File17 原元聖次
俺は九鬼泰照。暴露をモットーに動く男だ。
今回の依頼者は中年の男で、名を沖原啓太と言った。
「依頼内容を」
「俺をかつて撃った男を指示した奴を落としてほしい」
そう語る沖原は憎しみの表情をしていた。
沖原は巷では有名な資産家だった。
会社を幾つも持ち、時にはワイドショーに出るほど、優秀な人間であった。
しかし、そんな有名人を憎む人間が一人いた。
それは、同じく資産家の原元聖次だった。
原元は40代でありながら会社の会長で、彼の会社の傘下は腐るほどいた。
そんな原元は自分がナンバーワンであるためには、どんなことをしても構わないという思想を持っていた。
そして、原元は沖原を落とすべく、行動した。
まず、偽のレビューで、沖原の会社の評価を下げ、沖原の会社の一部を自分の傘下に入れ、沖原の規模を小さくした。
そして、原元は最後の行動に出る。
それは、沖原を殺し屋を使って殺害させようというもの。
沖原は帰宅途中、何者かに撃たれ、一時期意識不明となり、沖原の会社は、全て原元の会社と統合する事になった。
沖原が意識を回復する時には、会社は無く、残ったのは虚無と何億もの金だけであった。
沖原が唯一知れたのは、自分を襲ったのは、殺し屋で、その殺し屋に指示したのが、原元という事だけだった。しかし、原元は沖原が警察に言っても、何も対応させないように、裏で警察に金を払ったのだ。
この事に絶望した沖原は、ここに来たのだとか。
「お願いします…原元は自分の手を使わずに俺を殺そうとしたのです!どうか…原元を落としてください」
「わかりました。では、原元を徹底的に落としましょう」
俺は、原元の事を調べ上げた。
原元聖次。45歳。『原元グループ』の会長で、資産家。過去に殺し屋に依頼をかけ、沖原を殺害させようとした。さらに、チーム絵札に資金提供をしていて、その殺し屋もチーム絵札の親玉、桐田がリーダーの組織『ラストジョーカー』の幹部、星寛典が担当している部隊から出したそうだ。
俺はまず、原元の情報をマスコミにリーク。それによって、原元は地に落ち、沖原は元の席に戻った。
そして、星の部隊の事務所は、前までは隣町に構えていたが、今では苑頭町の南部に侵入しているのだとか。
俺は会長に許可を取り、比嘉と伊波を連れて星の事務所にカチコミをかけた。
いつも通り比嘉がバットでドアを破ると、構成員は驚いた顔をしていた。
「やぁやぁやぁ!俺たちは桃太郎ならぬ藤松太郎だ!」
「藤松太郎?何だそりゃ?」
構成員の一人が伊波の言った事をバカにした途端、頭を撃ち抜かれた。
「お前さ、人の言ったことバカにすんじゃないよ」
こうして、比嘉と伊波による構成員の殺戮が始まった。
本来、殺しに特化しているだろうラストジョーカーは呆気なく二人によって全員倒された。
そして、星がいるであろう部屋に突入すると、そこには、黒のモヒカンスタイルの男、星と、ホワイトメッシュを入れたオールバックの男がいた。
「なっ、オメェ、情報屋の……」
「へぇ、コイツが九鬼泰照ですかい?」
「誰だ?アンタ」
「俺はラストジョーカーの殺し担当、柏聡士。またの名を、リボルバー使いの柏だ」
柏が懐から出したのは、黄金に輝く、リボルバーだった。
「アンタ、過去に沖原って奴を襲っただろ」
「あぁ、殺しそびれた奴ね」
どうやら、沖原を襲ったのは、星ではなく柏であった。
「まぁいい。取り敢えず、ここから今すぐ撤退しろ。そうしなければ死ななくて済む」
「そうか……じゃあ、お前がくたばれ!」
すると、不意打ち気味にリボルバーを一発撃った。
しかし、こんな弾はすぐに避けられる。俺は最低限の移動で弾を避けた。
「きっ…ならば!三発!」
どうやら、バトルスタイルは早乙女に似ているが、銃の腕が少し鈍っているようだ。俺は弾の下に体を折り曲げ、全て避けきると、体を上げ、ポケットから俺もピストルを取り出すと、柏に言い放った。
「これが銃の使い方だ」
正確に銃口を柏の眉間に向け、一発を撃った。
「な…あ…」
柏はそのまま倒れた。横にいる星が怯える。
「ヒッ…ヒイィィィ!」
「お前達がここに来た時点で、負けは確定しているんだ」
そして、部屋からは発砲される音が鳴り響いた。




