僕の名は。
小説を書くのは初めてでして。
でね、実はこの物語。
主人公の剣が長ネギだったら、
どんな物語が出来るんだろうと、
それだけ考えて、
細かな設定は決めずに書いてます。
全然先を決めてないの。
この先どうなるんだろう、この物語。
まあ、主人公が勝手に走るだろうなと思いながら。
さて、夕食を作りながら自己紹介でもしようと思う。
僕の名は、ライン=クリューダ。
16歳。
ヨーム大陸の西の端にある、ロメリオという国の最西端に位置する、人口約10万人ほどの小さな港町、クリューダ男爵領が領主、ブロウ=クリューダの長男だ。
この国の爵位は基本的に世襲制なので、長男といったらよっぽどのことがない限り次期領主になる。
だから僕は、幼少の頃から、礼儀作法や剣術の修行、そして領地を治めるための様々な勉学に励んでいた。
12歳の誕生日のことだった。
この国の人々は、12歳の誕生日になると土地神様からの加護を受け、力を授かる。
いわゆる魔法というやつで、その限られた人しか使えない強力な力を使い、領地をうまく治めていくようにできているのだ。
その日は朝から海へ入り身を清め、この土地神様の祠で、属性判定のための属性石を握りしめ、祈りを捧げる。
この属性石は、火、水、土、風、光、闇があり、土地神様の前で祈りを捧げ握りしめると、属性石が光り自分の使える属性を教えてくれるのだ。
僕も伝統通り、朝から身を清め、属性石を握りしめ、土地神様の祠で祈りを捧げた。
しかしいくら祈りを捧げたところで、僕は何の加護も受けず、力を授からなかった。
事前の調査では魔力があることはわかっていた。
魔力があるにも関わらず、どの属性にも適性を見出せず、土地神様にも認められず、魔法が使えなかった。
ということで、貴族なのに魔法が使えないなんて仕事にならんと、跡取り失格という烙印を押されてしまった。
屋敷での腫れ物扱いが続き、ストレスを感じた僕は、2歳年下のガインが12歳になった時、無事土地神様の加護を受けたのを見届けて家を出たのだ。
今僕は、領主の屋敷からほど近く、かといってあまり開発されていない土地を日々開墾しながら、細々と慎ましやかに生きている。
さて、夕食だ。
砕けたネギは、採ってきたキノコと一緒に鶏モモ肉のスープに放り込み、コトコト煮ることにした。
鶏は歳をとった親鳥。裏庭で、卵を採るために飼っている鶏が、卵を産まなくなったので、それを潰した。
肉質は硬いけど、ダシがよく出る。
一羽丸々潰したはいいが、独り身では消費が進まないから、2、3日鶏料理が続きそうだなと思いながらコトコトと肉を煮込んでいく。
山で採ってきたキノコは、そのスープに独特な風味とシャキシャキとした食感を与え、新鮮な長ネギからもダシと甘みが出た。
塩とコショウを少しだけ加え味を整えたら、具材の旨味がぎゅーっと詰まった特製スープの出来上がり。
小麦粉を水と塩、少量のバターで練って焼いた簡易パンを皿に盛り付け、さてようやく夕食にありつけると思ったその時、「コンコン」と玄関の戸をノックする音が聞こえた。




