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48.どんどん進んでシマウの小屋の所まで来たよ

「クタさん、いるぅ?」


『ガアウァ』


 少し進んでクタさんが側に居てくれるか確認。また少し進んでクタさんを確認。いつもクタさんは僕と同じ所に、ピッタリ居てくれました。

 

 それから匂いを探し始めてからすぐに、とっても嬉しいことがあったんだ。パパ達の方でも。あっ、だけどパパ達の方は、すぐに残念になっちゃいました。


 僕達が歩き始めてすぐに、パパ達も探し始めて。そうしたら探してくれていたダイアーウルフさん達と、ブラックタイガーさん達、それからクタさんが、芋虫さんの泥の匂いを発見!! それが嬉しいこと。


 でもその芋虫さんのくさ~い泥の匂いは、特別な水と混ざっちゃって、匂いがぼやけていたんだ。ぼやける、匂いが薄くなっちゃってたり、他の色々な匂いと混ってたりだって。それにね、すぐにパパ達の方は匂いがまた消えちゃったの。これが残念な事でした。


 匂いがしたってことは、やっぱりここにモルー達は居たんだろうって。林に入っちゃっているとダメダメだから、少し林の中を探してくる。パパ達はそう言って林の中に入って行ったみたい。クタさんがそう言っていました。


 僕達はそのまま壁を進んで行ったよ。僕達の方の匂いも薄くなっちゃっていたけど、でも完全に消えてはいなかったから。このまま消えないでって、僕はお願いしながら進んでいたんだ。


 それでまた嬉しいことがあったんだけど、それもすぐに残念になっちゃったの。途中から芋虫さんのくさ~い泥の匂いがとっても濃くなったって、クタさんが知らせてくれて。僕は拍手。だって、濃くなったってことは、モルーお兄ちゃん達が側にいるかもって思ったから。


 でもそのまま歩いてきて、昨日遊んだシマウ達の小屋の前まで来た時、急に臭~い匂いがなくなっちゃったんだ。僕はとってもがっかり。クタさんはすぐに周りを探してくれたんだけど、それからはぜんぜん匂いが見つからなくて。何で匂いがしたり、消えたりするの?


「またきえちゃった」


「ですがここまで匂いを辿ってくることができました。もう少し詳しく調べてみましょう」


「うん……」


「そうですね、壁の向こうはクタにそのまま任せて、私達は魔獣達の方へ行ってみましょう」


 そうだ!! 匂いがしていたんだから、シマウ達がお兄ちゃんモルー達を見てるかも。ほら、芋虫さんみたいに。


 僕は急いでシマウ達の方へ行きます。シマウ達は小屋から出て、柵の中で走ったり、寝転んだり、ご飯を食べていました。


「こんにちは~!!」


 僕が手を振りながら柵の所に。シマウ達はすぐに集まって来てくれたよ。


「こんにちは!!」


『『『ヒヒィー!!』』』


 みんなこんにちはだって。


「あのぉ、おはなしがあります!! おにいちゃんモルーたちが、いなくなっちゃって、まいごでぇ」


「坊っちゃま、私が話しを。お前達に聞きたいことがあるのだが」


 ブルーノおじいちゃんが、今までのお話しをささっとしてくれました。お話しを聞いたシマウ達。ヒヒィー! ヒヒィー! みんなでお話しを始めて。すぐに1番大きなシマウが前に出て来たよ。


『ヒヒィー、ヒヒヒィー、ヒヒヒィー』


 何か騒いでるいるかと思っていたら、そんなことになっていたのかって。会う魔獣さん達みんなにお話しを聞いていたから、その時の鳴き声が少し聞こえて来て、何で騒いでいるんだろうって思っていたみたい。


 それからやっぱり、シマウ達も匂いに気づいていて。でも芋虫さんが泥を作ったって思っていたみたい。何で近くに作るんだって。壁の所、消える前の泥の匂いが、シマウ達の所にも届いていたんだ。


『ヒヒィー……、ヒヒヒィー、ヒヒィー』


 でも芋虫さんと思っていたシマウ達は、誰もお兄ちゃんモルー達を見ていませんでした。今のは、しかし……、誰もモルー達は見ていないし声も聞いていない、すまないな、って。


 う~ん、残念。お兄ちゃんモルー達、壁の外じゃなくて、壁の中を歩いてくれればよかったのに。どこからお外に出ちゃったのかな?


『ヒヒヒィー、ヒヒィ、ヒヒヒィー?』


「そなのだ。それがどうにもな。私達もそれが不思議で、またここで匂いが消えてしまった」


 1番大きいシマウは、モルー達は心配だが、しかし。水で消えたのは分かる。だがここは水を一切撒いていない。それなのに、匂いが消えるとはどういうことだ? そう言ったんだよ。


 シマウ達は臭かったけど、サーイさん達みたいに我慢できない程じゃなかったから、明日お掃除に来る人に、特別な水を撒いてもらおうって思っていたんだって。だからまだ特別な水を巻いていないのに、どうして匂いが消えたんだろうって。


 そうだよね。何で特別な水を撒いていないのに。匂いが消えちゃったんだろう?


「におい、ぜんぜんないんだ」


「ここで途切れてしまっている。もう少し先まで探すつもりだが」


『ヒヒィー、ヒヒヒィー』


 シマウ達が一応、反対側の匂いをできる限り確認そてくれるって。すぐに何等かのシマウ達が反対側へ走って行ってくれました。


『ヒヒィ、ヒヒヒィー、ヒヒィー』


「ほんとう?」


『ヒヒィー、ヒヒヒィー、ヒヒィー』


「そか!! よかったぁ」


 あのね今1番大きなシマウは、まぁ、迷子は心配だが、ご飯の心配はないだろうって。だから本当? って聞いたの。

 そしたらねモルー達は、モルーのお父さんとお母さんが、ご飯のことを小さい時から、しっかり教えてくれて。食べて良いご飯と食べちゃダメなご飯ね。それで子モルー達はちゃんとそれを覚えて。


 だからもし子供だけで森や林で過ごしていても、ご飯は大丈夫なんだって。絶対に間違わないみたい。凄いねぇ、みんな。それに良かったぁ。ご飯を食べられるなら、元気でいてくれるかも。


 少しして向こうを調べてくれていたシマウ達が戻ってきました。


「においしたぁ?」


 みんなが首を振ります。しなかったって、残念。それから周りの魔獣さん達にもお兄ちゃんモルー達のことを聞いてくれたんだけど、他の魔獣さん達も見ていませんでした。


 もう! どうして匂いがしないの!!

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