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第12話

アベスティア王国より南に位置する国。世界でもリゾート地として有名な島国。

年間を通して気温が高く、透き通るようなオーシャンブルーが特徴的。他にも、その気候ゆえに他では手に入らない食材が多くあり、それを目当てに観光に訪れる客も大勢いる


そんな南国に今


「わぁぁ~~!!これが海なのね!」


始めてみる見る色鮮やかなその景色にテンションMaxではしゃいでいるのは世界の守護者であり、審判者。世界樹ユグドラシルである


「あんまりはしゃぎすぎてコケるなよぉ~」


「わかってるわぁ~!!」


絶対にわかっていない........


「はぁ、全く.......」


そういってユグドラシルの後を急ぎ足で追うのは元王子にして、女神の使徒。そして、魔王ユグドラシルの意思を受け継ぎ人類を根絶やしにするという使命を背負った人神。その名をナーユという。現在は冒険者協会にて、フィスト=ミスティルという偽名で冒険者をしている。というのも........



♠  ♤  ♠  ♤  ♠  ♤  

「え......そろそろお金が底をつく?.........そういえダンジョンに入った当初は文無しだったでしょ?そこからどうやってお金手に入れてたの?」


「あぁ.....それは、ヴェリアルイン伯爵の屋敷からいい感じの貨幣を全て搔っ攫ってきた」


何事もなかったかのように平然と語る。その言葉を聞き、ユグドラシルは料理を口に運ぶ手を止める


「えぇぇ~それって、やってること盗賊と変わりないんじゃ........」


「国家反逆してる時点ですでに盗賊もクソもないだろ」


「それじゃあなんでお金が必要なの?それに必要だったら今まで通り破壊した都市や町からとってくればいいんじゃ」


その言葉に気まずそうに顔を背ける


「......いやね?都市の破壊を全て魔物に任せちゃってるからさ.........すべて破壊しちゃうんだよね」


「あ...........」


「それに綺麗な景色ならリゾート地とか良さげなんだよな。で、そのリゾート地って結構お金かかるんだよ。だから、冒険者になってちょちょっとお金稼ごうかなって.......思うんだけど」


「う~~ん.........」


思案するように首をかしげる。少ししてようやく口を開いた


「それなら私も一緒に冒険者になる!」


・・・・・・・・・・・

荒くれ者が跋扈する建物。弱肉強食を地で行くそこは冒険者協会。

その仕事内容は様々で、依頼主が報酬と仕事内容を協会へ届け、その難易度を協会が査定し、適切な人選を割り振る。仲介料は取れれ、失敗すると賠償金が発生するが、誰でも冒険者になれる点からかなり人気のある職業だ。


「冒険者になりたいのだが!」


声を張り上げる。


「冒険者登録ですね。お二人で登録なされるのですか?」


意外にも受付をしているのはか弱そうな見た目をした美人な女性だった。しかし、その雰囲気に似合わない巨大な果実が二つ.........と考えていると横からすさまじい殺気を含んだ視線が突き刺さる


「ッ.........あぁ!問題あるか?」


それをごまかすように.......そして、周りにいる冒険者連中に舐められないようにと言葉遣いを横柄にする。


「わかりました。それではこちらの紙にお名前と適正属性。そして、職業を記入してください」


そういって、二枚の紙を手渡される。片方をユグドラシルへ渡す。


渡しざまに共鳴魔法で、心の中に語り掛ける


『本名は書くな。流石にまずい。シル=ミスティルにしておこう。俺はフィスト=ミスティルにする』


『あら、いいわね。そうしましょう。夫婦で最強の冒険者よ』


(どっちかというと兄妹じゃね?)


そんなツッコミは心に押し込む


「この職業の欄なんだが、これって無職の人間は『無職』って書けばいいのか?」


「いいえ。ここでいう職業とは、冒険者同士でチームを組んだ時の役割ロールのことを指します。主に前衛の剣士や拳闘士、騎士などがあります。後衛では、魔法士や少数ではありますが聖属性に適性がある方は僧侶などの回復職があります」


「そうか......なら俺は剣士だな。シルさんは........魔法士?」


「それでいうなら私は回復職、神子かしら。聖属性魔法は得意なの」


「そうなんですか?先ほども言った通り聖属性大変稀です」


と、なんだかんだですべての欄を埋め、受付嬢さんに返す。


「はい、これで冒険者登録は完了です。それでは、今から冒険者になられたお二人にガイドラインをご説明します.........」


要約するとこうだ

1,冒険者同士で殺し合いをした場合。即刻冒険者登録を剥奪。その後、協会を永久追放する。

2,獲物の横取りはご法度。この場合。降格処分とする。

3,決闘をする場合。協会職員と決闘する当事者以上のランクの冒険者を立会人にすべし。これよって当事者のどちらかあるいわ双方が死んだとしてもその一切を不問とする。ただし、ランクが違いすぎる場合、支部のマスターの了承を必要とする。

4,協会への報告に虚偽があった場合、降格処分に加え1年の謹慎とする

5,一定期間以上の依頼受注が見られない場合。意欲なしと判断し、冒険者登録を無効にする

6,依頼に失敗した場合。賠償金が発生する。その量が一定に達すれば、降格、あるいは剥奪される


とのことだ。


「また、依頼を一定数。もしくは魔物討伐を規定以上こなせば冒険者ランクが昇格されます」


「なるほど......あらかた理解した。あと質問なのだが、今魔石の買い取りをお願いできるか?」


「?基本的に冒険者の方であればできますが.......どのような魔石を?」


「これなんだが」


そういって取り出すのは、人の頭以上もの大きさを誇る一つの魔石


「「「「「ッ!?!?!?!?」」」」」


それを見た瞬間。周囲がざわつきだし、受付嬢はあまりのショックで白目を剥き、意識を失ってしまう


「あ、あれ........俺、なんかやっちゃいました?」

(くぅ~~!一度は言ってみたかったこのセリフ。言えてよかった)


表面でこそ、平静を保っているが、その心の中ではかなりテンションが爆上げ状態だった


そうこうしていると、気絶した受付嬢を見たほかの受付嬢が急いで奥の部屋へ駆け込む


しばらくすると、ここのトップと思われる巨体の中年男性が先ほどの受付嬢と一緒にその部屋から慌てて出てくる。それは足早にこちらへ向かってきて、魔石と二人を交互に見る。そして、状況を理解したのかナーユの方に手を置き一言


「私はこの支部の統括マスターを務めている。名をリゼルへレスタという。この魔石について少し聞きたいことがある。ここじゃアレだから場所をかよう」


そういって、先ほど出てきた部屋を指さす。そこでナーユは察すのだった


(あっ......調子乗りすぎた。すこぶる面倒な予感)


と..................

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