救出
俺の計画は暫くは、ウィン一人ですすめて貰う、遅れても問題があるわけでは無い、其れより遥かに大事な事が出来た、最優先事項だ、ロイドの両親と妹が生きていた、すぐに救出に向わなければいけない、但しロイドの叔父は、簡単に救出できないよう、手を打ってあった、今居る里を出ると死ぬ呪いをかけてある、と言うのだ、もしも、何らかの方法で王位奪還に来ようとしても、来られないように呪いをかけてあるという、何処までも汚い奴だ、又、救出するために、里に人が侵入した時点で、殺すように命令してあるという、何処まで用心深いのか、手の打ちようが無い、ように思えるが、神力を甘く見て貰っては困る、魔術などとは似て非なる力の筈だが、正直お手上げだ、万全を期して手を打っておいた方が良い、とは思う、もし死なせる事にでもなれば、取り返しがつかない、如何すれば良いか、知恵が浮かばないのだ、、思う事は何でもできるはずだが、思いつかない、早く助けたいのに、こんな時頼りになるのは
【チャッピー、何か手はないか】
【そんなもの、簡単だよ、時を止めればいい】
【時が止まったら、俺達も動かなくなるよ】
【異次元に居れば、如何なの】
【ありがとう、流石チャッピー】
【寝るよ】
ピンときた、そうなのだ
「なるほど、その手があったか」
「どうしたの、その手って、なんなの」
シルビーが不思議そうに聞いて来た
「ロイドの両親と妹を、助ける手があったんだ」
「栄太さんの事だから、きっと何とかすると思って居た、やっぱりね」
「ロイドの所へ行ってくる」
家を飛び出し、ロイドの所に向かう、赤星星団本部の三階、ロイドの新居と言って良いだろう、ドアをノックすると
「はい、どなた様」
ミリアがかドアを開け出て来た
「栄太様、主人を読んでまいります、上がっていてください」
ミリアはロイドが、叔父が宰相を唆した事を伝え、裁きをミリアの父に任せるため、連れて行った際、そのまま付いてきてしまった、シルトニヤ国としては、ロイド、栄太との縁を確実なものにするため、喜んでロイドとの結婚に賛成している
そうか、下の会長室の方が良かったか、とにかく、勝手知ったる他人の家、上がって待っていると
「おお、待たせたな」
「いや、大して待ってはいない、其れより、行くぞ、例の里へ」
「いや、しかし、俺達が行ったら、父上たちが死んでしまうのだぞ、叔父のくそ野郎が、解除の方法の無い、呪いをかけるとは、やはり殺してやればよかった」
「そう興奮するな、救出する方法があったぞ」
「本当か、呪いを解く方法はないんだぞ」
「この次元ではな、要は首輪を外せばいいんだろう」
「だが、外そうとすると、作動して死んでしまう」
「そうらしいな、でも、大丈夫だ、魔術師では無理だろうな、だが、俺の神力を信じろ」
「、えいたがいうなら、だいじょうぶか、分かった、もしもの時があったとしても、死と隣り合わせで生きるより、返って良いかもな」
「もしもはない、大丈夫だ」
ような移動手段として、瞬間移動でもいいのだが、大勢が移動するのに、極限られた仲間と以外使いたくないので、飛行艇で里の近くまで飛んだ、里と言っても意外に広い面積を高い塀で囲んだ、収容所のようなものだ、救出する人の内に女性が二人も居るので、シルビーとミリアに来て貰って居る
まずは情報だ、内部を調べるにも、人の気配さえ見せる事が出来ない危険だ、如何したら良いか、考えていると、ちょうど目の前を蠅が飛んでいた、咄嗟に念を送る、上手くいった蠅と同調できた、思念を送り塀の中に飛んで行ってもらう、蠅の見るもの聞くものが、脳の中に反映される、窓から番小屋の中に入った、三人の番兵がいた
「もう何年になる、元王様を扱き使う事になるなんて、夢にも思わなかったぜ」
「王妃も王女も、ああなれば,ざまあないよな、惨めなものだ」
「今じゃ、あんな生活は嫌だよな、俺たちは見張るだけで、こんな楽な仕事ねえよ」
「まあ、今日も生意気に睨んできたから、尻を蹴とばしてやったぜ、元王様を蹴とばしたりできるなんて、それで給料もらえるんだから」
「本来なら、俺達なんて顔も拝めない人を、蹴とばすなんて、夢のように楽しい」
そう言って大笑いしている
「親子で暮らせるだけでも、情けをかけているって事か」
「三人で毎晩、悔し涙で寝ているんだろうな、死ぬまでここから出られないのによう」
「まあ、俺たちは適当に、かるく痛めつけていればいいのさ」
聞くに堪えない事ばかり言いやがって、後でどうしてやろうか、楽しみにしていろよ、とにかく、これで生きている事は、確実になった、後は助けるだけだ
「ロイド、始めるぞ」
大きく息を吸い込む
【時間よ止まれ】
思い切り念を込める、止まってく、とまってくれぇ~~~~
周りから音が消えた、空を飛んでいる鳥が、止まったまま、風のそよぎも消えた、ロイドも身動きしない、
ロイドを異次元へ起動する、動き出した
「成功したか」
「周りを見て見ろ」
傍にある木の枝がピクリともしない、空を見る
「なんか、不思議な世界に来たみたいだ」
シルビーは問題なく動ける
「行くぞ」
門の所まで走る、門番がこちらを向いているが、立ったまま微動だにしない、扉を開けて門内へ入る、ロイドとシルビーは異次元に、身を置くことができるが、ミリアは出来ないので、飛行艇に残っている、飛行艇も異次元にいるので安全だ
中に入り、宿舎を一軒一軒探す、何軒めか、ロイドが見つけた、、三人揃っている、念の為ロイドが確認する、
「間違いない、父、母、妹だ」
本当に三人とも首輪をしていた、探しているときを思い返すと、収容者らしき人達は皆首輪をしていた,前王様の忠実な臣下たちだという、ロイドは痛ましい姿の、父母妹をじっと見たまま身じろぎもしない
「ロイド、まず、外すぞ」
指先に念を込める、父親の首輪に触る、ビシっと音がして外れた、母、妹と外していく
「時間を戻す前に、収容されている全員の首輪を外すぞ」
全員の首輪を外すため、収容所内全てを捜索、番兵の居所も確認する、番小屋以外に十二人、合計十五人いる事になる、収容者全員の首輪を外し終わって、また番小屋に行く、確か、首輪が沢山あったような気がしたからだ、行って見るとやはりあった
「良い事を思い付いた、ロイドこいつを番兵たちに、付けてやろう」
「そうか、それは良いな、父上達が世話になったお礼だ、良いな、いいお仕置きだ」
収容所の番兵全員に着けた
「時間を戻すぞ」
ロイドは両親と妹の所に戻った、俺は番小屋にいる、解除すると時間が動き出した、静寂だった小屋の中に、騒音が戻る風の音、話し声、足音、突然目の前に現れた状態だろう、ぎょっとした顔で
「お前は、誰だ、お前、何時の間に、さては前王を助けに来たのか」
「ああっ、そうだ」
「馬鹿め、王様がすぬぞ」
そう言ってボタンの様なものの付いた、小箱を持ち上げた
「おい、ちょ、ちょっと待て」
「何だ、王様の命乞いか、もう遅い」
そう言ってボタンを押そうとした
「だから待て、自分の首に触ってみろ」
自分の首に触って、愕然としている、そのすきに小箱を取り上げる
「別に押しても構わないけどね」
「ばっ、馬鹿な」
その時、元王様たちが番小屋に入って来た、番兵の顔を見て
「お前には、随分世話になったな、その首輪にあうぞ、その小箱のボタン、押してやろうか」
そう言って番兵の顔を見ている
「それは、ご勘弁を」
「遠慮しなくていいぞ」
そう言いながら、俺の手から小箱を取ると、押す真似をする
「止めてくれ、助けてくれ」
悲鳴を上げている
「わっはっはっは、こいつは愉快だ、もっと怖がるが良い」
番兵に近づくと
「首輪の効果をじっくり味わうんだな、これは私が預かっておく、何時押すか気分次第だ、楽しみに毎日を過ごす事だ、何時まで生きれるかな」
「父上、気がすみましたか」
「いくらかな、だが、良く助けてくれた、我が息子よ」
「父上、彼、この人栄太さんが助けてくれたのです、私ではとても助けられませんでした」
「何を言う、お前が、そのものを使って助けたのであろう、部下の手柄はお前のものなのだ、しっかりせい」
「父上、栄太は部下ではありません、ちゃんと礼を言ってください」
「私が平民に礼など出来ると思うか、お前はどうかしてしまったのか」
「いい加減にしろ、謀略に誑かされた、不甲斐ない人間が、あんたは其処迄腐っていたのか、やはり小父とは兄弟だ似た者同士だ、助けるのではなかった、こんな奴放っておいて、行くぞ、栄太母上、メアリー」
ロイドはさっさと歩きだす、父王は呆然と立ったまま見送っている
「ロイド、お礼なんていいから、許してやれ」
「いや、許せん、あれでは、くそ小父と変わらん、放っておけばいい、自分一人ではなの出来ないくせに、気位ばかり高くて、今の自分の位置が分かっていない、平民の世界ではやって行けない、昔は俺もそうだったから、分かるのだ、生き延びれなければ、それがあの人の運命だ」
元王様が追って来た
「ロイド、何を怒っておるのだ」
「うるさい、助けて貰った、恩義も分からん奴は、何処にでも行ってしまえ」
「親に向かって言う言葉か」
「そんなバカは親でも子でもない、こっちから縁を切る」
母も妹もはらはらしてみているが、口は出さない
「俺の親だからと言って、救出してくれたのに、こんな親、恥ずかしくて、栄太に悪くて」
ロイドは涙をポロポロと流しながら歩いている、元王様は少し離れて付いてくる、飛行艇の場所に着いた
異次元から飛行艇を戻す、突然現れた飛行艇を見て
「何だこれは」
元王様が叫んでいる
「お前には関係ない、あっちに行け」
ロイドの冷たい言い方に
「お前まさか、私を置いていく気では」
「関係ない人間をつれていくはずがないだろう」
そう言って飛行艇に向かって歩き出す
「お帰りなさい、無事で間に寄りです」
ミリアがドアを開けて降りて来た
「ミリア、母上と妹だ、よろしく頼む」
「ロイド」
「うるさい」
「私が悪かった、謝る、栄太殿にも謝る、申し訳なかった、助けていただいて、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げている
「本心から、そう言って居るのですか、今後もああいう態度は許しませんからね、特に栄太に関して、尊大な態度は、絶対に許しませんから、栄太は俺の命の恩人でもあるのだから」
「悪かった、これからは心を入れ替える、お前の指示に従う」
「そうしてください、もう、王様ではないのだから」
しょぼんとした元王様が、可哀想になってしまう
「ロイド、怖いな、ひどい目にあったんだ、少しは優しくして遣れ」
「分かっているよ、余りに我儘だからな、放っておいたらどうなるか、荒療治も時には必要さ、栄太が父を嫌いにならないようにな、早めに手を打った」
俺にだけわかるように、ニヤリとし片目を瞑った
首輪の外れた臣下の人達は、迎えが来るまで、今までのお礼に、番兵たちを可愛がって過ごすだろう、大型浮動バスで迎えに来させよう、クロードの街で、行員をしてもらうか、赤星星団に入って貰うか、本人たちの意思にまかせよう
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