閑話11 プラチナの憂鬱 その1
プラチナさんはかわいい
魔法少女プラチナは少々変わった二つ名を持っている、
「破壊女王」「狂戦士プラチナ」「アイアンバーサーカー」
等々である。
これは、彼女のせいと言うより、変身アイテムのステータスブーストシステムに原因があった。
もともと優しく戦うことに抵抗のある彼女に戦いを強制するシステムが
暴走してしまうからだ。
犯罪魔法使いたちや魔獣相手ならばよかったが、
今回は一般人に対しての暴行、しかも仕掛けておいて逆襲され昏倒させられるという屈辱つきである。
説教や始末書では済まず、
自宅待機という実質謹慎処分を受けてしまったのはむしろ軽いほうであろう。
「はうううううう。」
自宅で、本を読みながら、ため息をつく美奈はあのときのことを思い出す。
任務で精神が高揚していたためか、
犯罪魔法使いに対して過剰なまでの攻撃をしてしまった。
もっともこれに関しては彼女はやりすぎたかなーと思っているが、
容赦するつもりはあまり無かった。
それは、美奈が受けてきたセクハラなどの主に性的な虐待経験がそう思わせるのだ。
自身が受けてきたことがどれだけ心に傷を残すのか、
絶対に許せない。
そこだけは譲れない思いであった。
「でもその後がいけなかったですぅ。」
犯罪者を捕らえた直後、彼女はふと「気配」を感じたのだった、
それは「同類」が近くにいるという感覚、
そちらを見れば若いカップルがいて、そのどちらにも「魔力」を感じた。
その時もう少し呼び止めるにしても穏やかなやり方があったはずだ。
だが、戦いに「酔って」しまっていた自分はそれができず挑発した形になってしまった。
「彼」の方は挑発に乗らずにその場から去ろうとしたが、
自分の方から戦いを仕掛けてしまった。
軽く繰り出した攻撃はガラス板のようなシールドで防がれてしまった。
(ならば!)
本来魔獣相手にしか繰り出さない魔法を使う、
((止めて!そんなの使わないで!))
私の中の「私」が叫ぶ、
「私」の意志が切り離されてその情景を見てるだけになり、
別な私が魔法を繰り出し攻撃する、
システムの暴走だ、((止まって!止まって!止まって!・・・))
私の声は届かない、
そして、ランスがシールドを突き破り「彼」に突き立つ。
((ああ!なんてこと・・・))
そしてさらに攻撃をしようとする私に、「彼」の隣にいた「彼女」が片手を挙げる、
するとその前に細長の物体が現れ光ったと思ったら、私は宙に舞っていた。
「私」は悟った、攻撃を受けたのだと、
そして、気を失った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
気が付くと「知らない天井」が見えた。
ああ、これがお約束のと思ったが口にはしなかった。
予想どうり病院の天井だった。
ここにはアミィが連れてきてくれたと後で聞いた、
後輩のアミィこと亜由美ちゃんは私よりも何歳も年下だ、
でも、変身をしていないときには私よりもしっかりはっきりしていて、
どっちが年上かわからない。
受けた攻撃は麻痺属性の魔弾だったようで怪我も無く、
すぐに退院となった。
そのまま「本部」に帰還して、副会長のお説教を受けて
今の状態に至っているのだ。
例のカップルはアミィと新たに美月(月影)が捜索にあたっている。
「見つかったら謝らないと・・・」
ベッドにうつぶせになりそうつぶやいた。
一週間くらいで謹慎が解けて、私は本部に来ている。
会長に呼ばれたので会長室に行くと、
会長が「例の2人が見つかったよー」とうれしそうに教えてくれた。
しかも、亜由美ちゃんの学校の先輩だったと聞いて、
なんてご都合・・・いや世間は狭いのかと思った。
しかも、彼らはあのベヒモスを倒したとか!
あれは、A級の二人でやっと倒せた魔獣なのに。
「もうすぐ着くらしいからね、ちょうどいいから謝っておきなさいねー」
え?ほんとに?
彼らがやってきた、亜由美ちゃんに連れられて、
事前に見せてもらった資料では、
彼のほうが篁 正人で、
私より当然年下なのだが、彼のほうが断然大人に見える。
それに、落ち着いて見てみると、・・・ストライク(好みのタイプ)・・・です。
一緒の彼女はなんと人間ではありませんでした、彼が召喚した式神だそうです。
彼女じゃないのか・・・なに安心してるんだろ?
もう一人同じ顔をした娘も式神で新たに召喚したそうです。
すごい、私なんかより全然すごい人です。
そんなこと考えてぼぉっとしてたら会長が私に話を振ってきた。
あわてて、答えるけど余計なことも口走ってしまったみたいだ。
あ、謝らなくちゃ。
謝ると最初は何でって顔をしていた彼は私の正体を知ると驚いていたみたい。
式神さんはにらんでいる、主人を攻撃した私が許せないのだろう、
会長に酷い扱いうけたけど、
彼にはとりあえず謝罪は受けてもらえたようだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
訓練場にみんなで行って彼らの力を見せてもらう、
式神さん二人の攻撃力は圧倒的だった。
私に対しての反撃は完全に手加減されたものだった。
本気だったら今頃は・・・
正人さんも初級魔法を組み合わせて強力な魔法に変えていた。
すごい人だ、あんな人が彼氏だったらいいな・・・なんて妄想が沸いてしまった。
披露が終って帰ってくる三人、そこでアレが起こった。
最初映像が一瞬ぶれたとき副会長が「カメラが」と言って何か操作してた。
するとカメラが切り替わりそこに移ったのは正人さんと式神のはつゆきさんのキスシーンだった、
そのあともう一人のしらゆきさんとも・・・
私はいたたまれずに、更衣室に駆け込んだ。
顔が火照って熱い、心臓がバクバクしてる。
なんかすごくうらやましい、
私ははしたないと思いつつ、自分がそういうことになったらとか考えてしまっていた。
そこに、部屋に入ってくる人、
奥に隠れ、そっと見ると正人さんと亜由美ちゃんがいた。
亜由美ちゃんは正人さんにキスのことを問い詰めている、
正人さんは魔力の補充だと答えていた、
そうなんだ式神さんはああやって補給するのか、
なんて思ってると亜由美ちゃんは「私にも!」と言って、
強引にキスをした、 はわゎゎ・・・なんてダイタンな・・・うぅらやましい。
先に亜由美ちゃんは出て行って、後には正人さんだけが残った。
最後に「今度は気持ちよくさせてあげる」とか言い捨てて、
な・なんてすごいことをサラッと言うんだろう、私にはとても言えない。
正人さんはなんか呆然としてる、
私も呆然としてたらしい、手に持っていたポーチを落としてしまった。
正人さんがこちらを見る、私は何か言おうと思った、そう私も・・・
でも言葉にならない、意味不明の言葉しか出ない、
そうこうしてると正人さんは悪いと思ったのか謝ってきた。
いえ、そんなことは無いんです、私も裏山なんです。
そう言おうとするが、言葉がうまく出ない、
なんとか、私もして欲しいということだけは言えた。
すると、正人さんは、ぎょっとした顔をして、
「ごめん!」といって部屋を飛び出してしまった。
ああ!行ってしまった、
私はその場から一歩も動けず、ただ手を伸ばすだけだった。
プラチナさんのお話も作ってみました。
本編より力が入ってるような・・・
誤字・脱字などありましたらお知らせください。




