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20話

 ルージンは左手でスミレの頭を掴んだまま右手に炎を宿し振る――


(駄目だ! このままじゃスミレちゃんが殺されちゅう! 僕にもっと力があれば……力があれば!! 力が欲しい!!!)


「ガーーーーーー!」


 と思考しトールは吠えた。獣のような咆哮だった。その声にルージンの右手がスミレの首に触れる寸前に止まる。纏っていた炎も消え去る。トールを目を細めて凝視するルージン。ルージンは唖然としスミレを手放し(地べたに倒れ込むスミレ)


「ま、まさか……この独特な力の波動は神人!?」


 トールの顔や全身の皮膚から赤い毛が凄まじいスピードで生えてくる。そして口には牙が生え、指が膨脹し爪が鋭くなった。トールは豹変しまるで虎のような顔をしている。


「ト、トール?」


 地面に接地し尻餅をついたスミレはトールの名を呼んだ。驚きと畏怖の混ざった声だった。スミレの体がトールを見ていると震える。

 トールの姿は人型の獣へと姿を変えた。彼は首を曲げコキッと鳴らすと地面を蹴った。目にも留まらぬ速さだ。ルージンはまがまがしい気配に体を後ろに反らした。


「グワッ!」


 ルージンの右腕の肘から先が消えた。血しぶきが上がり顔色を悪くするルージン。

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