第2話 臆病者
前回のあらすじ
なぜか無傷で元いた場所に戻ったメアリー。再び出口を探すが、前回と同じくアングリーと出会う。
長身の男を問い詰めることで、隠れ場を知ったメアリーは男と共に、タンスのような扉を通り、狭い場所を進む。
長身の男とメアリーは、長々と続く狭い廊下を這いながら進む。
廊下を進みながら、メアリーは男に聞いた。
「ねぇ。貴方は誰?ここは何処なの?それに、『喜怒哀楽団』?彼らはなんでこんなところにいるの?」
彼女の質問に、長身の男は振り向きもせず返す。
「僕は『サド』。」
「ソシテ、ボクハ『クライ』ダヨ!!」
彼は突然、器用に左手にハメた、狐のパペットをメアリーの方に向け、裏声で話す。
メアリーは、その人形を睨みつける。
「あ、あれぇ?キツネちゃんは好きじゃないのかなぁ?」
彼女の返事がないことに、慌てて人形をしまった彼は、さらに話を続けた。
「ここは『ナイトメアステージ』。『喜怒哀楽団』が、人を招き入れて人を殺すためのステージです。ゆえに、ここに『喜怒哀楽団』がいるんだよねぇ。」
2人は話しながら先へと進んでいった。
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「と。出口につきましたね。」
そうやって、止まったサドは、その先にある少し開いていた扉を静かに押した。
少し、外を確認した彼は、再び左手にクライをハメて、メアリーに言った。
「チョット、ソトノ状況ヲ確認スルカラ、ココデ待ッテテネ!」
メアリーは真顔のまま、その人形の首を鷲掴みにする。
「痛い!痛い!なんなの!? そんなに、この子が嫌いなんですの!?」
サドのその叫び声を聞いて、メアリーは人形を開放する。
サドは、自分の指をおさえながら「はぁ。痛かった。」と呟く。
そして、彼は扉から出てメアリーに言った。
「それじゃあ、安全のためにここで、待ってるんですよ!!」
そう言って、彼は扉を閉める。
真っ暗闇のなか、メアリーの聴覚はより敏感になる。
「う~んと、周りに彼はいなさそうねぇ。…!あ、あれは!!」
突然、そんなサドの声が聞こえて、その後、物凄い勢いの足音が聞こえた。
2つの足音はどんどん遠ざかっていく。
足音が完全に消えたのを確認して、メアリーは外に出ようとする。
しかし、異変はそこで起こった。
「あ、あれ!?」
どれだけ、扉を叩いても、扉が開かないのだった。
メアリーは慌てて、扉のいたるところに触れてみるが、ノブのようなものは何処にもない。
「どうして?閉じ込められた?このまま誰もここに来なかったら…。私は…。この狭い部屋で孤独に死ぬ?嫌、そんなの嫌!嫌!嫌!」
メアリーは恐怖と不安によるストレスで、己の頭と首を掻き始める。
それは、元々赤かった彼女の髪と服を、さらに赤で染めるように。
掻いて掻いて掻いて…。
彼女は誰にも気づかれないまま。
首から血を流した死体となっていた。
次回予告
二回目の死に戻りをしたメアリー。アングリーから逃げ延びた彼女は、サドに、この場所から脱出する方法を聞く。
次回 第3話 3度目の悪夢




