File8.5 無限絵札、結成
とある路地裏、毒死する予定であった大神田は、背伸びをしていた。
「くぁ〜にしても、騙せるんだなぁ。本当の毒を飲んだ訳でもないのに。まぁ、俺はグレイトキングのリーダーになるまで、死ねないなぁ」
そして、大神田はチーム絵札の事務所に戻った。
事務所に戻ると、すぐに自身のリーダーである山王が駆けつけた。
「どうだったか?大神田よ。情報屋、九鬼は死んだか?」
「いや、それが………アイツは強かった。念の為に防刃チョッキを着ていて良かったですが、アイツは殺れません」
「じゃあ、どうすればいい?」
「それは…貴方が死ぬことです」
「えっ」
大神田が手を叩くと、一人の男が山王の首を絞めた。
「くっ……なにを……」
「俺はいずれ、グレイトキングのリーダーになりたかった。そして今!その夢を叶える」
山王はその言葉を聞くと、首の骨を折られ、死んだ。
「これでよ…」
「おいおい。四天王一人殺して、ただで済むと思うなよ」
大神田の後頭部に当たったのは、ブラッドクイーンのリーダー、早乙女の構えた拳銃だった。
「早乙女さん…アンタ、見てたのかい?」
「あぁ。死にたくなければ、俺の言うことを聞け」
「どうぞ」
「俺もアンタと同じように山王の事が嫌いだった。アンタが山王を殺したことによって、俺は漁夫の利を得ようとした。しかし、俺はそれが面倒くさくなった。だから、グレイトキング最後の砦のアンタと、ブラッドクイーンのリーダーである俺と、残り数人しかいないジャックスの残党を組み合わせて、新たなるチームを結成しましょう」
「ほう。チーム名は?」
「トランプゲームの大富豪のルールの中に、『8切り』というものがある。そして、8を横にすると、∞。3つのチームを合わせて、『無限絵札』を結成よ」
「ほほう。分かった。では、手を組もう」
「話が早いなぁ。助かる」
「じゃあ、俺は桐田さんに山王が死んだことを伝える」
「では、無限絵札の栄光を」
そして、大神田はその場を去った。
「………全く。アイツも分かってない。アイツは、俺の操り人形になるなんて。思いもしないだろうなぁ」
早乙女はいやらしい笑顔を顔に浮かべた。