またか…
事情を話したと共に自己紹介も終えた。 彼女は望月暁子さん。ここの眼鏡屋さんの店員さんで、南澤くんとは従姉らしい。しかも店長ぐるみで南澤くんとは仲が良いらしい。安く眼鏡を買わせてくれるように交渉してくれると言うわけだ。
…なんか話が上手すぎる気がするけど。生活する上で眼鏡が不可欠だからしかない。 望月さんにスペアを持ってないのかって聞かれたけど生憎さっきまで着けてた眼鏡しか持ってないのを苦笑しながら話した。
「まぁ持ってないじゃ仕方ないね」
「はぁ…」
「まぁこの際2つ…って言いたいけど、今回の眼鏡がよかったらスペアもよろしくね」
「…アキ姉」
「じゃサクサクッと視力と乱視、調べますか!!」
なんだろう…望月さんのこのテーション。なんか南澤くんと同じ気がしてきた。いや…親戚だから血筋には同じのが流れてるけども。大人の対応どこに行った。
項垂れながら、たぶん彼女に手を引かれて店内の奥に進んだ。
機械の前に座らせられて、望月さんが言ったとおり視力検査と乱視の確認。そこからレンズを数種を類試してまとめた結果。 今は借りの眼鏡をかけて、体調の変化を伺ってる模様。
やっと周りがいつも通り見える。望月さんの姿も。後ろで髪を結ってあって、顔のラインがすっきりしている。ほんのりお化粧も、まぁ接客業だし、黒縁眼鏡はよく似合っている。
ついつい見てしまったが、また机の上に目線を戻す。
望月さんから表を見せられる。
「度は決まったけど。ガラスとプラスチック、薄さとかどれにしようか?」
「プラスチックで、今度は割れないように。出来れば軽めで」
「了解。じゃこれかな…。渡瀬くんは店内のフレーム見ててくれる?レンズの在庫見てくるから」
「わかりました」
「で、楓は渡瀬くんに似合った眼鏡選びをお願い」
「言われなくても」
「はいはい」
なぜかにやにやしながら奥へ行ってしまった。わからない人だ。
言われたとおりに店内を回る。適当にぶらぶらと。綺麗に並べられた眼鏡の中から気になったを…駄目だ。フレームの値段でもうノックアウト。
「高っ」
「眼鏡だしね。アキ姉がなんとかやってくれるからまぁ気にせず」
「気になるわ!!」
「諒くん…店内は?」
「うっ…騒がない」
さっきまでの空気だったのにしかも望月さんのまねをするだと…癪だ。でも正しいから言いたいことは飲み込んで、眼鏡を見ることにする。
南澤くんから一つのフレームを渡される。濃い赤の縁でシャープな形。
「諒くんに似合うと思うよ」
「…なんで赤」
「まぁまぁ!!落ち着いた赤だし、試すのはタダだから」
妙に急かすな。怪訝しながら試しにかける。
「どう?」
「おっバッチシ」
言うなりスマフォで写メられた。
「ちょっ」
「だって諒くん見れないでしょ」
いっ言い返せない。眼鏡をかけ直して、写メを見る。
いきなりのだったから、間抜け面だけど、まぁ有りな方。一様キープで次のを見るかと、目線を移せば、また南澤くんが新たなフレームを持ってきていた。
「あの…南澤くん?」
「これもかけてよ」
「いや、うん、ありがたいけど。僕の意思は?」
「だって諒くん選ぶと前と同じ形の黒縁でしょ?だったらイメチェンしてみようよ」
あっうん、よくわかったねって言葉は胸にしまって項垂れた。
これまでの経験でやっと学習した事。南澤くんが押しが強い。結構流されてる。
これは諦めが肝心そうだ…。南澤くんが満足するまで眼鏡選びをするしかない。
いつ終わるかなぁ?
眼鏡を作ったことは有るんですが。私が中学生のときの記憶だから曖昧なんですよね…。
参考になりそうな資料を探したりして今回は書いてるんですけど付け焼き刃←
可笑しな所あってもスルーしてください。
あと望月さんがタメ語なのは南澤くんがいるせいです。