27話 調査依頼
俺達は他の冒険者に囲まれて身動きが取れなくなる事態を避けるため、闘技場から坂口さんの幻覚魔法を使って冒険者組合に帰って来た。
膨大な魔力を持っている俺が、大鎌に魔力を纏わせるように坂口さんに魔力を提供したおかげで、坂口さんは魔力切れを起こすことなく、幻覚魔法を冒険者組合使うことができた。
慣れない魔力の使い方で、魔力酔いを起こしているのは見なかったことにしよう。
冒険者組合に戻って来た俺達は、受付で坂口さんの冒険者証明書の作成を頼み、坂口さんが試験を受けに行っている間、俺は依頼を見ていた。
一応、何か起きた時すぐに助けに行けれるよう魔力感知をフルで使用し見張っている。
掲示板には様々な依頼が張り出されており、推奨ランクも書かれていた。
~魔物の大移動調査~
推奨ランク:Aランク以上
場所:帝国北部の山脈付近
報酬:金貨五枚
~複数の薬草採取~
推奨ランク:Dランク以上
必須知識:薬草学
場所:帝都周辺の森林
報酬:回復薬五つ
~貴族の護衛~
推奨ランク:-Aランク以上
場所:帝都から旧貴族領土まで
報酬:金貨三枚
~オーク討伐~
推奨ランク:Bランク以上
場所:ラミスタラ王国との国境付近
報酬:魔導書一冊
俺が見た中で目ぼしい依頼はこのくらいだった。
シンプルにオークを討伐するのもいいと思し、地形を覚えるために薬草採取も良さそうだ。
だが、ここは一発大きな依頼をやってみたい。
そう思いながら、坂口さんの様子を見てみる。坂口さんは簡単な能力テストを終わらせたようで、試験監督の女性と何か話した後、こちらに戻ってきている。
本来ならあれが正しい試験なのだろう。
「あっ、神影君!見てみて~私Cランクの冒険者になったよ!」
うっきうっきで坂口さんは俺に自身の冒険者証明書を見せて来た。
坂口さんはアキと前世の名前で登録しており、職業は魔法使いになっていた。
まぁ能力は氷系だし、幻覚魔法とかも使えるから魔法使いが妥当か
坂口さんの冒険者証明書を確認した俺は、一枚の依頼の紙を手に取り受付に出した。
「俺とそこの子でこの魔物の大移動の調査依頼を受けてもいいか?」
魔物の大移動調査の依頼の紙を受付に出した。
「畏まりました。依頼を受注するために、そこの魔法石に冒険者証明書をかざしてください」
受付の人にそう言われ、俺と坂口さんは言われた通り魔法石に冒険者証明書をかざした。
「ラムト様、アキ様ですね。それでは御二人の依頼受注を承認します」
受付の人は紙に俺と坂口さんの名前を書き、紙に承認の印鑑を押した。
依頼の受注を確認し、俺らは冒険者組合から出た。
「これからどうするの?」
冒険者組合から出た時、坂口さんがそう聞いてきた。
「まずは武器や防具を揃えるのが先だな…そこから食料を調達して、北部まで行く方法を探さないと」
やることを指で数えながら上げていく。
こうしてみると、冒険者も楽じゃないな。
まぁ、俺らは国王から貰った大量の金貨があるから問題ないけどな!
「でも武器って…神影君には大鎌が…」
「坂口さんの武器や防具だよ…俺はともかく、坂口さんは王女なんだからいい武器や防具を装備しないとダメだろ?」
「…確かに」
相変わらず危機感のなさに溜息が出そうになる。
国王、坂口さんにもう少しこの世界の危機感を教えといて欲しかった。
坂口さんが今回の依頼で、もう少し危機感を覚えてくれるように願いながら、俺は評判が良さそうな鍛冶屋を探し始めた。




