File27.5 幹部会
佐伯の葬式から、二日後の事であった。
会長である桂田は、直系組織の組長、計三人を集めた。
会議室には、会長兼高瀬組組長を務めている桂田。直系緒方組の組長、緒方康作、直系大久保組の組長、大久保晋二郎、直系片平組の組長、片平亨太がいた。
「では、幹部会を始める」
桂田は、藤絵戦争の事について語り始めた。
「現在、半グレ組織、チーム絵札と戦争を始め、数ヶ月が経った。チーム絵札の方は被害が多数だが、藤松会の方も、痛い思いをしている。まず、高瀬組の舎弟頭、戸崎。同じく、高瀬組の幹部、佐伯と木田、そして若衆が約4名がチーム絵札によって死んだ。さらに、武蔵野会の裏切りによって、若頭補佐の島崎が死んだ。このまま、攻めていくか、それとも、他の組織に協力を仰ぐか…どうするか決めていく」
すると、緒方が声を荒らげた。
「そりゃあ、会長、このまま攻めていきましょうよ!チーム絵札の奴を、全員跡形もなく消してしまいましょう!」
その次に、大久保が言った。
「いえ、他の組織に協力を仰いだほうがいいです。何故ならば、もしチーム絵札を無くしても、そのバックには武蔵野会が付いています。一応、まだ戦力が残っているとはいえ…」
その時、片平が発言した。
「ウチの安藤が、武蔵野会に潜入しております。そこの板倉と赤村に注意すべきかと」
「うぅむ……」
桂田は悩みに悩んだ。そして、結果が出た。
「取り敢えず、周辺組織に声を掛けておく。では、一旦幹部会を終了する」
桂田が立ち上がり、幹部衆も、会議室を出た。一人を除いて。
「どうだ、安藤。武蔵野会と、今はどうしている?」
「えぇ。なんとか、協力関係になろうとはしております。今度、義憐町で落ち合おうと、若頭の野添さんが」
「おぉ、分かった。では」
片平は電話を切った。
「全く…何が仁義だ。そんなもの、あっても意味が無いだろう。俺は、強い方に付く。それが、俺のルールだ」
片平は、誰もいない会議室で静かに笑った。




