王城にて
三人と門の前で落ち合うと、門番に用件を伝える
「どうぞ、お通り下さい」
すんなりと通してくれた、門を入ると
「待ちかねたぞ、久しく来なかったな」
なんと、王様が出迎えてくれた
「ウィン、栄太、元気だったか、堅苦しい事は抜きだ、私の私室へ行こう」
シルビーもロイドもグレンも王様に謁見する、と言う事でかしこまっていたが、友達のような王様の応対に、驚いて顔を見合わせながら付いてくる
「王様が出迎え自らって不味くないですか」
「外ではない、城内だから良いんだよ、おや、栄太、何時からそんな、常識的な心配できるようになった、」
「俺だってそのくらいは昔から」
「そうだったかなあ、以前は、突然私の私室に現れなかったっけ」
「あれは、その、急いでいたから」
「ああっ、分かっているよ、私を心配しての事だったんだから、まぁ、怒っているわけじゃないよ、何時でも来てくれて良いからね」
「まぁ、必要があれば、また、あるかもしれない、ああいう事」
「遠慮無く来ていいよ」
「分かった」
王の私室に着いた、部屋に入りそれぞれの席に落ち着くと、王様が
「さて、紅一点、女性の紹介してもらおうかな」
そう言ってシルビーの顔を見ている、栄太は慌てて
「俺の妻になった、シルビーです」
「シルビーです、よろしくお願い申し上げます」
「シルビーさんか、栄太は私の命の恩人のようなもの、私の方こそよろしくね」
「いえ、そんな恐れ多い、礼儀も知らない私ですが、栄太さん共々よろしくお願いします」
「まぁ、そんなに硬くならず、栄太とは友達のようなものだから、シルビーさんもそういう事で頼みますよ」
そう言ってシルビーを見ていたが
「おめでとう、そうだ、そういう事なら、二人に何かお祝いを」
そう言うと、外に控えていた侍従に何か耳打ちした、其れから
「ウィンは良いとして、そちらの二人は」
「私は良いのか」
「いじけるな、お前の事を今更紹介でもなかろう」
「まぁそうだが」
「赤星星団の総長ロイドさんでしたよね」
「はい、覚えていていただいて、光栄です」
「この取り合わせは」
俺の顔を見る
「例の元領主の一件、あの時知り合って、それから、色々とありまして、今後、俺の相棒として遣って行く積りで、王様に引き合わせに来ました」
「他人行儀な話しっぷりは、似合わない、いつもの調子で良いよ、そうかあの大組織の総長が、相棒か、一国を相手にしても怖くないな」
「大袈裟な言い方、止めましょう」
「いや、他国に知れたら、そう取るだろうね、栄太の正体を知ったら余計に」
「だから、俺が表に出なくていいように、ロイドに頼むんだから、それに、この事は王様にしか言わないと」
「そうした方が良い、赤星星団をどの国も取り込みたくているからな」
「そうなんだ、じゃあ、止めようかな」
ロイドが
「栄太それはないぞ」
「冗談だよ、俺からお願いしてんだから、其れから王様、グレン、ウィンの腹心みたいになってるけど、今後、俺のブレーンとして動いてもらおうと思って」
グレンを紹介した、グレンは借りてきた猫みたいになっている
「グレンです、よろしくお願いします」
「おっ、グレンまともに挨拶できるんだ」
栄太が茶化す
「うるさいよ、これが限界だ」
「そうだろうな「、それ以上できたら、グレンじゃないよ」
「うるせえ」
「そう、その調子、やっぱりグレンは下品でなきゃあ」
そのやり取りを黙って聞いていた王様が
「栄太はこれから、何をしたい」
「其れを言いにも来たんだ」
「聞こう、大いに興味がある」
栄太は将来の夢の展望をはなした、浮動機の事、通信の事,浮動馬の事、それらを使い展開する構想、王様は熱心に聞いていた、そして
「栄太、縛られるのは嫌だ、と言うので言わなかったが、本当は貴族に取りたて、領地を与えたいと思っていたくらいだ、だがそれは栄太を、縛る事になる、だが我が国を拠点とする事は約束した、だから、クロードの周りの土地の範囲は、可能な限り自治独立都市の範囲として認める、思う存分やってくれ、ウィン栄太の望むことは、全て私に伝えなさい、出来る限り可能になるよう取り計らうから」
話を聞いていると、クロードは栄太の治める街になっている、ウィンもそこで納得するな、クロードの長はお前だろう、だが、これからは、計画を実現していくのみ、王様が太鼓判を押してくれた
「王様、通信網も、交通網もグロージン王国、最優先で始めますが、あくまでも赤星星団が貸し付ける、と言う形態で行きますからね、本当はグロージン王国国営、にしたいけど、そうすると他国に普及しずらい、
最初のお客さとして扱います、大陸中に普及したとき、ロイドと力を合わせ、各国と同盟を結び、同盟の長に王様がなる、同盟が出来れば戦争もなくなる、戦争を仕掛けるような国は、通信も交通も止めてしまう、それが出来るように、全て赤星星団が貸している事が、一番有効なんです」
王様が
「栄太、戦争のない世界、可能性があるな、それにしても、栄太がそんな壮大な考えを持っているとは、思わなかった、私はただ、栄太がすむ国と言うだけで、戦争を仕掛けて着難くなるだろう、その程度の考えしかなかった、栄太に一本取られた、一本何処ではないな、分かった、全面的に協力する、大いにやりなさい」
外が暗くなりだした
「王様、ところで地竜は何処に置くの」
「ああそうだ、その為の場所を用意した、今から良いか」
良いですよ、その為に招待されたのだし」
「では、行こうか」
王様の後を付いて行く、王城の建物を出て、暫く歩くと大きな扉の建物の前に来た
「ここだ、侍従がドアを開ける、周りは観客席、中央に大きな舞台
「ここに地竜を置く、人払いした方が良いな」
俺たちと王様だけになった、部隊の上に異空間に入れてあった地竜を出す
「実際に見ているのに、まだ信じられない、これを一人で倒すなんて、途方もない力だ、その上、あの構想を考える」
なにか考え込んでいる
「栄太」
「何でしょう」
「王位を譲るから、この国の王にならないか」
「何を言ってるんですか、突然、とんでもない事を、冗談でしょう」
「冗談ではない、そうすれば国民は安泰だ、私よりずっと良い王になると思う」
「止めてください、間違ってもなりませんから、村長だっていやだよ、人の上に立つなんて、だいたい王家の血筋とか、誇りとか、平民が簡単になれる者じゃないでしょうが」
「矢張り駄目か」
「何時までも、冗談言ってると、俺はクロードへ帰りますよ」
「分かった、言ってみただけだ、許せ、もう言わない」
王様は結構本気だったようだが、冗談じゃない、有り得ないだろう、そんな事
「現実離れした話は、もういいですから、地竜ですが、オークションの間、腐ったりしないでしょうか」
「勿論、竜なのだから、普通の肉とは違う、だが腐らないと言う事は無いだろう、念の為氷魔法を使えるものを、何人か待機させてある、交代で冷やしているよう言ってある」
「さすがですね」
「私だって、やるときはやるんだよ」
何だか王様の威厳と言うものが、何処かへいってしまっている
「王様、私達だけではなく、兵士たちも居る事だし、いつもの王様に戻ってください」
ウィンにそう言われて
「すまん、興奮してしまって、お腹も空いたろう、食事にしようか」
一度地竜を眺め納得したのか、警備の隊長らしき人に
「後は頼むぞ」
そう、声をかけて歩き出した
「みんな悪いな、俺ばかり話していて」
栄太が小声で言うと、ロイドが
「今回は栄太の招待に、俺たちがついてきているだけだ、気にするな、だいたい、お前なぁ、個人で王様に用事があるとか、王様と為口を聞くとか、普通の人だったら不敬罪で命が危ないよ、普通ありえない、お前は遣る事成す事全てに異常だよ、普通の俺たちが王様に用事なんかがあるわけないよ、ある方がおかしいし、だから満足するまで話していて良いよ」
豪華な部屋に連れて行かれた、中に入ると料理が並べられ、食事の用意が出来ていた、食事まで王様と一緒、此処迄王様独占して良いのかな、って言うか王様仕事しなくて良いの?




