バアルゼブル・エンド
「…………イズ……モ」
「バアルちゃん! しっかりして!」
意識が朦朧としていても、わたしにはイズモの声がしっかりと聞こえた……
……まるでわたしをこっちの世界につなぎ止める錨のように……
だから、わたしはやらなければならない…………
……わたしにたたきつけられた挑戦状、|大食い(・ ・ ・)大会での優勝を……山のような、どころか山を形成しているお饅頭の山を食べ尽くさなければ……一個でも多く、一秒でも早く……
「……かっとビング……わたし……」
と、ちょっと一休みしてお茶……
……これで大丈夫。口内の甘味を激流葬……
「ブッ!」
甘い……なんで? 甘茶なんで?
……なんで甘い甘い饅頭に甘茶なんか付けるの?バカなの死ぬの? わたしは死にそうだけど……
「…………わ……たしは……」
糖分過多で死にそう……というかそんな死に方する天使なんてきっと初めて……
…………有り得ない、そんな死に方……かつて暴食の悪魔と呼ばれたわたしがお饅頭の食べ過ぎで死にそうになるなんて……!
…………もう一生お饅頭なんて食べなくても良い……だから、暴食を……全部……!
「……暴食……王女……!」
結果だけ言うと、ダントツの一位で優勝……というより、わたしだけが完食出来た。
予定では今回の1.5倍のお饅頭だったらしいが、無茶を言うなとサタンに叫ばせたい。とりあえずわたしは叫びたくない。今叫んだら吐きそう。むしろ間違いなく吐く。
「……ねぇバアルちゃん……」
「…………なに?」
「バアルちゃんって軽いね……」
「…………まあ、それほどでもない……」
「…………ところで、あの文字通り山ほどあったお饅頭はどこに消えちゃったんだろうね?」
「…………さぁ?」
そんな事はどうでも良かった。
今大切なのは、イズモがわたしをお姫様だっこしてくれているということ。
それと……あの大食い大会の招待状の送り主は誰なのかという謎……
「……すべてガブリエルさんの狙い通り、ですか……」
「…………」
「あ、いえ、何でもないです。ボクもガブリエルさんも、何も企んでいませんよ?」
……まあ、いっか。お饅頭美味しかったし。
お饅頭と甘茶の組み合わせはイラッときたけど……
(味覚的にも)甘いお話




