うつろ
ブローシュ家のキャラクターについてはSNSのXでAIを使用したイラストを投稿をしています!!
@SHIKI1n9c の名前で投稿中~(^▽^)/
順次登場するキャラクターをまたXにて追加していきますので、こちらもよろしくねえええええ!!
イシュバンは暗い中、部屋を確認しながら屋敷の奥へと少しずつ進んでいった。
途中ロウソク立てを見つけてさらに歩みを早めると、ある部屋の前に来た際に誰かが話している声が聞こえた。
もしかしたらこの屋敷の使用人らかもしれない、と思い慌てて柱の陰に隠れてその声に耳を傾ける。
『・・・く。・・・しい。・・・みを・・・。』
『ま・・・ない・・。』
声はやや遠く、とぎれとぎれにしか聞こえない。
だが、少なくとも男と思われる低い声と若い女性の声は聴き分けられた。
もっと会話の内容を聞こうとしてさらに部屋に近づこうとすると、背後から肩をたたかれた。
「・・・・!!!!」
イシュバンは驚きのあまり声が出せず、その場から逃げようとした瞬間見慣れた顔が目の前に現れる。
「君、ここで何をしているんだい??」
肩をたたいた主はブローシュ家三男のエド様だった。
不思議そうな表情でこちらをじっと見つめる。
「エ、エド様・・・。驚かさないでくださいよ・・・本当に心臓が飛び出るかと思いました。」
「そ、それは悪かったよ。それで、君たしかイシュバンと言っていたね。
ここで何をしているんだい?何か探しもの?」
「えっと、アイラ様がダンスホールのどこにも見当たらなかったんです。もしかして屋敷の奥に入ってしまったかもしれないと思いまして・・・それで・・・。」
「ああ~そういうことか。さっき君がなにやらホール中を歩き回っているな、と思ったよ。
アイラなら、さっきダンスを踊っていた男と二階へ上がるのを見かけたよ。
たしか、二階に座れるところがあったはずだから、そこで休んでいるんじゃないかな?」
「なるほど、そうでしたか。ありがとうございます!」
イシュバンはお辞儀をしてもう一度顔を上げた。
・・・その場を立ち去ろうとしたが、すぐにイシュバンの動きがぴたりと止まる。
「ん?どうしたんだい?」
エド様は優しく尋ねてくる。
「・・・あの、エド様。つかぬことをお伺いしますが、
エド様はさっきまでダンスホールにいて、それでアイラ様たちが二階に上がるのを見かけたんですよね。」
「うん?そうだね。」
イシュバンはさらにたたみかける。
「ボク、ダンスホールを本当にくまなく探したんです。そのとき、アイラ様はたしかにいませんでしたが、
あなたのすがたもどこにもなかった。
でも、あなたの話では、まだホールでアイラ様を探している最中もあなたも同じ場所に居ないとおかしい・・・ですよね・・・。」
イシュバンは少しずつエド様のほうを振り返る。
今晩は月も出ておらず、イシュバンのもつロウソクだけが廊下を照らしていたため、
エド様の表情は陰になっていてよく見えない。
「そもそも、エド様がなぜここにいるんですか?」
「なぜって・・・君が慌てているのを見たから追いかけてきたんだよ。」
「失礼ですが、ボクはまだブローシュ家に来てからエド様と会話をしたことがありません。
ですが、少しだけ知っていることがあります。」
「なんだい?」
イシュバンはその場に立ったままロウソク立てをエド様の顔が見えるように掲げた。
「ブローシュ家の皆様はアイラ様を除いて緑色だと、アンドレアス様から聞いております。」
エド様の顔がはっきりとロウソクの光に照らされた。
しかしその瞳の色は、まるでルビーのように燃え上がっていたのだ。
「・・・あなたは誰だ……!!!!!」
その瞬間エド様がイシュバンに襲い掛かった。
イシュバンは明らかな体格差からすぐに押し倒され、首を絞められたうえ相手に馬乗りにされてしまった。
倒れた拍子に手放したロウソク立ての転がる音だけが、廊下に響き渡る。
【・・・なるほど。どうりでアンドレアスが気に入るわけだ。
だが、賢いってのは時に自分を追い詰めることもあるんだよ、坊や。
・・・・覚えておくといい・・・・ふふふふふふはははは・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!】
エド様から発せられたその声は、聞いたことのない女の声だった。
その不気味なかん高い笑い声は背筋が凍るようであった。
そして、エド様の瞳の色はさらに濃く、濃く、……どんどん赤黒くなっていく。
イシュバンは少しずつ息がもたなくなりエド様の腕に爪をたてていたが、とうとう腕も上がらなくなってきた。
その瞬間、イシュバンの額すれすれのところを目にもとまらぬ光線が通り過ぎた。
エド様の体は、その打たれた光線の衝撃で長い廊下を一気に向こうの壁まで吹き飛ばされてしまった。
「サム!!エドを拘束しろ。」
「はっ!!」
聞きなれた声が近づいてくると、執事のサムがイシュバンの横を走り抜ける。
「エド様。失礼いたします・・・・。」
サムはエド様の両腕を背後に回し、その上から手をかざした。すると、クローヴィス様と同じ光の色の魔術式が瞬時に発動し、エド様の腕を固定するような形で小さな球体の魔法陣が完成した。
「おい!おいっ!!しっかりしろ!?」
倒れるイシュバンの顔をのぞき込んできたのはクローヴィス様だった。
クローヴィス様はすぐさまイシュバンの胸のあたりに両手を置いて魔術を発動させる。
医療魔術を施してくれた時のように、優しい風がイシュバンの体をつつみこんだ。
「おい!・・・・息できるか?」
イシュバンの目はしばらく焦点が定まらない状態だったが、だんだんとクローヴィス様の険しい顔がはっきりと見えるようになった。
「うう・・・・・ク、クロー・・・・ヴィス・・・・・さ・・・ま。」
「・・・・あまりしゃべるな。今助けてやる・・・!
サム!!拘束術式が終わったらさっさと人を呼べ!それから医術師も呼ぶんだ。急げ!!」
「はっ!!」




