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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第二部 藤武戦争
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69/139

File36 島貫組

 俺は九鬼泰照。暴露をやっていく情報屋だ。

 今回の依頼者は青年で、諸原俊也(もろはらしゅんや)と名乗った。

 「個人の恨みで店長を殺した、ヤクザ組織を暴露してください!」

 諸原の目には、業火のような怒りが籠もっていた。




 苑頭町南部の定食屋『オオバ』。その店長、大庭秋平(おおばしゅうへい)は元ヤクザであった。

 武蔵野会三次団体、島貫(しまぬき)組の元幹部で、若き頃は『狩人の大庭』とも呼ばれていた。

 しかし、近頃厳しくなっていく暴対法により、大庭は島貫組を辞める事になった。

 組長である島貫辰洋(しまぬきたつひろ)は、大庭が抜ける事を不安視した。何故なら、島貫組は、大庭のネームバリューで生き残っていたようなものであった。

 しかし、大庭は島貫の反対を受けても、組を抜けたのだ。それはもう、5年前の事であり、当時52歳の事であった。

 そして、大庭は武蔵野会と仲良くしていた藤松会のシマである苑頭町で営業を始めた。

 幼少期の大庭の夢はシェフで、大庭の料理の腕前は一流のシェフ顔負けであった。

 それを利用し、定食屋を始めたのだ。

 定食屋は大盛況。色んなアルバイトに支えられ、ヤクザのその後にしては、平和で幸せであった。

 諸原と大庭が会ったのは、四年前の事であった。

 諸原も幼少期の夢はシェフであり、自分の店を出す前に大庭の店で修行していたのだ。

 大庭は諸原の事を褒め、諸原は成長していった。

 そして四年後、諸原は自分の店を出した。

 その祝いに大庭はその店に行こうとした。しかし、その時に悲劇が起きる。

 店に行く途中、大庭は信号待ちで立ち止まっていた。

 その時であった。

 「くっ…」

 急に背中に痛みが走ったのだ。

 (何だ…)

 後ろ悲鳴が聞こえる。

 「キャァァァ!」

 「あ、あの人の背中にナイフが刺さってるぞぉぉぉ!」

 「ナイフ?」

 大庭が問いかけた瞬間、道に倒れた。

 (あぁ………諸原の店を開いたの……祝えねぇな…)

 そんな事を考えながら、大庭の意識は無くなった。

 そして、大庭は死んだ。

 諸原が大庭の死を知ったのは、それから数時間後の事であった。

 警察から連絡が入り、病院で布がかけられた大庭を見た際、諸原は咽び泣いた。

 それから、『元ヤクザ殺人事件』の捜査は始まった。

 しかし、その捜査は打ち切りとなった。

 それに諸原は激怒した。

 自分の師を殺された挙げ句、その捜査は打ち切り。

 諸原は色んな伝手を使い、独自で大庭殺しの犯人を探し出した。

 そして、見つかったのだ、犯人が。

 犯人は島貫組の組員であった。指示役は組長の島貫であったのだ。

 大庭が抜けた後、組は弱くなり、武蔵野会でのカーストが低くなっていったのだ。

 島貫はこうなったのが大庭が抜けたからと考えていた。

 早い話、個人的な恨みで殺しを指示したのだ。

 そして、諸原は暴露屋の事も知り、ここに訪れたのだ。




 「どうかお願いします!奴らを…奴らを徹底的に落として下さい!」

 「分かりました。では、奴らを落としましょう」

 俺は島貫組の事について調べ上げた。

 組長は島貫辰洋。奴はとても下衆な人間であった。

 金を使い警察に打ち切りをさせ、自分の手を汚さずに大庭を殺させた。

 俺はこの事を世間に暴露。

 しかし、それで警察は動かなかった。だが、大庭を殺したのは苑頭町。これは実質、シマ荒らしである。

 俺は比嘉、伊波を連れ島貫組の事務所がある富栄町北西部に向かった。

 俺は事務所にカチコンだ。

 「うらぁ!苑頭町で殺しすんなぁぁぁ!」

 「うわぁ!なんだ!」

 「九鬼に比嘉に伊波だ!早く組員集めろ!」

 どうやら奴らはそれなりの数を集めたようだが、そんなもの、俺たちには通じない。

 「さぁ、スタートはお前の腹を抉ったらぁ!」

 「ごべっ!」

 俺はドスで一番前の奴の腹を抉った。

 「うっしゃぁぁ!これで野球の世界大会でたらぁ!場外ホームラン!」

 「ぐべっ!」

 「雨で死になぁ!」

 「すでっ!」

 3人で大体15人位殺ると、一人強そうな奴が現れた。

 「なんだぁ?なんの騒ぎだぁ?」

 ソイツはオレンジ色のスーツを着て、マチェットを持っていた。

 「誰だ?お笑い芸人か?」

 「俺は岩切准二(いわきりじゅんじ)。又の名を『マチェット岩切』」

 「ほほう。そのマチェットで俺を切るのか?」

 「そうだよ」

 岩切はマチェットをこちらに見せびらかす。

 「このマチェットは岩も切れる。だから、九鬼泰照を切って成り上がったらぁ!」

 岩切がこちらに突撃する。しかし、その突撃は隙ありありであった。

 「フン」

 「こぷふえっ!」

 俺は後ろ回しかかと蹴りを奴の背骨に決め、倒れさせた。

 「くっ…くそっ!これで切って……無い?」

 奴はさぞ驚いただろう。何故なら奴の手には自分の得物が無いからだ。しかも、それを相手が持っているからな。

 「ほほう…確かに岩も切れそうだなぁ」

 「なっ…テメェ!返しやがれ!」

 岩切が自分の手に戻そうとこちらに向けて右手を伸ばす。しかし、俺はそれを返すほどの聖人ではない。

 「ホレ」

 「ぐぎゃぁぁぁ!」

 そのマチェットは元持ち主の手を切った。

 「おぉ。すげぇや」

 「この野郎ぉぉ!」

 岩切が残った手でドスを取り出し突撃。

 「来世は良い人になれよ」

 「くっ」

 俺はマチェットで奴の首を飛ばした。

 俺が岩切を殺る頃には、構成員は皆死んでいた。

 そして、俺は組長室に入る。

 「よう!組長さん!」

 「ヒィィ!」

 どうやら島貫は逃げる気満々であった。

 「アンタ。自分を支えてきた組員が抜けたからって、そいつを殺すやつがいるか」

 「なっ…殺したのは岩切だ!何が悪い!」

 「ほほう。自分は悪くないと」

 「そうだ!」

 「そうか。じゃあ、これは?」

 俺は岩切のマチェットで島貫の左腕を切った。

 「グワァァァ!」

 「アンタの腕を切ったのは岩切のマチェットだ。俺は悪くない」

 「痛ぇぇ!痛ぇよぉぉ!」

 痛みに耐えきれなかったのか、奴は近くにあった拳銃で自害した。

 「全く。下衆な野郎だ」

 「九鬼さんは先に」

 「おう」

 俺は島貫組の事務所を後にした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 伊波さんと比嘉さんが出てきて、九鬼さんと三人で乗り込んでいくとか……あぁ、暴露屋ーーー!って感じがします(*'ω'*)
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