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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
異変
60/164

2020 9/7(6)

評価・ブクマよろしくお願いします。

放課後になった。授業の合間に生徒はやってきたが、すぐに処置をして出て行ってしまったのがほとんどで、情報が全然入らなかった。保健室は体調不良の人が訪れる人がほとんどだから、期待はしていなかったが、実際に情報が入らなかったことにショックを受ける。


保健室の先生「朝倉さん、戸締りよろしくね」


先生は何か書類を鞄に入れて保健室を出て行った。ベッドには誰も休んでいなくて保健室にいるのは理科1人だ。奥の自習スペースに鞄が置いてあるので、その人が戻ってくるまで待つかと思いながらスマホを取り出す。


誰かから連絡来ていないかなと思っていると伊藤から連絡が来ていた。個人チャットルームに切り替える。


伊藤『どこで話す?』


理科『保健室は?私しかいないよ』


伊藤『先生は?』


理科『保健室から出て行ったよ』


伊藤『了解。今すぐそっち向かうわ』


スマホをしまおうとしたらまたチャットが来た。差出人は瀬奈来夏。


何の用だと思いながら瀬奈とのチャットルームに切り替える。


瀬奈『会って話せない?』


理科「え…どうして突然…どうしよう」


とりあえず伊藤に瀬奈から会って話がしたいと言っていることを伝えると即既読からの返信が来た。


伊藤『保健室に来いって言っておいて。このタイミングで会いに来たという事は少なくとも敵意はないと思う』


理科『分かった』


瀬奈に保健室でと送ると「了解」と返信が来た。


あとは2人が来るのを待つだけだ。背もたれに寄りかかり、外を見ていると空が暗くなっていた。さっきまで外は決して明るいわけではなかったが、急に天気が悪くなってきた。黒い雲がどんどん出てきて、学校の真上に覆い始める。


理科「……一雨きそうだな~」


傘を持ってきていなかったので最悪濡れて帰ることになりそうだ。黒雲を見ていると嫌でも清水を助けに行った時のこと思い出す。もしかしたらまた何かが起きるのかもしれない。暗い外を見ていると気が滅入りそうなのでカーテンを閉じて外が見えないようにした。


まだ来ないのかなと考えていると伊藤がやってきた。


伊藤「よー」


理科「おー」


伊藤は近くの椅子を取り理科の近くに座り、カバンは机の上に置いた。伊藤が座ったのとほぼ同時に瀬奈と清水がやってきた。


伊藤「おい」


瀬奈「まぁまぁ、伊藤が社巫女と仲が悪いのは聞いているけど、今回は許してくれない?」


清水「……」


伊藤「理科、清水が来ると聞いていたか?」


理科「聞いていない」


瀬奈「私が言わなかったの、言ったら話し合いにならならそうだから」


理科「……」


このまま話し合いを始めるかという意味を込めて伊藤を見ると、伊藤は少し悩んだものの


伊藤「……わかった。清水、理科に手を出したら許さないから」


清水「それはこっちのセリフ、理科ちゃんを見捨てたら許さないから」


2人がメンチを切っている間に、瀬奈が近くの椅子2つを取って1つを清水に渡すと、2人は理科と伊藤の対面に座った。理科実験の時に、4人班になったときみたいな感じだ。


理科の前に瀬奈、隣に伊藤、右前に清水となっている。


伊藤は清水と向かい合っていて、隣に理科、左前に瀬奈がいる。


清水「それで話というのは…」


瀬奈「まずは私たちから話すわ。多分2人のどっちかがそうじゃないかなと思っているから」


伊藤「……どういうことだ?」


瀬奈「私と社巫女の個人の目的がおそらく2人…少なくとも片方に関係があると思うから」


理科「?」


伊藤「いいだろう…話せ」


瀬奈「私と社巫女の個人の役目は一緒でね、「12人の少女」「異能力鬼ごっこ」「〇×△ゲーム」の真相を調べる者の手伝いをすることなの。2人のどっちかは多分この3つの真相を探るとかそういうのじゃないかなって思って」


伊藤「私達がそうであるかもしれないという根拠は?」


清水「あの会議の時に周囲を見渡したら、2人がそうじゃないかなって思って」


伊藤「……それだけ?」


瀬奈「それだけ。後は今までの2人の動きを見ると、4日に研究施設に入ったグループって2人と柊姉妹だけなんだよね。あの時はグループの存在自体知らされていなかったから結果論みたいな言い方になるけど、参考程度に考えて2人のどっちかはそうじゃないかなと思った」


伊藤「それだと柊姉妹の3人の可能性だって十分ありえるだろ」


清水「椿はなんだか距離感が掴めていないような感じがあるし、楓に至っては全く何も見えていないような感じがあったわ。奈那子だけ学校に来ているけど…放置で良いかなと思っている。3人は3人が無事でいることを最優先にするから、もし私達がサポートする人だとしてもあまり協力しないと思ったから」


理科「……」


伊藤「理科、どう思う…」


理科「理由はうなずける部分が多いし、特に怪しいという感じはしないけど…」


瀬奈「私達は2人で提案しにきただけだから、もし2人とも違うなら私たちは帰るわ」


理科「個人の…役目を…見せてくれませんか?」


瀬奈「それじゃあフェアじゃないでしょう? そっちが話そうとしていた話が聞きたいわ。言うなら2人の話を聞いた後にね」


伊藤「…」


どうするという目線で理科を見てくる。理科も伊藤の目をジッとみる。


理科「2人とも…指輪を見せてください」


瀬奈「ほい」


清水「…」


2人とも指輪の色が赤だった。〈入れ替わり〉〈変装〉は使われていないようだ。もっとも伊藤が奈那子と楓に聞いた情報だから、2人が嘘をついた可能性も捨てきれないが…。


伊藤を見ると、彼女は首を縦に振った。


理科「私がそうです。私の役目が「12人の少女」「異能力鬼ごっこ」「〇×△ゲーム」の真相を調べることです」


清水「理科ちゃんなの!? 良かった~。やる気出てきたわ」


さっきまであまり感情を見せないでいた清水の表情が一気に明るくなり理科の手を握る。


清水「良かった~、何でも言ってね~理科ちゃん」


ニコニコと理科の手を握っている清水。いつ放すのかなと思っていると伊藤が2人の手を強引に放させる。それにイラついた清水は伊藤を睨み、伊藤は清水を睨んでいる。


清水「伊藤、私一応先輩なのだけど? そこ分かっている? 頭大丈夫?」


伊藤「いや~、人の相棒に勝手にベタベタする人が先輩だったとは…すいませんね、あまりに先輩に見える行動じゃなかったので、下級生かと思っていました。アッハッハッハ」


伊藤が清々しい笑顔を清水に向けると、清水も伊藤を見てニコッと笑って


清水「アハハ、うざい笑顔だね~」


伊藤「いえいえ、清水先輩には負けますよ~」


瀬奈「…」


理科「…」


何やら隣の足元がジタバタと結構激しく動き合っているのだが、気にせず話し合いを続けることに


理科「ちなみに2人は「12人の少女」「異能力鬼ごっこ」「〇×△ゲーム」について何か知っていますか?」


瀬奈「…多分だけど私は○×△ゲームに出ていたと思う…」


理科「根拠はなんですか?」


瀬奈「○×△ゲームという言葉を聞いたとき、何か既視感があったからよ」


清水「私もおそらく○×△ゲームに何か関わっていたような気がするわ。理由は来夏と同じで、どこか既視感があるのよこの言葉。」


足元のドタバタが終わったようで清水が話しに加わってきた。となりで伊藤が足元を抑えている。多分思いっきり踏みつけられたのだろう。白い靴下が若干黒くなっていた。


瀬奈「でもゲームの内容が全く思い出せないのよね」


清水「勝者以外はゲームの内容や存在自体を忘れるような仕組みになっているって噂されているしね」


伊藤「忘れる仕組みになっているなら既視感があるという理由は不自然じゃないか? 忘れているなら既視感があること自体疑わしいのだけど」


清水「それはおそらく私達と12人の少女が関わっていると思っているわ」


理科「というと」


清水「1日に集められたのは12人、そして今も12人一緒に暮らしている。このゲームが終わらない限りは他のゲームを受けたことがあっても、記憶消去が完全には行われない…というのが私の読み。中途半端に処理が施されているのかもしれない。実際個人の役目でこれらの単語を見ていなくて聞いただけなら気のせいかなと思えたけど…」


理科「…」


少し無理があるような気がしたが、とりあえず今はそれで納得しておくことにした。


瀬奈「といっても具体的なことは何1つ覚えていないのよね~、中途半端に暗記してテストでなんだっけってなった気分だわ」


瀬奈が背もたれに寄りかかり、腕を上にあげてググっと身体を伸ばすと身体がバキバキとなっていた。


清水「そろそろ…そっちの知っていることを話してくれてもいいんじゃない?」


伊藤「…良いだろう」


理科「良いの?」


伊藤は視線を2人に向けつつ、スカートのポケットからスマホを出して、画面を見ずに文字をスイスイと打ち始める。


理科のスマホに伊藤からの個人チャットが来た。どのタイミングで見ようかと思ったが


伊藤「話す前に2人にクラスの様子を聞きたいかな。私のクラスのことも話すからさ」


伊藤が2人の注意を自分に寄せて、一瞬だけ理科の目を見る。恐らく今見ろということだろう。


伊藤『協力者なら話を聞いてもらった方が良いだろう。仮に敵対するとしても、早いところ情報がほしい』


理科はポケットからティッシュを取り出して鼻を噛む。顔を下に向けて右手で鼻を抑えながら左手で画面を弄って伊藤のチャットを確認する。鼻を吸い終わるとすぐにスマホをポケットに戻してティッシュもしまう。


清水「私のクラスは何か殺気立っていたわよ? といってもクラスの8割くらいが殺気立っていて残りの2割の人はどこか居心地が悪そうだったわ。あ、ちなみに私は2割の方ね。2割の何人かに話を聞いてみると、比較的学校を休んでいた子が多かったという印象かしら」


瀬奈「私のところも基本的に社巫女と同じ。なんだか空気が悪くて、クラスの半分以上の人たちがなんだがブツブツと言っていたわね。確か…裏切り者とか…排除…とか…そんなこと言っていたわ」


伊藤「大体私と同じだな」


理科「社巫女さん、瀬奈さん」


清水「何?」


嬉しそうにニコニコと理科を見る清水、それにイラついたのか再び2人の足元がドタバタとするが、


瀬奈「やめなさいみっともない」


理科「ルキ、少し大人しくしてよ」


瀬奈が清水の襟元を上に引き上げ、理科がルキの横腹を突く。


伊藤・清水「だってこいつが!」


2人で指を指して睨みあう。


瀬奈「朝倉も大変ね」


理科「…いえ、話が進まないから大人しくして」


伊藤「…」


無言で姿勢を直して、背筋を伸ばす伊藤。


理科「さてと、まず私が2人の言う探索者で合っています。これから一緒に行動することが増えると思うのでよろしくお願いします」


2人の目を見て頭を下げる。


瀬奈「うん」


清水「はぁい」


理科「…どこまで話したの?」


伊藤を見ると


伊藤「えっと…クラスの様子とお互いの状況だ。2人とも私達と同じ状況のようだ」


同じ状況…つまりよくわかっていないということだろうか。とりあえず放課後だし職員室でも漁るかと考えていると、頭の中にある光景が思い浮かぶ。


「攻撃者を殺さないで拘束しないと死亡する」


伊藤「!」


清水「!」


瀬奈「!」


3人が同時に息をのむ。理科が赤目になったのを見て能力を発動したと判断したのだろう。2人は咄嗟に理科から距離を取り、伊藤は辺りを警戒していると


「真横に逃げろ」


本能の赴くまま横に身体を投げて逃げると、さっきまで理科が座っていた椅子が思いっきり上から潰されたように歪んでいた。異常を察知した3人はそれぞれ入り口から距離を取り、それぞればらけてカバンを持ち戦闘態勢になる。誰だと思って入り口を見ていたら、閉めていた扉が開けられる。


そこからある生徒が入ってきた。


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