表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/118

73.マツボックとカーキを採った後は?

『ねぇねぇ、ペガサス様、あれってどういう事かな?』


『聞いちゃダメ?』


『待ってろ。まずはアルフがマツボックとカーキを取るのが先だ。俺も気になってはいるが、アルフが楽しみにしているんだ。アルフを優先するぞ』


『分かったぁ』


『アルフの楽しい取っちゃダメだよね』


「ペスさん! ここのとっていいですかぁ?」


『ああ、ちょっと待ってくれ。今行く!!』


 パパ達が荷物を下ろし終わるまでお話ししていた僕とペスさん達。ペスさんはペガサスさんのニックネームだよ。僕が考えたの。ペルさんはペスのニックネーム、とっても気に入ってくれたんだぁ。


 それで、パパ達が荷物を下ろし終わるのを待っていた時。ペスさんも他の魔獣さん達も、とっても変な顔をしていたんだ。魔獣園のみんなんはキッ!! って見ていたり、ぶすっとやしら~ってお顔をしていたでしょう。


 森の魔獣さん達は、困った顔や、目と目の間をシワシワにして睨んでるし。後はちょっと慌ててる顔をしていて。やっぱり変なお顔をしていたの。それからみんなおんなじ方向を見ていて。


 僕はお家の時みたいに、みんなが見ている方向を見ました。でもやっぱり何もなくて。時々ミル君は居たけど。なんか今日の魔獣さん達は、みんな変だよねぇ。


 どうしたの? って聞いたら、みんなが一斉にいつものニコニコお顔に戻って、何でもないって。それからはどこどこに美味しい木の実があるから、案内してくれるって。木の実お話しをしたんだけど。


 今、僕の前には、大きな大きなマツボックの木が。それから大きな木には、大きなマツボックがいっぱいなっていたよ。これ、とっても良いのかなぁ?


「ペスさん、これい?」


『ああ、良いぞ。それと向こうのカーキの木、分かるか?』


「うん!!」


『あそこのカーキの実を採ると良い』


「うん!!」


 まずはマツボックから採ります。僕の背だとぜんぜん届かないから、いつもパパに肩車をしてもらうの、他の人達は梯子を使って登って採るんだよ。

 魔法は使っちゃダメなんだ。魔法を使うとね、ボロボロになっちゃうの。どうしてボロボロになっちゃうかは、パパ達も分からないんだって。


「よし、今パパが肩車を……」


『俺の背中に乗せてやる』


 ペスさんが僕の洋服の首の所を咥えました。


「パパ、ペスさんがせなかにのせてくれるって」


「そうなのか? 大丈夫だとは思うが」


 グイグイ引っ張るペスさん。パパがゆっくり僕をペスさんに乗せてくれます。乗る時は危ないからミルくんはパパの頭に乗っておいて。僕がしっかりとペスさんに乗ったら、僕の頭に乗ってきたよ。


『やはり乗ってくるか』


「ペスさん、なぁに?」


『いや、何でもない。さぁ、マツボックを採ってしまおう』


 パパがママと交代。ママが僕を支えてくれて、僕はペスさんの背中に乗ったから、目の前まできたマツボックを、クルクル回し始めます。ペスさんはとっても大きいから、パパの肩車よりも高い場所に届くんだ。


 そっとそっと、ぐえってならないように。ブチッ!! 綺麗にぐえってならないで採れた!!


「ママ、とれた!!」


「そうね、うまく採れたじゃない」


「ミルくん、とれた!!」


『アルフ、凄い!! 傷が1つもないよ!!』


 その後もどんどんマツボックを採っていく僕。僕は全部で5個のマツボックを採りました。2つだけ顔と首がぐえってなっちゃったけど、でも1個も落とさないで、綺麗に採れたよ! 残りはパパ達が採りました。


 採ったマツボックは僕がカゴ車で2つ。残りはゴーリーさんが、馬車まで運んでくれたから、最後までしっかり運べたよ。だってせっかく綺麗に採ったのに、ボロッて壊れちゃったらいやだもん。


 そしてマツボックをしっかり運んだ後は、今度はカーキの木の所へ行きました。カーキもペスさんが背中に乗せてくれて、全部で6個採ったんだけど。1つだけ失敗しちゃったんだ。

 お顔がぐえってなって、その後落としちゃったの。カーキの実の端っこが、ちょっとだけグチャッてなっちゃって。


 せっかくペスさんが教えてくれた、美味しいカーキなのに落としちゃって、僕はペスさんにごめんなさいをしました。


『大丈夫だ。そこのリリッスは昨日、完璧にグシャッと潰していたからな。みんな潰すんだ、気にするな。下手をしたらまとめて10個も潰したこともあるんだぞ。それよりも潰れた所以外は食べられるだろう。美味しいから食べてみると良い』


 ふわわ!? 10個も!? 僕、そんなに落とさなくて良かったぁ。ママにペスさんのお話しを伝えたら、先にカーキを運んじゃいましょうって。それからマツボックとカーキを採っているうちに、お昼ご飯の時間になったから。お昼ご飯の後のデザートにしましょうって。


 すぐにカーキを荷馬車に運んだ後、トロイがお昼ご飯の準備をしてくれました。魔獣さん達もみんな自分達のご飯を持って来て、みんなで一緒にいただきますをしたんだ。

 ブラックベアーさんとゴーリーさんは、自分の体の3倍もある魔獣を持って来ていて、僕ビックリしちゃったよ。


「みんなでごはん、たのしいねぇ」

 

 みんなニコニコ、僕もニコニコ。そうしてご飯を食べ終わったら、ママがさっき僕が潰しちゃったカーキと、他のカーキ2つを、綺麗に切ってくれて。カーキもみんなで食べました。甘くて、桃みたいな味で、とっても美味しかったです。


 それでみんなニコニコ、カーキを食べている時でした。


『そういえば、聞きたい事があるんだが』


 急にペスさんがニコニコをやめてね、僕に聞きたい事があるって。


「なんですかぁ?」


『いや、大した質問ではないんだが。そのウササは何故、ずっとアルフの頭の上に乗っているのだ? 魔獣園からこの森へ来た魔獣から少し話を聞いているが。このウササはもしかして、アルフと1番仲の良いウササなのか?』


「うん!!」


『そうか。だが魔獣園の魔獣がここへ手伝いにくる時は、大きな魔獣ばかりだろう? どうして今日はそのウササが来ているんだ?』


「あのねぇ、ウササじゃないよ。ミルくんだよぉ。ぼくとミルくんと、パパとママと、みんなかぞくになったんだぁ」


『は?』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ