File50.5 丸坊主の中堅
俺は九鬼泰照。今からカチコミに行く男だ。
俺がドープ壊滅の為に車に乗り込もうとする。すると、後ろから聞き覚えのある男に声をかけられる。
「九鬼」
「あ、あなたは」
「よう」
その男は暗器の指輪をはめた男、立花貞行さんであった。その隣には丸坊主で右目に切られた痕がある30代くらいの男がいた。
「ど、どうも。九鬼さん。比嘉や伊波がお世話になってます!」
「立花さん。この男は」
「コイツは俺の舎弟。比嘉や伊波と同期で名は花城。花城新だ」
「花城…あぁ!聞いたことがある」
花城新。又の名を『MS の花城』。
モーニングスターとは、打撃武器の一種で頭部にスパイクが付いている凶悪な武器だ。
「今からカチコミに行くのだろう。ならば、我々も着いていかせてくれ」
「まさか、木島さん関連で?」
「あぁ。こちらも独自で調べてみたら、半グレのドープってヤツが関わってたらしくてな」
「そうですか。じゃあ、行きますか」
「あぁ」
「よ、よろしくお願いします!」
俺は立花さんと花城を車に入れ、ドープが根城にしている廃ビルに向かった。
そしてそこに着き、中に入る。
「どうもぉぉ!あんたらの死刑を担当させていただく藤松会のものでぇす!」
「なっ、なんだぁ!」
「カチコミだ!九鬼に立花、花城がいる!」
構成員がナイフを取り出し、俺たちに斬りかかる。
「取り敢えず死ねや!」
「お二人とも!俺が守ります!」
花城が前に出て、モーニングスターを振り上げる。
「死ねや三下ぁ!」
「ごぼっ!」
頭部が構成員の頭を粉々にする。
「じゃあ、殺戮スタートといきますか」
「あぁ」
俺達は計10人の構成員に飛びかかる。
「さて、死のうか」
「うるせぇボケェ!」
ある構成員が拳銃を構える。
「死ねやぁ!」
そして発砲。しかし、俺はそれを避ける。
「遅ぇよ。地獄で学び直してこい」
俺はドスで奴の横っ腹を切り裂く。
「ぎびい!」
立花さんはというと、あるチンピラと対峙していた。
「若造。お前は死なんといかんな」
「うるせぇおっさん!殺したらぁ!」
チンピラがメリケンサックをはめたパンチで殴る。
「はぁっ!」
「遅い。そんなもの、もう何回も受けている」
立花さんはそれを避け、リングから刃を出し、チンピラの喉に突き刺す。
「くけっ」
そのパンチは高速。一発でKOだ。
風の噂では、立花は元プロボクサーで、ある事で問題を起こし、ボクシング協会から弾き出された後、藤松会に拾われたのだとか。
それはそうと、俺達は何とか構成員を全員倒した。
「さて、ボスの野郎は…」
「何の騒ぎだ…なっ、テメェら…」
そこに駆けつけたのは、ドープのリーダー、安谷勇也。
「けっ、よくもやってくれたじゃねぇか。まぁいいわ。すいません、こいつら殺っちまってください!」
「くけけ。俺の刃が貴様らを切るぜぇ」
そこに現れたのは、40代ぐらいのツルッパゲの男。しかもそいつはダガーナイフを持っていた。
「誰だいアンタ?」
「俺は瀬上源。今からお前らは死ぬぅ!」
「へっ、瀬上さんは傭兵上がりの男だ!テメエらを赤子の手をひねるかのように殺すぜぇ!」
「さぁ!開始と行こうかぁ!」
瀬上がこちらに飛び込んでくる。
「まずは真ん中のガキからだ!」
最初に瀬上が狙ったのは、花城だった。
「死んどけぇ!」
「花城!危ない!」
瀬上の縦の攻撃。しかし、花城はモーニングスターの持ち手部分でそれを防いだ。
「ぐぅぅ!」
「させるかよ、オッサン」
花城が全力でモーニングスターを上げる。
「何ぃっ!」
その途端、瀬上に隙が生まれる。
「取り敢えず腹くたばれよ」
そして、花城のフルスイング。
「おらぁっ!」
「ぐぼふぇっ!」
瀬上がくの字に曲がり、壁に衝突。
「が、あがががが…」
その一撃で瀬上はほぼ死んだようなものだ。
「さて、安谷」
「ひっ、ひぃぃ!」
瀬上という後ろ楯を失った安谷は、怯えるしか他無かった。
「スマホ貸せ」
「えっ…はっ、はい!」
自分が死ぬと思ったのか、安谷はすぐにスマホを渡した。
「これで、嫌な映像を撮ってた訳だ」
「は、はい…」
「花城。強くぶっ壊せよ」
俺はスマホを花城に渡す。
「なっ、なにをっ!」
「せーのっ!」
花城がスマホを上げ、サーブのようにモーニングスターでスマホに衝撃を与えた。
その結果。スマホはぶっ壊れた。
「なっ、あぁ…」
「あとな、お前が流したであろう映像も俺の知り合いのハッカーで消して貰ったから」
「ぐぅ…くそぉぉ!」
安谷はやけになり、ナイフを持って突撃する。
「死ねやぁぁ!」
「遅い」
だが、立花さんが安谷の首を切り裂き、安谷は倒れた。
「かばっ」
「さて、我々は帰るとするよ」
「ありがとうございます。立花さん。花城」
「では」
だが、この時は知らなかった。この後、この二人に地獄が待っていたことを。




