦没場所で召喚する事が可能であったりするのだ。


逆に何も残っていないと召喚ができないのである。

これも別の召喚方法で解決できるのではないかとも思うが、

現状では召喚のしようがないので実行していない。


進水式で命名されれば、いずものように儀装が終わっていなくても、

召喚できてしまった例を見れば 依代が重要な意味を持ってくる。


異世界への旅立ちに当たって召喚を繰り返した結果得られた結果は以上である。


それにしても、戦力強化と称して、召喚をしまくったので、

優に一個艦隊を超える戦力が集まってしまった。


贅沢かも知れないが、彼女たちをうまく扱えるかが今後の課題といえるだろう。



ここまで読んでいただいて有難うございます。


誤字・脱字などありましたらお知らせください。



感想評価等もよろしくお願いします。


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