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第3話 3度目の悪夢

 前回のあらすじ

 長身のピエロ、サドと一緒に狭い廊下を進んで行ったメアリー。しかし、様子を見に行ったサドに置いてかれて、廊下に閉じ込められた彼女はストレスのあまり自身の首をかき切って死んでしまった。

「は!? ここは!?」


 メアリーは周りが明るいことに気づき、体をかく手を止める。

 気が付くと彼女は、最初にいた部屋へと戻っていた。


「またここに?いつの間にか、誰かが助けてくれたのかな?」


 とはいえ、なぜいつもこの部屋へと連れてこられるのか。そして、なぜ毎回壁を戻していくのか。それが、メアリーには分からなかった。

 メアリーは立ち上がり、鏡で自分の体を確認する。


「相変わらず、白すぎて気持ち悪い。」


 彼女の体には、軽い掻き跡はあったが、傷や血は一切見えなかった。


「もっと赤ければ、綺麗になれるのに。」


 メアリーはそんなことを言いながら、再び壁を倒し、狭い廊下を移動する。


 ──────────


 それから彼女はアングリーによって、破壊される壁。一緒に逃走するサド等再び1回目と同じ光景を見る。

 メアリーは2回目と同じように、サドと共にタンスのような場所に入っていった。

 タンスの中のような場所では、サドと会話をしたが、二回目と同じような会話があり、サドの言葉はまるで、メアリーを初めて見たような感じだった。

 出口にたどり着くと、サドは再びこう言った。


「それじゃあ、安全のためにここで、待ってるんですよ。」


 今回は、狐のパペットを握りつぶさなかったので、前とは口調が違った。

 落ち着いた声で、そう言う彼を、急いで止めるメアリー。


「ま、まって!私も一緒に行くわ。」


 そう言う彼女に、サドはやれやれとした感じに答えた。


「はぁ。メア(・・)。君が寂しがり屋なのは分かるが、もし外にアングリーが居たらどうするんですか。」


 それでも、メアリーは彼の服をひっぱり、彼を止める。


「一緒に確認した方が、多くの場所を見れるでしょ!」


 その言葉を聞いたサドは仕方がないと言わんばかりに、ため息をついた。


「はぁ。分かりました。けど気を付けろよ?」


 そして2人は出口から、外へ出る。

 目の前は壁で、左右に道があった。しかしそのどちらにも、アングリーの姿が無かった。

 もしかしたら、前は、サドの人形ごと、彼の指を掴んだり、彼がそれに叫んだりしたせいで、アングリーが近くに来ていたのかもしれない。

 メアリーがそんなことを考えていると、サドが言う。


「彼はいないみたいだね。それじゃあ、君がこの場所で生き延びられるように、食材のある場所や、安全な寝床を紹介しようか。」


 それを聞いて慌てて彼に抗議するメアリー。


「ま、待って!私はここで暮らす気はないの!ここから脱出する方法を教えて!!」


 そう言うメアリーに、サドは困ったように頬をかいた。


「う、う〜ん…。脱出する方法はあるけど…、それをするのは中々大変な道のりになりますよ?」


 彼の言葉に、メアリーは強く答える。


「大丈夫!ここから出られるなら、どんな事でも耐えられるわ!!」


 そんな彼女に圧倒され、サドはため息混じりに言う。


「分かったよ。君は昔から(・・・)頑固だったからなぁ。

 それじゃあ、よく聞いてくださいよ。ここから出る、過酷な方法を。」

 次回予告

 ため息混じりに『ナイトメアステージ』の脱出方法を伝えるサド。

 しかしそれは、メアリーにとって困難な道になるのだった。


 次回 第4話 3つの財宝

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― 新着の感想 ―
緊迫感や緊張感を出す心理描写が凄いですね。 私の作品となまじ似てる為。 ああ、あの時もっとこうすれば良かった……。 未熟さを痛感致しました。 今後の参考にさせて頂きます。 (* ̄▽ ̄)ノ
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