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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第一部 藤絵戦争
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File30.5 獅子身中の虫 後編

 それから数分後、俺は関坂通りについた。すると、俺を待っていたかのように、また電話がかかってきた。

 「なんだ!?」

 「よう、九鬼。俺はチーム絵札の大安だ。今俺は関坂通りにいるんだが…後ろに気を付けろよ」

 その時だった。

 「往生せいやぁ!九鬼ぃ!」

 後ろから何者かが襲いかかってきた。

 「うおっ!」

 何とか攻撃を避けると、そこには、約5人ほどの男たち、おそらくチーム絵札の構成員どもがいた。

 「よう…九鬼、俺は『奇襲の七沢(ななさわ)』。テメェはここで死ぬんだぁ!」

 すると、後ろの構成員が襲いかかる。

 「うらぁ!死ねぇ!」

 黒ジャージを着た男四人がナイフやら拳銃やらで俺を殺そうとする。

 「全く…俺も舐められたものだ」

 俺は懐のドスを取り出し、一番前の奴の腹を刺した。

 「ぐべぇ!」

 「遅ぇよ」

 俺は隠し持っていた拳銃で残りの三人を撃ち殺した。

 「だぁ!」

 「ぐひっ!」

 「おべっ!」

 「くっ…クソぉ!九鬼ぃ!死にやがれぇ!」

 七沢が右手のピストルを発砲する。しかし、俺はナイフで刺した奴を盾にし、ソイツを七沢に送り返した。

 「ほら、返品だよ」

 「どっ!?」

 「これが本当の奇襲だ。学習しとけ」

 俺は七沢の懐に入り込み、奴をドスの逆袈裟斬りで殺した。

 「たくっ…とんでもない遅刻をしそうだぜ」

 俺は大安のいそうな所に行こうとした。その時。

 「ぎゃぁぁぁぁ!」

 向こうから叫び声が聞こえた。

 「なんだ!?」

 俺は叫び声が聞こえた方向に向かった。

 そこに着くと、そこには、藤松会の代紋を付けた中年組員がいた。

 「な、大丈夫ですか!?」

 「くそ…まさか大安もいやがるとは…くはっ…」

 その男はそれだけ言うと、息を絶えた。

 「まさか…」

 俺は顔を上げると、そこに一つのビルがあった。しかも、そこの最上階の窓が割れていた。まさか、この構成員はそこから落ちたのだろうか。

 このビルは片平組が事務所にしているはずだ。そこに大安もいるのだろうか。

 俺はそのビルに入った。

 そして、最上階。ドアを蹴り破ると、そこには、安藤と大安、そして、おそらく落ちてきた男と一緒にカチこんだであろう者の死体がいた。

 「九鬼ぃ。お前が来るのを待ってたぜぇ。まぁ、来る前に二人ぐらい殺したがな」

 大安がそう語り、こちらに刀を向けた。

 「今このビルにはこの二人しかいない。それがわかるか?」

 すると、片平が話し始めた。

 「まさか、小橋川率いる反逆軍が片平組の九割だとは思わなかった。とはいえ、リーダーの小橋川は………どうなったかな?」

 片平が指を鳴らすと、奥から2名の構成員が走ってきた。

 「なっ!」

 「殺れぇ!平井!中本!」

 まず、オールバックの方がドスを構え、突き上げる。しかし、俺は体を背けて避けた。

 「嘘だろ…」

 そして、ソイツが驚いているうちに、即死の貫手を喉に与えた。

 「かひゅっ!」

 「ちっ!死ねやぁ!」

 今度は丸刈りの方が発砲する。しかし、俺は最低限の移動で回避し、ソイツの懐に入る。

 「なっ!」

 「遅い。来世では元気にな」

 俺は懐から取り出したドスで奴の腹を抉った。

 「ぐへぇ!」

 「さて、大安。どうする?」

 「フン。これでお前の実力が分かった。じゃあ、この刀の錆にしてもらおうか!」

 そう言って、大安は袈裟斬りをかました。しかし、俺はドスで防御をする。

 「さて、いつまで保つかな?」

 「確かに…………なぁ!」

 俺はドスを上げ、隙ができた腹に発剄を決めた。

 「はぁぁぁぁ!」

 「ぐけっ!」

 大安が奥まで飛んだ。そして、壁にぶつかった。

 「クククク、やはり武闘派情報屋という異名は伊達ではないな…しかし、まだ死なん!ホォイ!」

 何と大安は自分の武器である刀を投げた。それは、プロの槍投げ選手のようなパワーを秘めていた。

 「くぅぅぅぅ!」

 左肩に刀が貫く。そして大安は懐から長さの異なる刀を二本取り出した。片方は先程まで持っていた刀と同じくらいの長さで、もう一つはドスの刃がちょっと伸びたかのような刀であった。

 「見よ…これがかの有名な宮本武蔵が使っていた流派…二天一流…これが俺の最終手段よ」

 「二天一流だと…まさか、ただの半グレがこんな技を使えるなんてな」

 俺はつばを飲んだ。そして、大安が突っ込んだ。

 「くらぇい!九鬼ぃ!ここでお前は終了だぁ!」

 俺は肩に刺さった刀を抜き、奴の刀が振られる瞬間にそれでガードをした。

 「くおっ!」

 「バカめ、小刀の方を忘れたか!?」

 大安が小刀で俺の腹を刺した。

 「ぐはぁぁぁ!」

 「さぁ、見よ!これが九鬼泰照の最期だぁ!」

 大安がもう一回刀を振り上げる。しかし、大安は油断した。

 「しゃぁぁぁぁ!」

 俺は残された力で大安の左手を切る。

 「何ィィ!?」

 「ケッ、俺はまだ、全力じゃないぜ」

 俺はスーツを脱ぎ捨てた。

 「来いよ、その素手で」

 「舐めるなァァァ!この大安琢馬をぉぉ!」

 大安はまだ兵器を残していた。奴は懐からクナイを投げた。

 「オラァ!」

 「卑劣な奴だ」

 俺は最低限の回避しかせず、腹の小刀を抜いて大安に突っ込む。

 「さて、トドメといこうか」

 俺は小刀で大安に向けて袈裟斬りを決めた。

 「ぐはぁぁぁ!」

 大安は倒れた。血を流しながら。

 「さて、安藤秀人」

 「ひっ、ヒィィ!」

 完全に勝つ気満々で油断していた安藤が尻もちをして逃げようとする。

 「た、助けてくれ!大安!まだ生きているんだろう!?」

 「もう奴は死んだ。現実を見ろ」

 「そ、そうだ!俺は武蔵野会から金を沢山もらっている!それを渡すから、見逃してくれ!」

 「いいや、アンタは藤松会で裏切り者として処理されている。今死ぬか、藤松会の雇ったヒットマンによって殺されるしか未来がない」

 「やっ!止めろ!止めてくれぇぇぇ!」

 俺は安藤の首を小刀で切った。

 「はぁ…はぁ…」

 俺は比嘉に電話をかけた。

 「今すぐに、功楼町、関坂通りのノムラビルにまで来てくれ。このままでは死にそうだ…」

 「わ、わかりました!今すぐに!」

 そう言って、俺は意識が途切れた。




 「さん…さん…九鬼さん…九鬼さん」

 「はっ…」

 「良かった。なんとか目覚めたようですね」

 「ありがとうございます。伊佐(いさ)さん」

 目の前にいるのは、比嘉と伊波。そして、『最強の医師』と呼ばれている闇医者、伊佐暢央(いさのぶお)だった。

 「しばらくは安静にしたほうがいい。血が沢山出ていて、内臓もズタボロだ。よくて数ヶ月…と言いたいところだが、俺に任せろ。数日で退院できるように完治させる」

 「本当にありがとうございます…よかった…九鬼さんが生きてくれて…」

 「あぁ…」

 その時、病室に一人の男が入ってきた。

 その男は黒スーツに藤松会の代紋を付けた角刈りの男だった。

 「あなた…小橋川さん!」

 「すまないな。九鬼。平井たちに小指を切られただけで、なんとか助かった。これからの片平組は、俺がまとめていく」

 「そうですか。わかりました」

 俺は、クライマックスになっていく藤絵戦争を体感していく。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 激しいバトルあり、裏切りあり、駆け引きあり、ストーリーがクライマックスに進んでいるのを感じます(*'ω'*) ヤクザ組織だけでなく、関電の金城さんや、闇医者の伊佐さんなど、ヤクザ外の世界の…
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