File49.5猿渡編 屍を渡る猿
俺は猿渡理。今からカチコミをかける男だ。
ある夜。俺は一人である組織の事務所の前に来ていた。
それは、藤松会の三次団体、秋岡組の事務所。
俺はドスを構え、躊躇無くビルに入る。
「お邪魔しまぁす」
俺は事務所のある階に着き、ドアを開ける。
「誰ですか、こんな夜に…テ、テメェ、猿渡!」
「どうも~。こんばんわ~」
俺は組員どもに挨拶を交わす。これが和の心ってやつだ。
「ここに来た理由はなんだ!」
「それは、君たちに旅行に行ってもらいたくてね」
「旅行?舐めた事言ってんじゃねぇ!」
前の男がドスを構える。
「そんで、どこに行くんだ?」
「地獄だよ」
俺はそいつの腹でドスを刺した。
「ぎはっ」
「なっ!」
「後ろの方達も旅行に行ってらっしゃ~い」
俺は懐から拳銃を取り出し、発砲。
「ぐばっ!」
「げへっ!」
「いばっ!」
俺はその場にいた四人の構成員を片付けると、奥のドアからある一人の男が現れた。その男はロン毛と長い髭を生やしていた。
「何の騒ぎだ」
そいつは、秋岡組幹部、米崎孝作であった。
さらに奴の後ろからも五名くらいの構成員がやって来やがった。
「猿渡。今すぐここから立ち去れ」
「立ち去るぅ?俺の名には猿と言う漢字があるが、『去る』ということはしない」
「そうか。じゃあ死ぬがいい!」
米崎が後ろの構成員たちをけしかける。
「死ねやぁ!」
「往生せいやぁ!」
まず二人がドスを持ったこちらに突っ込む。
「オイオイ。二人とも構えがなってねぇ」
俺は片方の眉間に弾を貫かせた。
「かはっ!」
「なっ、森部ぇ!」
「もういっちょ」
「ぎびえっ!」
残された三名の構成員は震えながらも得物を取り出す。
「クソッタレェ!死にやがれぇ!」
刀を持った構成員が俺に斬りかかる。
「たくっ、何度目だよこれ」
俺はそれをドスで受け止め、左手の拳銃で腹に撃つ。
「かはっ!」
「さて、タイマン張るか」
俺は残りの構成員の頭に弾を貫かせた。
「きっ!」
「しぇっ!」
「ぐぅぅ…」
米崎はドスを取り出す。
「まぁいいさ。うちのオヤジはもう一昨日の時点で既に逃げている。殺させねぇよ」
「そうかい」
俺はスマホを取り出し、ある裏サイトの配信を流した。
その配信の名は、『秋岡組組長 秋岡滋の殺害ショー』。
「ぐぅぅ!むぅぅ!」
スマホからは猿轡を付けられた秋岡の叫びが聞こえる。
「なっ、何故オヤジが!」
米崎は驚いた。何故なら、自分の親分がパンツ一枚にされて椅子に縛られているからだ。
「昨日捕まえてうちの所有する廃工場にいさせているんだ」
「ちぃぃ!猿渡ぃぃ!」
米崎が感情のままにドスを振り上げる。
「おどれぇぇぇ!」
「感情丸出しだ」
俺は丸出しの胴体を横に切り裂く。
「ぎはっ!」
米崎はドスを落とし、腹を抑える。
「くそっ…たれ…」
米崎の魂の灯火が消え、その場に倒れた。
「さて、秋岡の野郎は大宮にやらせるとして…」
すると、電話がなった。
「なんだ?」
電話の相手は赤村の舎弟。俺はすぐに電話をに出る。
「もしもし?」
「猿渡さん!赤村の兄貴がぁぁ!」
「赤村がどうした?」
「か、下半身不随にぃ!」
「何ッ!」
俺はすぐさま義憐町の闇病院に向かった。
「赤村ぁ!」
俺は赤村のいる病室に入る。
「ん?あぁ、猿渡さんですか」
そこには、魂の抜けたような顔をしていた赤村がいた。
「赤村ぁ…」
「まぁ、死ななかっただけましです」
「誰が、誰がやりやがった!」
「九鬼達です」
「九鬼ぃぃぃ…」
赤村の話によると、松内の粛清の際に九鬼と戦ったらしいのだが、その九鬼に背中を切り裂かれたらしく、舎弟がここまで運び、医者に治療をさせたものの、下半身不随となったのだとか。
「くそがぁぁぁ……奴らは許さねぇ…」
俺は決めた。必ず奴は簡単に死なせない。




