表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
75/75

オワリハジマリ編5/?

やっとこさ更新出来たけど……忘れられてそうねー()

止まりかけの思考でダメージチェック、背中がじりじりとした痛みに襲われているが、出血はしていないだろう。凄まじい速度の何かに衝突されたと推測する。

 「痛ったぁ~、んだよ、これぇ」

 心底悪態をつくが身体が起き上がらない。普通に考えれば窮地も窮地なのだが、何故かしら俺にはすぐには殺されないという妙な確信があった。

 「はぁ、こんなものなら藍様が出るまでも無いね」

 案の定声の主は俺をすぐに殺そうとはせず、幾ばくかの愚痴をこぼして俺の前にふんぞりかえった。堂々と仁王立ちするその姿は猫耳と尻尾を伴っている。結局その少女以外に人影は無く、 俺は心中胸を撫で下ろした──これならまだやれそうだ。

 「藍様……ってことはお前が燈だな?」

 痛みが染みる身体に鞭打ち、立ち上がる。奴はといえばこちらの問いかけには答えず、代わりに少し身構えただけだった。

 「お前なんて私だけで十分なんだから!」

 言うが早いか跳ぶが速いか。奴はいきなり視界から外れ、背後からバシッっという音が届き、気付けば服の背中部分に衝撃が伝わった。攻撃か?何もかもが間に合わない──速すぎる。

 「まだまだ序の口だよっ!」

 辺りから声が聞こえ、また服が裂かれる。ダガーで斬ったというより爪で引っ掻いたといった方が分かりやすい裂かれ方だった。まだ皮膚にすら届かない浅い攻撃だが、皮膚が裂かれ、肉が千切られるのもそう先の事では無いだろう。だが焦りは禁物、先に考えるべきだ。

 相手は一撃の軽い典型的なスピード型、倒し方ならいくらでもある。だがこの戦いは前哨戦に過ぎない、ここで馬鹿正直に相棒を当てるまで振るうというのは筋金入りの脳筋の発想で、『想造』には相応しくない。力を温存する──出来る限り自らの力を使わないというのなら、他の力を利用するのが最適。ならばここにはうってつけの力が有る、極めて物理的でシンプルな、奴の『速度』が!。

 「読めた!」

 攻撃を受けてから数拍、音が聞こえるより速く俺は適当な方向に飛び退いた。

 読めたと言うのはハッタリである。室内という狭い空間で速度を活かし、立体的及び多角的に物理攻撃を行おうというなら壁を蹴って加速するのが普通だろう。それに加え年端もゆかない少女の腕の射程などたかが知れている、避ける事など造作も無い。

 「チッ」

 攻撃を外した奴は舌打ちと共に着地した。獣の様な目線が更に鋭く、眉間に皺が寄ってくる、分かりやすく不機嫌の様だ。その方が都合が良いが。

 「ちょこまか逃げないで!」

 再び同じ様にちょこまかと動き始めた奴に合わせ、時たま煽りながら大雑把に逃げまくる。最初とは違い、棒立ちで攻撃を受け続けるなんて真似は必要ない。

 「最初の威勢はどうしたぁ!?」

 「くそっ、調子に乗るなぁ……!」

 着地と同時に吐き捨てて、奴は懐をまさぐり始めた、通常攻撃だけで仕留めるのは止めたらしい。俺の予想通りならあれが出てくる筈だが……。

 「これで決める!」

 奴はカードを取り出し、高々と宣言した。

 「童符『護法天童乱舞』!」

 やはりスペルカード!魔法使いたちに習った通りなら、あれは幻想郷の一部の強者が使える必殺技的なやつらしい。最初の手合わせで咲夜さんが叫んでいた「奇術『エターナルミーク』」もこれに該当するらしく、本来の用途は別だそうな。

 なんて復習を終えて、作戦を反芻しているうちに奴の魔力が一層膨れ上がった、同時に奴の姿が消える。作戦決行だ。

 「時よ止まれっ!」

 すると視認不可能な速度だった奴の姿が徐々に現れていった、幾ら超スピードでも時が止まってしまえば意味がない。咲夜さんに伝授してもらった時を止めるイメージを持ってすればざっとこんなもんだ。ここまできちんと止まったのは初だが。

 「疲れる前に……よっと」

 想定していたよりも激しく魔力が磨り減っていくのを感じる、これでは今まで出し渋ろうと考えていた苦労が水の泡ではないか。さっさとやろう。空中で静止したままの奴の顔に上着を被せて、時を進めるべく指をパチンと鳴らした。

 「んにゃぁぁぁ!?」

 視界が失われた奴は勢いを殺す事もままならず、頭から俺の背後の壁に突っ込んだ。轟音と衝撃。死んでしまったかもしれない。壁に肩までずっぽりめり込んで微動だにしない奴を見ていると、少しばかしやり過ぎてしまった感がある。それでも後には引けない、一人撃破だ。

前に読んでたよーって人には申し訳ないです、はい。割り込みでこっそり更新したのを除けば実に10ヶ月近く経ってますね……。正直いつまで書けるか分からない程色々悪化してるんですけど、頑張りたいです。

閲覧ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ