オーク襲来
浮動機で村に向かっている、クロードの街から食料を満載している、シルビーと二人だ、異空間に入れれば無制限に物資は運べるが、その事をなるべく隠したい、シルビーの体には加護の念をかけてある、あいてからの攻撃はすべて無効になる、物理的も魔法も聞かない、何と言っても万能だ、しかもシルビーは俺と一心同体と、認められている、やりたい放題、異空間の指輪も持たせてある、だから何も持っていないように見えるが、左手薬指にある指輪に、必要なものは入っている、願うだけで出し入れ自由だ、何故左手薬指に嵌めているか、と言うと、俺の勝手だろう
村に近づくにつれ、多くのオークが見えて来た、駄洒落どころではない、見える範囲にいる数が、村を囲んでいると言う事は、軽く千匹は超えるだろう、俯瞰、上空からの映像が頭の中に映る、無数のオークが村を取り囲んでいる
「シルビー、やれるか」
「はい、大丈夫、やれます」
初めての魔物狩り、オークなら普通だろうが、この数である、初心者では数ににおされて、殺されるのが落ちだ、だが、初めてといえど、シルビーは違う、万能の一部を分け与えただけだが、恐れる気配は微塵もない、浮動機から飛び降りると、オークの群れに向かって走って行く、買ったばかりのショートソードを掲げて、踊るように、舞うようにオークを倒していく、暫く見守っていたが、俺も浮動機の近くで参戦す、次から次と、もう百体以上倒しただろう、だが突然シルビーが引き返してきた
「切れなくなっちゃいました」
剣に脂がのって、切れなくなるのは当然だ、値段だけの事はある、名剣の部類だろう、よく百体以上倒したものだ、シルビーの技の切れがあっがてこそだが
「分かった、無理はするな、まだやれるのか」
「剣さえあれば」
「では、これを使え」
銅貨五枚で買った剣だ、この時、この為、俺の手に入るよう、どこかで仕組まれたような展開だ、この状況からすると、シルビーの愛剣にしろと言う事だろう
「これで、大丈夫なの、こんな剣ではすぐに切れなくなりそう」
銅貨五枚で買った事を知っているから、心配になるのだろう
「良いから使ってみて、俺が保証する」
不審そうな顔をしながらも、オークに向かって行った、そして一振り、二振りすると、動作が止まった、驚いているようだ、刀を見つめている、戦いの中危ないよ、其れだけ余裕で戦っていると言う事だが、試す間はなかったが、恐らく岩でも豆腐を切るように切れる、そんな切れ味に違いない、見える範囲のオークは死体ばかりになった、入り口近くまで、二人でオークを倒しながら進むと、村の中から数人が出て来て、オークを始末し始めた、応援のつもりだろう、オークたちの攻撃の波が途切れたところで、村の中に入る、三百近くは倒しただろう
「貴方は神の使いの様です、何度助けられるのだろうか、ありがとうございます」
「皆さんは、大丈夫ですか」
「結界のお陰で、怪我人も出ていませんが、何しろこの数です、外に出られなくて、オークもこの数だと」
「不味いですね」
「前兆はあったのですが、これほどとは」
「そうなんですか、じゃあ、原因は分かりますか」
「いいえ、まったく」
「原因も分からないか」
村長と少し離れて考えていると、シルビーが走り寄って来た
「この剣凄いです、まったく切れ味が落ちないの」
「だろう、だから持たせたんだよ」
「訳があるの」
傍によると小声で
「誰にも言うんじゃないよ」
頷く耳元で
「鑑定で神級と出たんだ」
「神級って、神様が作った」
驚いて目を見張り、口を押えている
「あげるから、大事にしな」
「そんな」
何か言いたそうだったが
「良いから使いなさい、其れから、少し休もう、初めてで興奮して、感じないのだろうが、体は疲れている筈だ、俺も少し横になる」
集会所の一角で横になる、シルビーも傍にきて横になる、暫くすると。すー、すーと寝息が聞こえて来た、神経迄丈夫で強くなったらしい
目を閉じて周りの範囲を広げ、俯瞰映像を頭の中に映す、魔物たち、やはり少し減ったが、まだ周りはオークだらけ、後、森の中にぽつぽつと、種類は分からないが魔物の反応がある、、範囲を広げると、魔物は赤い点にしか見えなくなる、村の周りは赤い点が密集している
「えっ」
思わず、声を出してしまった、シルビーが眼を開ける
「どうしたの」
「いや、ちょっと」
「まだ休んでいていいぞ、俺はちょっとそとに」
そう言って外に出る、辺りは闇が支配していた、俺たちが到着したのが、必用な物を集めるのに、時間がかかってしまって、夕方になってしまったから、そんな時間だろう、俺は夜目を発動して周りを見る、誰も居ないのを確かめて、ある場所に転移した、その場所にも赤い点が密集していたのだ
その場所は魔素が渦巻いていた、そしてそこからオークが次々と生まれているのだ、魔素だまり、、周りを囲むように千に達すると思われる、オークがいた、これがまた村に向かったら
「これでは限がない、何とかしなきゃ、チャッピー」
「なんだよ」
「あれは、どうしたら」
「魔素だまりか、聖魔法で光を打ち込むしかないな、闇の力が凄いな、異次元に通じているようだ、あの魔素が消えれば、今周りにいる、生まれたばかりの魔物は、一緒に消滅するだろう」
両手を前に出し、そして光を放つ聖魔法を念ずる
「いけっ」
両手の先から、光が放出する、闇に向かって飛んでいく、吸い込まれるように光が消えていたが、次第に黒が白くなり始めると、パシッ白く弾けるように、周り一帯が一瞬明るくなり、辺りが暗くなった、魔素だまりは消え、あれだけいた魔物も一部を残して消えた、生まれて時間が経ったものは、消滅しないようだ、どうしてあんな魔素だまりが出来たのか、原因は分からない、何時からあったのかも分からない、だが思い出した、此処は地竜を倒した近くだ、とすると、ずっと以前から魔素だまりはあった、俺が地竜を倒した、オークがあふれ出した、答えは一つしかない、オークは地竜の餌だったのだ、餌として消えていたのに、俺がそれを止めてしまった、、増えるばかりのオークが、と言うわけだ、これで村の周りのオークを始末すれば、一応解決だ、しかし頼りになるなチャッピーは
村に戻った、俺が原因なんて言いにくいし、黙って居よう、魔素だまりの出来た、原因が気になるが
集会所に戻ると、シルビーはまだ寝ていた、毛布のようなものが掛けてもらい、、気を使ってだろう、村の主だった人達が離れたところで、車座になってはなしていた
「お帰りなさい」
押し殺した声で迎えてくれた
「ちょっと、一人で考え事があって」
先に言い訳をしておく
「わしらには分からん、悩みがあるでしょうな、あなたなら」
どう捉えていいか分からんが
「ええっ、まぁ」
あいまいに答えて、作戦会議と行くか
「明るく鳴ったら、戦える人は全員で、外に出て片付けましょう、もう増えることは無いと思うから、疲れたら戻って、体力が回復したらまた討伐して、焦らずにやるしかないでしょう」
「貴方とお嬢さんが居れば、心強い、みんな、怯えることなく討伐に出るでしょう、わしらだけだったら、片付けられるか、片づけられても何時になるか、心細かったが、やりましょう、お願いします」
翌日にはオークは全滅した、肉は食用になるので、解体し地下に部屋に、俺が沢山の氷を贈り保存した、入りきらない分は干し肉にしたが、やはり半分以上は焼いたり、埋めたりで処分したが、大変な手間暇がかかった、しかし、食料が調達できて、魔石を売れば、災い転じて福となすだ、この世界にそんな諺はないだろうが




