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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第二部 藤武戦争
90/139

File48 土居孝光と『メガロドン』

 俺は九鬼泰照。休憩時間に昼ドラを見る情報屋だ。

 「犯人は貴方です。岡林一郎(おかばやしいちろう)さん」

 「くそっ、何故バレたんだ!」

 俺が今見ているドラマ、『神父探偵桐ヶ谷聖馬(きりがやせいま)』とは、主人公で神父の桐ヶ谷聖馬が、自身が経営する孤児院やその周りで起きる事件を解決するという話である。

 特にベテラン俳優土居孝光(どいたかみつ)演じる桐ヶ谷がとても魅力的で、俺を含めて沢山のファンがいるほど。

 このドラマはすでに放映終了しているものの、ファンの声に答え、来年には続編が放送されるらしい。

 なので、俺が今見ている奴は再放送のやつなのだ。

 しかし、ドラマを見ている途中でも依頼は来る。

 エンディングテーマが流れる途中、事務所のドアを叩く音がした。

 「すいません、今大丈夫でしょうか?」

 「今すぐ行きます」

 俺はすぐにテレビを消し、依頼者と合間見えた。

 「貴方は…」

 「ここはゲスな人間を暴露してくれると聞いたのですが…」

 頭に包帯が巻かれているものの、今回の依頼者は先ほど桐ヶ谷に悪事がバレた犯人、岡林一郎役の大柿敏生(おおかきとしお)であった。

 俺は大柿をソファに座らせ、いつものセリフを言った。

 「で、では依頼内容を」

 「はい。私の姉を殺したゲス俳優を暴露してください…」

 そう語る大柿は怒りを隠せなかった。




 大柿敏生には、姉がいた。姉の名は暢子(ようこ)。先輩である土居孝光の妻でもあった。

 土居は世間では愛妻家として知られており、いつも大柿に妻の自慢をしていた。

 しかし、大柿は真相を知っていた。

 実は土居は暢子に対してDV を行っており、それの相談を暢子は弟にしていたのだ。

 二人はいつか土居を訴えようと考えていた。

 しかし、相手はベテラン俳優。何をして来るのかも分からない。

 そんな中、ある事件が起きる。

 ある時、大柿が暢子に電話をかけた。

 しかし、姉は一向に出ない。

 姉のスマホのGPSを頼りに大柿は暢子を探した。

 GPSによると、スマホは川にあった。

 そして、大柿がその川に着く。だが、そこには何と死体が浮いていた。

 大柿は直ちに警察を呼んだ。

 その後、死体の正体が分かった。それは、大柿暢子であった。

 「くそっ…姉さぁぁぁん!」

 大柿は咽び泣いた。さらに司法解剖の結果、暢子の体からは痣が何個もあり、腹には何かで刺された痕があった。

 刑事の見解によると、暢子は何者かに腹を刺された後、死体遺棄の為に川に捨てられたようである。

 大柿の中で、犯人は分かっていた。ベテラン俳優、土居孝光と。

 その後、大柿は土居に電話をかけた。

 「土居さん…」

 「どうした?大柿?」

 「私の姉さんを殺したの……土居さんですよね」

 「何を言っているんだ君は。私が君の姉であり自分の妻を殺すわけ無いだろう」

 「ですか、貴方は」

 「もういい。これ以上探るな」

 そう言って、土居は電話を切った。

 大柿は土居が最後に言い放った言葉により、確信を得た。それにより、大柿は証拠探しを始めた。

 だが、大柿に悲劇が訪れる。

 ある時、大柿が飯谷(いいたに)という情報屋に会う時であった。

 大柿が飯谷との待ち合わせ場所に着くも、そこには飯谷が居らず、代わりにチンピラ二人がいた。

 「ケケケ、オッサン、探りすぎなんだよ」

 「な、なんだね君たち!」

 「俺達はチーム絵札の残党もとい、『チーム暴札(ワイルドカード)』の『メガロドン』だ!」

 すると、チンピラの片方が警棒を出し、大柿に襲いかかる。

 「取り敢えず死んどけ!」

 「がはっ!」

 警棒の力が大柿の頭に響く。

 「グヘヘヘヘ!」

 「ぐぅぅ…」

 「ちっ、しぶといなぁ。もうそろそろ死ねやぁ!」

 その時。

 「君たち!何をしてるんだ!」

 「ちっ、サツか。逃げるぞ!」

 チンピラはそこから去った。

 「大丈夫ですか!」

 「ぐっ…」

 「この人、頭から血が!早く救急車を呼ばんと!」

 たまたま路地裏近くに来た警官が救急車を呼び、大柿は一命を取り留めた。

 大柿は退院後、土居を調べたが、奴はまだ捕まってはいなかった。

 「くっ…警察め…それなら俺が頑張るしかない」

 そうして、大柿はある男とアポを取った。

 待ち合わせ場所はとあるカフェ。大柿が仕事を休み、男を待っていると、彼は来た。

 「大柿さん。何のようで?」

 ソイツは出版社の関電社の記者、金城光成であった。

 「あぁ。この間自分を襲ったメガロドンという奴らのことについて何が知っていることはあるか?」

 「メガロドンねぇ…確か、この間まで存在していた半グレ組織、チーム絵札の残党組織だったかな」

 「チーム絵札?」

 「チーム絵札ってのは、千葉で作られた半グレ組織で、リーダーは桐田怜介という男。だが、奴は数ヶ月前、九鬼という情報屋に殺され生き残ったのは東京組の早乙女と千葉に残った三次団体の奴らだ。そして桐田と死と同時に奴らは東京に進出してきた」

 「はぁ…」

 「そして、そのチーム暴札って奴らはチーム絵札時代に契約を結んでいた奴らとまた契約を結んでいる」

 「まさか、土居さんはその半グレの奴らと…」

 「あぁ。土居の方もクズだ。自分の妻を殴り蹴り、挙げ句の果てには腹をナイフで刺した」

 「やはり…土居が…!」

 大柿は怒りで震える。すると、金城がそれを制止する。

 「落ち着け。実はそんな奴らを社会的に殺す奴らを知っていてな」

 「何ッ!それは何だ!?」

 「暴露屋といってな_」

 そして、大柿はここに来たという。




 「どうかッッ!奴を落として下さいッ!あいつらは!この世に居てはいけない獣なんだぁぁッ!」

 大柿は怒りを見せ、涙を流していた。

 「分かりました。では、あのクズ共を暴露しましょう」

 そして、俺は土居を調べ上げた。

 土居孝光。56歳。ベテラン俳優であり、この間妻である大柿暢子を殺した。

 最初はこの男を暴露するのを躊躇った。しかし、奴は人を殺している。この世には、居てはいけない奴がいると思い、マスコミ各所にこの情報を流出させた。

 『ベテラン俳優が自分の妻を殺し、しかも半グレと関わりがあった』

 この情報に記者が食い付かないわけがなく、テレビはそれをすぐに報道した。

 それにより、土居はバッシングを受け、自称ファンは土居をもぐら叩きのように叩いた。

 最終的には土居は殺人罪の容疑で逮捕される事となった。

 そして、残るはメガロドンの奴ら。俺がこの手で滅菌してやろうではないか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] チーム絵札の残党とか、色々と気になる要素が出てきましたが、それよりなにより、九鬼さんが昼ドラを楽しみに見ている姿を想像して笑ってしまいました( *´艸`) とにかく強くてカッコいいハードボ…
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