時にはやる気もでるんだよ
タロマティは仲のいい人からはタローと呼ばれているので、今後からタローにします。
ギルドに入るとそこにはたくさんの冒険者がいた
昼から酒を飲みみんなで騒ぐ者。
クエストのため遠出するであろう冒険者は出発前にこの街での最後の食事をする者。
クエストで失敗したのか静かに飲む者。
それぞれがいろいろな感情をぶちまけるメインホールは昼夜問わず、叫び声や笑い声が響き渡っていた。
タロー(相変わらず騒がしいなぁ、ハル5人分くらい騒がしいな)
メインホールの左側にあるクエスト受付には、クエストガール達がいた。
クエストガールとはいわば受け付け係のことである
クエストガールにタローは話しかける
タロー(ある程度の報酬をもらえて、ある程度の楽さがあり、この街からあまり離れない採集クエストありますか?)
タロー程の力があれば最高難易度のクエストを受けようと国と国との戦いに冒険者が傭兵として呼ばれる大きなクエストだろうとタロー1人である程度の事態は1日2日ほどで事は終わる。
だが、このダメ野郎は駆け出し冒険者でもそうそう自らやろうとしない採集クエストなどに行こうとしていた。
受付(ある程度稼げる採集クエストですか。申し訳ございません。その様な都合のいいクエストは存在すらしませんよ ニコッ)
満面の笑みで結構な事を言われたタローはそうですかといいその場を離れメインホールで椅子に座りどうするかと考えている時
ガシャン!とタローが酒を飲む机に投げ飛ばされた者がいた。
それは、冒険者であった、15〜17歳と言ったところだろうか、お世辞にも強そうとはいえない冒険者は目に涙を浮かべながら言った。
冒険者(ぉ、お願いします!僕をナルタ村まででいーんです!連れて行ってください!)
荒くれ冒険者(バカ言ってんじゃねーよ!こっちだっていっぱいいっぱいなんだ!そこにはお前のような貧弱な野郎を連れて行く奴なんて相当なアホってもんだ!)
勇気を振り絞って言った言葉に怒鳴り声で返す荒くれ冒険者
ドカッ!と崩れた机を蹴り立ち上がる者がそこにいた
なんて勇気ある者だろうか、絵に描いたような荒くれ感満載の冒険者に挑発するように机を蹴り上げたのだ。
それは、タロマティであった。
三年ぶりのそのやる気と勇気に満ちた顔で言った
タロー(お前コラァ!!!どーしてくれんだよ!?
メインホールでなんてあんまり飲まない俺が久々に!!!真剣に!!!酒を飲みながら今日の行動方針を考えていた時にだ!この絵に描いたような荒くれ野郎!お前のせいでおれの酒が溢れたじゃねーか!新しく買い直せよ!じゃなきゃゆるさねぇよ!?)
メインホールにいた冒険者の顔はみんな、そこかよお前、という表情をしていた
荒くれ冒険者は顔を真っ赤にしながらタローの胸ぐらを掴み言った
荒くれ冒険者(謝るのはおれじゃなくあそこに転がってるアホじゃねぇのか?あぁ?どうなんだよ?)
タロー(お前が投げとばしたんだろ?それであいつはおれが飲んでた席に飛んできた。。。か
なるほど!じゃあ、お前ら2人どっちも俺にチェリースライムの蒸留酒一杯ずつな!)
荒くれ冒険者(なんでそうなんだ!ふざけてんじゃねぇ!)
大きく振りかぶりタローの頬に向け拳を振るってきた荒くれの手は頬に当たる寸前でタローの片手に握られ止まった。
荒くれ冒険者とタローとでは体格から筋肉の量まで見ればわかるほどの違いであった。
タロー(あのさぁ、酒一杯おれに奢ればそれで話は終わりなんだぜ?なにも外出る前に怪我する事はないんじゃないの?笑)
タローのニヤッとした顔は荒くれ冒険者からは恐ろしく見えたのだろうか、財布ごとタローの手に渡し足早にギルドから出て行った。
タローはそのお金で酒を買い他の席に座るとなにごともなかったかのように周りも活気を取り戻した。
そして、駆け出し冒険者はタローのいる席の横に立ち必死の表情で言った。
駆け出し冒険者(僕に3万ラダーで雇われませんか!)
タローは考えた。
脳内(家賃が1万ラダー。食費で8千ラダー。毎月の集まりで4千ラダー。残りは8千ラダー。今月乗り切れる!)
タロー(いい報酬だねっ!いーだろうナルタ村までの護衛だったね!喜んで引き受けるよ!)
ニコッニコッで答えた。
駆け出し冒険者(ほんとですか!?ありがとうございます!!! 僕の名前はタイルです!)
タロー(よろしくな!おれはタロマティだ、長いからタローでいーぜ! てか、なんでナルタ村なんて潰れちまったとこ行きたいんだ?)
ナルタ村は魔王が、君臨した5ヶ月後魔物の襲撃で9割が死んでしまい今は、潰れた民家だけが残る村であった。
タイル(ナルタ村で僕は12年間住んでいました。
あの襲撃の時は街に来ていて助かって、魔王がいなくなってからは魔物も弱いしかいなくなって街道は安全になったので、毎月村に行っては優しくしてくれた人達にお供えを持って行っていたのですが。)
タイルが悲しい顔をしはじめた。
タロー(そういや、あそこトロールが住み着いたって話だよな)
タイル(そうなんです。僕の力じゃトロールなんて倒せないし他の人達に力を貸してもらおうと思ったのですが、みんなに断られてしまって。
相手がトロールじゃあやっぱりタローさんも無理ですよね。)
タイルはトロール討伐は諦めていた。そもそもトロールというのは、駆け出し冒険者が何十人か集まって罠や冒険者に有利な場所に誘き出して戦ういわば駆け出し冒険者にとっては最初の壁であった。
そのトロールを見ず知らずの駆け出し冒険者1人がトロールを倒しに行こうなどと行っても人など集まるはずもない。
だが、タローは違った
脳内(待てよ、タイルが報酬で3万ラダー。トロール討伐報酬でたしか。。。4万ラダーだったよな。
てことは。 7万!?!? おいおいまじかよ!?
こんな、うまい話乗るしかねぇよ!)
タロー(タイルくん、いや、タイルさん!)
タイル(は、はいっ!)
タロー(その話乗った!!!)
タローはトロールを討伐する事を決めたのだ。




