表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/118

82.グーちゃん達お手伝い隊到着!!

『我らの周りを見ても分からぬぞ』


『あ、じゃあやっぱり上』


 ミル君がグーちゃんに言いました。上?


『そうだ。上というか、正確には背中の上だな。アルフもお前も小さいから見えんだろう。だがお前は匂いで分かった』


『僕の気のせいじゃなかったんだ』


『ああ。最初は内緒にして、驚かせようと思ったのだ』


「ビックリ?」


『そうだ、ビックリだ。でもアルフが嫌いな怖いビックリではないぞ。アルフにとっては楽しいビックリだ』


「たのしビックリ!!」


 楽しいビックリだって! 僕ねぇ、怖いビックリ嫌いなの。僕が魔獣さん達と遊んでて、後ろからわっ!! ってされるのが嫌いだし。

 夜起きて、おトイレに行った時、廊下の曲がり角から急に誰か出て来たり、おトイレからも誰か出て来たりするのも嫌い。おしっこ漏らしちゃうかもしれないし。


 後は、その日は僕の大好きなご飯だったはずなのに。僕の嫌いなニニンがいっぱい入ってたり、美味しそうって思って果物食べたら、とっても酸っぱかったり。嫌なビックリは嫌い。


「ははっ、アルフのそれは、何とも言えないビックリだけどな」


「本人は嫌なのよ。笑っちゃダメ」


「君だって笑っているじゃないか」


「パパ、ママ、なぁに?」


 僕が嫌いなビックリをミル君にお話ししてたら、パパ達が何かお話ししてたんだけど。何かなぁ? パパ達も嫌いなビックリがある?


『ハハハッ、大丈夫だ、心配するな。楽しいビックリで間違いない。グリ、見せてやってくれ』


『ああ』


 グリちゃんが僕の洋服を咥えて持ち上げようとして、ミル君が急いで僕の頭の上に乗って来ました。ママが抱っこするって言ったけど、グリちゃんがブンブン首を振ったよ。だから僕はぶらんぶらん、いつもよりも揺れて面白かったです。


『ほら、それで喜んでいないで、我の背中を見てみろ。ちょうど皆、こっちに用事があってな。その用事は終わったからアルフと遊ぼうと、そのままここへ来たんだ』


 ご用事? 終わり? 遊ぶ? ぶらんぶらんが止まって、しっかりお顔を上げたグリちゃん。それでグーちゃんの背中を見たら、グーちゃんの背中にコケコおじさんと、それからお兄ちゃんモルーとちーちゃんが乗っていました。


「コケコおじさん!! おにいちゃん!! ちーちゃん!!」


 あのねこの前、コケコ達の小屋の前を通った時、親分コケコに呼ばれたんだ。それで親分コケコに、ニックネームを考えて欲しいって言われたの。だから僕は今、親分コケコのニックネームを考え中です。カッコいい名前が良いんだって。

 

 それからニックネームが決まるまでも、少し違う名前が良いって言われて。ミル君がおじさんなんだから、ただのおじさんで良いよって言ったんだ。そうしたらどうしてか分かんないけど、ミル君と親分コケコが喧嘩を始めちゃって。


 ママにとっても怒られたんだ。それでミル君はおやつのクッキーが2枚あったのに1枚になっちゃって。親分コケコは他の名前が良いって言ったんだけど、僕が本当のニックネームを考えるまで、コケコおじさんのままって言われたんだ。


「おはよ、ございます!! みんなあそびにきましたぁ?」


『おはよう。我はどちらでも良かったんだが、皆が遊びたいと言ったんでな』


『アルフ、おはよう!! え~、親分コケコも、一緒にあそ……』


『コケッ、コケケッ。ちー、早く挨拶しろ』


 コケコおじさんが咳をして、途中でお兄ちゃんモルーのお話しを止めて、ちーちゃんにそう言いました。


『アルフおにいちゃ、おはよ、ごじゃましゅ!! あのね、ぼく、アルフおにいちゃと、あそびちゃい。い?』


「ごようじ、おわり?」


『うん、たぶん? あのね親分コケコがご用事が終わって、遊びに来たって言いな……』


『コケコッ!! そうだ、用事は終わった!! が、ちょっと待ってくれ』


 コケコおじさんがまた咳をして、お兄ちゃんモルーのお話しを止めちゃって。それからお兄ちゃんモルーと、何かお話しをし始めました。

 ちーちゃんは2匹の体の間から首を突っ込んで、お話しを聞いています。でも途中で分かんないって言って、頭を引っこ抜いた後、お兄ちゃんモルーのお隣でゴロゴロしていました。


「ねぇ、ママ~」


「どうしたのアルフ?」


「コケコおじさん、おかぜかなぁ? おせきコンコンだよ。あとでママみてあげて」


「そうね、咳をしてるわね。分かったわ。後で診ておくわね。……ブルーノ、今のって」


「止めるための空咳ですね」


「やっぱり、何となくそうだと思ったのよ」


 コケコおじさん、大丈夫かな? お風邪引いたら、すぐにママが治してくれるからね。

 

『おい、余計なことは言うな。我らが遊びたいからここへ来たなどと』


『何で? だってコケコ親分、遊びたいって言ってたでしょう?』


『アルフは掃除をしにここへ来ているのだぞ。遊びはそのついで、時間が余ったら遊べるだけだ。アルフはいつも、掃除頑張る!! と言っているだろう。そして頑張って我らの小屋を掃除してくれる。そんな頑張っているアルフに、ただ遊びに来たと言ってみろ。お掃除なのに遊ぶの? そんなのはダメ。しっかりと掃除する。お掃除邪魔する我らのことは嫌い、などと言われたら』


『わわ!? アルフ、僕達のこと嫌い!?』


『そういう可能性もあるということだ。そうならないためにも、我らはアルフの手伝いをしに来たと言っておけ。手伝いをするのだって、本当のことだからな』


 コケコおじさんとお兄ちゃんモルーのお話しは、すぐに終わりました。それでお話しの後は、お兄ちゃんモルーがとっても元気になってたよ。


『アルフ!! 僕ね、アルフのお手伝いに来たんだよ!! 遊びに来たんじゃないからね、お手伝いだよ!! でもお掃除が終わったら、遊んでも良いからね!!』


「うん? ぼく、おそうじかんばるから、あそぶよ?」


『はぁ、何だその言い方は。言い訳をしているみたいではないか』


『まぁ、アルフも分かっていないから良いだろう。それよりも、そろそろ掃除を再開するぞ』


「がんばる!! おー!!』


『『おー!!』』


『がんばりゅ!!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ