表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/118

56.お話しは内緒?

「ワイバーン、みんながたおしてくれたけど、みんなボロボロ~」


『まぁな、それは仕方がない。お前の父親や他の者達に直して貰えばいい』


「うん!!」


『ん? そろそろお前の父親が到着するな。我々もそろそろ下へ降りよう。そして父親に話しをして、モルー達を確認しなければ』


「あ!! ブルーノおじいちゃんが、いたでつぶされちゃったの。グーちゃん、たすけて」


『ああ、それならば大丈夫だ。一緒にいたブラックタイガーがもう助け出して、少し離れたところにいる。怪我もしていないようだ』


「そか!!」


『よし、それじゃあ下へ降りるぞ』


 ゆっくりと下へ降りていくグーちゃん。降りながら僕はグーちゃんにお話ししました。みんなの言葉が、綺麗に聞こえるようになったよって。そうしたら急にグーちゃんが止まって。なんかとっても慌てて、僕に聞いてきたよ。


『聞こえるとはどのくらいだ!! そうだな、今から我の言ったことを。そのまま同じように言ってみろ! グーちゃん、一緒、楽しい!!』


「うんとねぇ、グーちゃん、いっしょ、たのしい!!」


『他の魔獣達は、まぁまぁ楽しい!!』


「ぼく、みんなたのしいよ?」


 まぁまぁってちょっとってことなんでしょう? パパ達が言ってたもん。僕はちょっとじゃなくて、グーちゃんも他に魔獣さん達と遊ぶのも、いっぱいいっぱい楽しいよ。

 そう言っらたら、グーちゃんがなんか『チッ』ってした後に、ボソッと何か言いました。


『まぁそれは、後でもっと別の方法でアピールしよう』


「グーちゃん、なんていったのぉ?」


『いや、なんでもない。そうか、しっかりと話ができるようになったか。しかしなぁ、嬉しいが困った。父親に会う前にブルーノに話した方が良いな』


 その後とってもニコニコのグーちゃんは、急いで下へ降りていって、シマウ達の小屋があった場所から、ちょっとだけ離れた場所に降りたよ。そこにブルーノおじいちゃんとクタさんがいたの。


「坊っちゃま!!」


「ブルーノおじいちゃん!!」


 ブルーノおじいちゃんが僕をギュッと抱きしめてくれました。嬉しかったけど、でもお兄ちゃんモルーとちーちゃんがいるって言ったら、すぐに離れてくれたよ。それにね嬉しかったのに、その後はすぐに怒られちゃいました。


 なんで何も言わないで、勝手にどこかに行っちゃったのかって。1人で行ってあのままワイバーンに攻撃されたらどうするんですかって。

 ちゃんと言ってくれれば、クタさんが行ったし、他のシマウの誰かが行ってくれたかも。これからは絶対に絶対に、1人で動かないでくださいって。他にもとってもとっても怒られちゃいました。


「ごめんなさい……」


「分かってくれたのなら良いのですよ。ですが、本当にこれからは気をつけてくださいね」


「うん……」


 僕はしょんぼり。僕ね、頑張って走ったんだ。それでお兄ちゃんモルー達を守れたけど、どこにも行かないお約束破っちゃった……。


『話しはそれくらいに。アルフもしっかり分かったようだからな。それにアルフのおかげでモルー達は救われた。そこは褒めてやれ』


「分かっている。坊っちゃま、よくぞモルー達を守ってくれましたね。危険でも勇気を持って行動できる、動けることは大切なことです。本当に頑張りましたな」


「僕頑張った?」


「ええ、頑張りました」


 ブルーノおじいちゃんがニコニコ笑って、僕の頭を撫でてくれて。僕は今度は嬉しくなってニコニコです。


『よし、これの話しは一旦終わりに。それよりも問題が発生した。いや、我らにとっては、とても良いことなんだが』


「何だ、ハッキリとしないな。何が起きたんだ? まさかまだ敵がいるのか?」


『いや、敵はもういない。そうではなく我らには良いことだと言ったろう』


「良いこと? この現状でか?」


『実はアルフが、しっかりと我々の言葉を理解できるようになった。鳴き声と混ざることなく、しっかりと聞こえていると。今も我と普通に会話をしたのだ』


「本当か!! まだこんなに幼いのに、そこまでの力が」


『だが、他に漏れるのは困るだろう。それに今の段階で両親に教えるのも』


「……そうだな。まずはしっかり旦那様方と話しをしてからの方が良いだろうな」


『今こちらに父親が向かってきている。もうすぐ着くが、アルフに言葉のことを話さないよう、お前から伝えてくれ』


「分かった」


 グーちゃんとブルーノおじいちゃんの、お話しが終わるのを待っていた僕。お話はすぐに終わったんだけど、今度はまた僕とお話しだったよ。


 僕、魔獣さんの言葉が、鳴き声が混ざってるんじゃなくて、普通に聞こえるようになったでしょう? そのことをまだ誰にもお話ししちゃダメって言われました。

 えとね、パパとママにもお話ししちゃダメなんだって。僕、パパとママにお話ししたかったんだぁ。でもダメみたい。


 ブルーノおじいちゃんも魔獣さん達とお話しできるでしょう? でもみんなに内緒。パパ達もブルーノおじいちゃんがお話しできることを知りません。時々お話しできる人はいるんだけど、話せない人の方が多いから、話せるって分かるとみんなとってもビックリしちゃうの。


 だからもしかしたら、パパ達もビックリして、尻餅をついちゃうかもしれないんだって。それでお怪我しちゃったら大変。だからお怪我をしないように、僕が話せるよってお話しする前に、準備があるんだって。その準備が終わるまで僕は内緒じゃないとダメみたい。


 お怪我したら大変。すぐに治してもらえるけど、でもお怪我しない方が良いもんね。


「では、準備が終わるまで待っていてもらえますかな」


「うん!! ないしょ、ぼくないしょ!!」


「そうです、内緒です」


「ふふふ、ないしょ」


 ないしょ、ちょっと楽しいかも。でも準備が終わってパパ達にお話ししたら、パパ達ビックリ、それで喜んでくれるかなぁ。


「では、向こうへ行って、モルー達を確認しましょうか。あの道具小屋の方へ行きましょう」


「うん!!」


 僕はボロボロになっていない、道具がしまってある小屋の方へ走ります。


『尻餅と怪我と準備か。アルフには分かりやすくて良かっただろう。良い説明じゃないか』


「そうだろう。後は、旦那様方にはお話しするが、どうやって外部に漏らさないようにするかだな。大きくなれば自分で対処できるだろうが、まだまだ坊っちゃまはお小さい」


『ふん、それは我々がいるから問題はないだろう』


「今回のようなこともあるんだぞ。対策を考えておいて悪いことはない」


『むっ、それはまぁ』


「おじいちゃん! グーちゃん! クタさん!!」


『今行く!!』


「今行きますよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ