2020 9/10(5)
何かが自分の周りを覆っている。黒いモヤのようなものが。幽霊みたいにモヤモヤとした黒い何かが理科の回りを漂っている。
呼びかけてもそれは動きを止めずただ理科の周りをずっと回っているだけだ。どうしようかと思って身体を動かそうとするが、全く身体が動かせない。何も出来ずなすがままでいると、黒いモヤが近づいているように見えた。
理科「…?」
気のせいかと思って黒いモヤを見続けていると、さっきより自分の身体に近づいてきているような感じがする。自分の周りは真っ黒になっていき、色が残っているのは自分の足元と手足の肌の色くらいだ。
そうして抵抗しようと身体を悶えさせるが全く動かないでいると、黒いモヤが腕や足元に触れる。
理科「うわっ!」
身体はさっきまでと全く変わらない体勢だが、急降下しているような感覚に陥る。寝ている時急に下に突き落とされたように身体がびくびくっとするが、その感覚は一瞬で終わらずずっと続いている。
理科「~~~!」
黒いモヤが全身を覆ってしまう。全身が急に鳥肌状態になり呼吸が浅くなり、少しずつ苦しくなっていく。呼吸が出来なくなるだけでなく頭痛も出てきて強い嫌悪感が出てきた。そのまま自分が自分でなくなり、誰かに乗っ取られるような…
理科「っは!」
目を開けるとそこは先程まで寝ていた病室だ。理科の声に驚いたのか2つの驚いた声が聞こえた。
理科は声がしたことに驚いて声がした方を向くと、そこには奈那子と楓がいた。




