File34 藤絵戦争に終焉を 前編
俺は九鬼泰照。暴露屋人生史上大変な事になっている男だ。
それの始まりは、とある事であった。
それは、記者の金城からのタレコミであった。
「桐田が苑頭町への準備を進めている」
俺はその事を会長に伝えた。
「そうか。藤絵戦争を終わらせるためにはリーダーの桐田を殺るしか方法がない。この事は部下に伝えておく」
これによって、もうすぐ藤絵戦争が終わる。
しかし、桐田はとても頭が切れる男であった。
ある時、比嘉から電話が掛かってきた。
「どうした?」
「く、九鬼さん、最近何故か初瀬の兄貴を見かけなくて…何か知っていることがあれば、教えてください」
「そうか。まだそれについての情報は聞いていないな。分かり次第教える」
初瀬俊平。比嘉や伊波より3つ上の中堅組員。初瀬さんは、自分が成り上がる為には何にでもする、今は亡き木田さんの直属の部下だ。
俺は初瀬さんに電話をかける。
しかし、いくら待っても電話には出ない。俺はもしもの事を考え、初瀬さんの位置情報を調べた。どうやら、初瀬さんのスマホは苑頭町の東部にあった。
俺は急いで東部に向かう。
「確かココに…」
スマホの位置情報が示したのは業務用のゴミ箱からであった。
「まさか…」
俺はゴミ箱を開けた。そこにはオールバックの男、初瀬さんの死体があった。
「なっ…」
俺はすぐに比嘉、伊波を呼んだ。
二人は、初瀬さんの死体を見て、涙を流した。
「くそっ……何故だ…誰がこんなことを…」
「確か、ここの近くには防犯カメラがあったはずだ。それを調べてみる」
俺は知り合いのハッカー、大迫の手を借り、初瀬さん殺しの犯人を突き詰めた。
犯人は、チーム絵札のリーダー、桐田直属の構成員であった。
俺はソイツらがいる事務所に比嘉、伊波と共にカチコミをかけた。
「うらぁ!」
「テメェらか!初瀬の兄貴を殺ったのは!」
「な!コイツら藤松会の奴らか!」
「くそぉ!殺れぇ!」
半グレとはいえ桐田直属の部下。すぐに武器を構える。
「このぉ!」
一人が発砲。俺はそれを避け、ドスを持って懐に入る。
「うりゃぁぁ!」
「ぐはぁ!」
腹を抉り、一人を倒す。
「おらぁ!」
「くほっ!」
「うっしゃぁ!」
「ぶへっ!」
比嘉、伊波は他の奴らを倒し、半グレの構成員は残り一人となった。
「おい」
「ひっ…」
俺はソイツの服の襟を掴み、脅す。
「殺しはしねぇ。桐田の居場所を吐け」
「ひぃぃ…それは言えません!」
「じゃあ連絡先は?」
「し、知りません!俺は桐田さんの連絡先は聞かされてないので!」
「そうか。じゃあこっちで地道に調べるよ」
「カフッ」
俺は奴の首の骨を折った。
「後は任せる」
「はい。お疲れ様です」
俺はその場を後にした。
しかし、俺たちの知らない所で、悲劇は続いていた。
同時刻、とあるラーメン屋。
そこでは、緒方組の中堅組員、濱野剛がラーメンを食べていた。
その時、店の扉が開いた。
店に入ったのは、サングラスを付け、バッグを持ち、パーカーを着た男であった。
「少しだけトイレを借ります」
男が濱野の横を横切ろうとした時。
「くふっ」
濱野が背中に痛みを感じ、テーブルに倒れた。
男はそのままトイレに入る。
濱野の背中には、小型ナイフが刺さっていた。
濱野剛、死亡。
それから数分後。苑頭町の公衆トイレにて、大久保組の舎弟頭、崎谷昌人がトイレの個室に入っていた。
その時、先程の服装と同じ男が公衆トイレに入る。その男はバッグから手榴弾を適当な個室に入れ、すぐに逃げだした。
その個室には、崎谷がいた。
「なっ」
手榴弾に驚くのも後の祭り。手榴弾は爆発した。
崎谷昌人、死亡。さらに、他の個室にいたカタギも爆発に巻き込まれ、死亡した。
この事は藤松会を騒がせ、濱野と崎谷の犯人探しは俺に任せられた。
俺は組の為にも、犯人を何日もかけて探した。
そして、犯人は見つかった。
犯人は、桐田であった。
それと同時に、桐田の居場所も見つかった。桐田は苑頭町東南部の廃れたキャバレーの地下でヤサを作っていた。
そして、藤松会は桐田に報復作戦を立てていた。
報復作戦を考えたのは緒方組幹部の小山内彰郎であった。
小山内さんは直属の部下、計20名を集めて喝を入れた。
「お前ら!藤絵戦争を終わらせるためには桐田を殺らなければならねぇ!だから、俺達の力を合わせて、桐田をぶっ殺すぞぉぉ!」
「ウオオオ!」
彼らは、組に自分たちの力を表す為に報復作戦を考えたのだ。
しかし、会長はこのことを不安視しており、俺にこう言った。
「九鬼、もし奴らが死んでしまった場合、お前に桐田を任せる。いいな」
「はい。俺は何があっても奴を殺ります」
俺は会長に命を救われた身。必ずチーム絵札の崩壊という恩返しをしなければならないのだ。




