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21話

 いや正確に言うと変貌を遂げたトールの牙に食いちぎられたのだ。尋常じゃない速さだった。


「グルル!」


 トールはくわえていたルージンの右腕の肉を食らった。赤い血を口から垂らしながら。そして肉を嚥下する。おぞましい光景だった。毛に全身を被われたトールはルージンの腕を血を滴らせながら食っていた。

 スミレは呆然としルージンは悲痛な表情を浮かべていた。


「ガルル!」


 トールは四本足(手を前足にして)で駆けた。目では追えないスピードだ。ルージンは憤慨しながら


「ク! 神人のハーフか? 小僧。その虎のような姿は赤虎」


 トールの放った回し蹴りは空中に避難し、かわしたはずのルージンに的確に命中した。ルージンは吹っ飛び宝物庫の壁にめりこんだ。右腕から大量の血を流しながら。ルージンは身動きしない。

 死んだのだろうか。神人と化したトールはジャンプし、さらにルージンに攻撃を加える。一発、二発、三発、四発とパンチを打ち込む。


「トール」とスミレ。


 ルージンは壁からずり落ち死んだ。しかし執拗に攻めを止めないトール。ルージンの右足を引きちぎり、首をもぎ取り左足を食いちぎり左手を爪で切り裂いた。ルージンは無惨な姿になった。

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