21/61
21話
いや正確に言うと変貌を遂げたトールの牙に食いちぎられたのだ。尋常じゃない速さだった。
「グルル!」
トールはくわえていたルージンの右腕の肉を食らった。赤い血を口から垂らしながら。そして肉を嚥下する。おぞましい光景だった。毛に全身を被われたトールはルージンの腕を血を滴らせながら食っていた。
スミレは呆然としルージンは悲痛な表情を浮かべていた。
「ガルル!」
トールは四本足(手を前足にして)で駆けた。目では追えないスピードだ。ルージンは憤慨しながら
「ク! 神人のハーフか? 小僧。その虎のような姿は赤虎」
トールの放った回し蹴りは空中に避難し、かわしたはずのルージンに的確に命中した。ルージンは吹っ飛び宝物庫の壁にめりこんだ。右腕から大量の血を流しながら。ルージンは身動きしない。
死んだのだろうか。神人と化したトールはジャンプし、さらにルージンに攻撃を加える。一発、二発、三発、四発とパンチを打ち込む。
「トール」とスミレ。
ルージンは壁からずり落ち死んだ。しかし執拗に攻めを止めないトール。ルージンの右足を引きちぎり、首をもぎ取り左足を食いちぎり左手を爪で切り裂いた。ルージンは無惨な姿になった。




